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離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー
離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー
مؤلف: 中道 舞夜

1.天国から地獄へ突き落された日

مؤلف: 中道 舞夜
last update تاريخ النشر: 2025-06-09 15:01:58

「おめでとう、妊娠してる!……双子だよ!一条くん、きっと驚くね!」

専属医の三上先生の言葉が何度も頭の中で復唱されている。

「信じられない!嘘?本当に私のお腹に子どもが?しかも二人も!?」

嬉しいというよりも頭の中が真っ白だ。結婚して三年。妊活に励み子どもを授かることを待ちわびていた。ずっと、ずっと待ち望んでいた瞬間が今日、いきなり二倍になってやってきた。

病院からの帰り道、窓の景色を眺めながら私は夫の瑛斗に報告する場面を何度も想像した。彼のくしゃっと笑った顔。少し照れたような心の底から嬉しそうな顔。早くその顔が見たかった。

長年仕えている運転手が私の変化に気づき話しかけてきた。

「華お嬢様、何か良いことでもあったのですか?さきほどからとても幸せそうなお顔で微笑んでいらっしゃいますね。」

「ええ、とっても素敵で幸せなことがあったの。」

夫の一条瑛斗は、一条グループの若きCEO。切れ長の瞳、通った鼻筋、そしていつも自信に満ちた佇まい。初めて見た時、私はその完璧なまでのルックスに息を呑んだ。瑛斗のことを高校の時からずっと好きで初恋の人だった。

神宮寺家の令嬢である私は、父や祖父が決めた相手と結婚をしなくてはいけなかった。いわゆる「政略結婚」だ。家のために自分の気持ちとは関係なく結婚することは絶望的な未来に思えた。しかし、運命は残酷なだけではなかった。

お見合いの席で、一条家の御曹司として瑛斗が現れた時は信じられなくて言葉を失った。まさか初恋の相手が夫になるなんて想像もしていなかった。その夜、喜びと幸せで胸がいっぱいになり興奮して眠れなかった。こうして私たちは夫婦になった。

あれから三年。瑛斗は社長に就任して多忙な毎日を送っているが、私は初恋の相手瑛斗の妻になれたことに幸せを感じながら毎日を過ごしている。

(念願の妊娠だもん。こんな嬉しいニュースは直接伝えて瑛斗の喜ぶ顔が見たい)

病院を出てすぐに電話で報告しようと思ったが直接伝えることにした。

病院から帰ってきてすぐに瑛斗が好きなラザニアを作って帰りを待つことにした。もちろんソースは一から手作りだ。料理長の作るご飯も美味しいが、こんな特別な日は自分で作って瑛斗を喜ばせたかった。

(どんな顔をするだろう。どんな言葉をくれるだろう。)

ソースを煮込みながら、彼の喜ぶ姿とこれから始まる家族4人の生活を想像しながら彼の帰りを待っていた。出来立てを食べて欲しくて帰りが何時になるか連絡したが返事は来ない。ソファで待っているうちにうたた寝をしてしまい、車のエンジン音で目を覚ました時には既に22時を過ぎていた。

瑛斗を出迎えるため慌てて玄関へ向かう。

「おかえりなさい」

「ただいま。」

「なんだか疲れているみたいだけど大丈夫?」

「ああ。……話があるんだ。少しいいかな」

いつもより冷たく沈んだ声で瑛斗が静かに言った。疲れ切った様子の瑛斗だが、大人の男の色香をまとい、疲れた顔さえも魅力的だった。3年たった今でも瑛斗と目が合うとドキドキして胸が高鳴る。

表情がどこか硬い瑛斗の後ろを歩きリビングへ入った。

(仕事で疲れているのかもしれない。でも妊娠のことが分かったら気持ちも変わるかも!)

