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第39話

Author: 風待 栞
しかし雅は、その侮辱にも全く動じなかった。それどころか、先ほどよりもさらに媚びるような笑みを深くする。「ねぇ紗音ちゃん、そんなに敵対しなくてもいいじゃない。うちと高遠家は、ビジネスでも色々とお付き合いがあるんだし。どうしてあんな落ち目の女を庇ったりするのよ」

紗音は心底呆れ返った。雅のわざとらしい媚態に、全身に鳥肌が立つ。

それは紗音だけでなく、雅の後ろに控える亜紀でさえ、まるで幽霊でも見たかのような顔をしていた。

「鷹司さん、さっさと失せないと、人を呼んで追い出してもらうわよ!」紗音はついに、あからさまな不快感を顔に出した。

雅は一瞬ぐっと言葉に詰まったものの、それでも怒った様子は見せない。紗音に笑顔を向けたまま、何事もなかったかのように立ち上がった。

「忙しいみたいだから、お邪魔はここまでにするわね。また今度」

その姿が見えなくなると、紗音はふうっと息をつき、水琴に向き直った。「水琴お姉ちゃん、あの人、何か変な薬でも飲んだのかな?」

水琴は何か考え込むようにしていたが、やがて静かに首を振った。「私の知る限り、あの子はああして我慢するような性格じゃないわ。碌なことじゃな
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