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第91話

Author: 風待 栞
やれやれ、といくつかの袋を両手に提げたが、まだ残っている。これ以上は持てそうになかった。「……手伝って」

そう呟いた瞬間、手の中がふっと軽くなる。水琴が持っていたものも含め、すべての袋が灼也の腕の中に奪われていた。彼はその大荷物を軽々と提げ、さっさとマンションへ入っていく。

「高遠さん、私も持ちますから!」水琴は慌てて、その荷物をいくつか奪い取ろうとした。

エレベーターホールに着くと、先に行った紗音と鹿耶を乗せた扉がちょうど閉まったところだった。二人は次のエレベーターを待つ。

灼也は、ひらりと身をかわして水琴の手を避けた。「俺が持つ」

「でも、多すぎます。いくつかください」彼女はもう一度、手を伸ばす。

荷物は重そうではないが、とにかくかさばって持ちにくそうだった。

チーン、と音がして、エレベーターが到着した。「先に乗りな」

灼也に促され、水琴はすぐにエレベーターに乗り込む。だが、灼也が乗り込もうとした時、荷物の幅が広すぎてドアに少しつっかえてしまった。彼女は慌ててその袋を引っぱろうとする。

閉まりかける扉。灼也はわずかに眉をひそめると、袋もろとも彼女の体をぐっと抱き寄
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