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第417話

Author: 風待 栞
裕子の悲痛な言葉に、紗夜はたまらず目頭を熱くした。

「お母さん、そんなこと言わないで……」

紗夜は涙を堪えながら、震える声で首を横に振った。「臣さんは、私を絶対に見捨てたりしないわ。必ずここから助け出してくれるって、そう約束してくれたもの」

それに――

紗夜はそっと、シーツの下の膨らみ始めたお腹を撫でた。

たとえ臣さんが私を見限ったとしても、お義母様だけは絶対に私を切り捨てたりしない。

このお腹に宿る鷹司家の跡取りのためなら、あの人はどんな汚い手を使ってでも私を守り抜くはずよ。

絶対的な命綱。それがある限り、自分は安全なのだと必死に自分に言い聞かせていた。

しかし――

その薄氷の上に成り立つ仮初めの平穏は、その日の夜、無残にも打ち砕かれることとなる。

すっかり日が落ちた頃。

姑の佳乃が、わざわざ自宅のシェフに作らせたという栄養満点のスープを保温ジャーに入れて見舞いにやって来た。

「さあ、冷めないうちに召し上がれ。お腹の子のためにも、しっかり精をつけないとね」

「ありがとうございます、お義母様……」

紗夜が安堵の笑みを浮かべ、レンゲでスープを一口、二口とすすっ
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