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第79話

Author: 風待 栞
紗夜は雅の耳元にそっと顔を寄せ、囁いた。「……これはね、『敵を罠に誘い込む』策よ」

「誕生日パーティーを……前倒しで?でも、あいつが来るかしら?」雅が呆然と繰り返す。

「冗談じゃないわ!」佳乃が不満の声を上げた。「あの女の顔なんて見たくもないのに、わざわざ雅の誕生パーティーに招待するですって?とんでもない!」

だが、雅はその言葉を気にも留めなかった。もし紗夜の言う通りになれば……あいつが来れば、灼也も来る可能性が高い。そして、たとえ彼が来なくても、その時は誰も彼女を守る人間はいないのだ。

あの女をパーティーに呼び出しさえすれば、後は自分の思い通りになるのではないか?

それに、自分の誕生日はもうすぐだ。それをほんの数日、コンテストの前に早めるだけのことだった。

「お母様!決めたわ、誕生日パーティーは前倒しでやる!紗夜さん、知恵を貸して。あいつ、素直に来るとは思えないもの」雅はそう言ったものの、すぐに顔を曇らせた。

「雅さん、考えてみて。今、彼女が一番必要としているものは何かしら。そこから手掛かりが見つかるかもしれないわ」紗夜が穏やかな声で助言する。

「一番必要としているも
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