「先にご飯にする?今日ね、話をしたいことがあって瑛斗の好きなラザニアを作って待っていたんだ。」

「……そうやって機嫌でも取っているつもりなのか。」

「え……?」

瑛斗の言葉に耳を疑った。普段はそんなことを言う人ではない。頭の回転が早く、いつも冷静で落ち着いて、人が不快に思うような台詞は今まで一度も言ったことがないので信じられなかった。

「瑛斗、仕事で何か嫌なことや問題でもあったの?何か疲れている?私に出来ることがあるなら……」

ソファに座る瑛斗に近寄り、膝をついて手を重ねると怪訝そうな顔をしてすぐさま振り払った。

「触るな。もう放っておいてくれ。それよりここにサインをしてくれないか?」

彼は深くため息をついた後、鞄から一枚の白い封筒を取り出した。

何の書類か分からず受け取ったがタイトルを見た瞬間、頭の中が真っ白になった。

(なにこれ……)

【離婚協議書】 彼から渡された書類にはこう記されてあった。

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みどり
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kasumi12162000
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mnm_hrk-ma-434763
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  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   555.りゅうちゃん

    瑛斗side一週間後、探偵からの着信に息を呑み、すぐさま通話へと切り替えた。「一条社長、先日ご依頼いただいた件ですが、櫻子さんの件で例の従兄弟の男性とアポイントが取れ、直接話を聞くことが出来ました。実は三十年前、その男性は一度だけ櫻子さんのアパートまで足を運んでいたそうなんです。ですが、玄関口で男性の存在を理由に固く面会を断られ、そのまま引き返したそうで……」「本当ですか……! それで、その時に相手の男を目撃したんですか?」「ええ。しかし、ドアの隙間から一瞬見えた程度だったため、顔の特徴はほぼ覚えていないとのことでした。先日いただいた四兄弟の写真をお見せしたのですが、『うーん、違う……ような気がする』と非常に曖昧な回答でした。もう三十年近く昔の話になりますから、当時の記憶と写真だけで特定するのは、正直厳しいかもしれません。ただ……一つだけ、非常に有力な証言が得られました。櫻子さんがその相手の男性のことを『りゅうちゃん』と呼んでいたそうです」「りゅうちゃん……?」受話器を握る手に、知らず知らずのうちに力がこもる。「ええ。その呼び名だけは、鮮明に覚えていると仰っていました。櫻子さんは普段、身内に対してもどこか余所余所しく、一定の距離を置いて接する冷めた性格だったそうなのですが、その男性に対してだけは普段誰も聞いたことがないような甘えた声で、心底嬉しそうに瞳を輝かせて見つめていたのが強烈な印象として忘れられなかった、と」「……りゅうちゃんか。だが、電報社の四兄弟の中に『りゅう』という字がつく人物はいなかったはずだ」「ええ、その通りです。将司、誠司、光司、裕司……本名からも、一般的なあだ名としても『りゅう』を連想させる人物はいませんよね。もしかすると、当時彼女が密かに交際していた相手というのは、電報社の親族とは全く別の人物なのかもしれません」「……分かった。迅速な調査に感謝する。他に何か小さなことでも収穫はあったか?」「いえ、あとは特段ご報告できるような内容は……。その従兄弟の方も、アパートで断られて以降は櫻子さんと一度も会っていないそうです。携帯のアドレスを変更した際に通知メールを送ったものの、エラーで返ってきたそうで、もう何十年も完全に音信不通だと言っています。今の彼女の連絡先や居場所も全く知らないと」「そうか。ならば、彼女が上京してからの交友関

  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   554.昔の写真

    瑛斗side櫻子さんと三村家の間に隠された関係、そして玲の本当の血縁。 玲の父親は一体誰だったのか――その正体が突き止められれば、この一連の事件の全貌が一気に解き明かされるのではないか。 そう確信した俺は、ある人物へ連絡を入れた。「一条です、ご無沙汰しております。実は……一つお願いしたいことがありまして」「これは、一条社長。お久しぶりです。先日は長谷川の逮捕について連絡をくださり、本当にありがとうございました。その節は、大変お世話になりました。それで……私へのお願いとは、どのようなことでしょうか?」電話の向こうから聞こえてきたのは、芦屋グループ会長の娘である芦屋彩菜さんの落ち着いた声だった。彩菜さんは現在、長谷川によって自殺として処理されかけた夫の不審死について、長谷川の罪を徹底的に追及すべく法廷で戦っている最中だった。夫を奪われた遺族としての強い意志が、その声の端々から伝わってくる。「突然のお願いで恐縮なのですが……以前、電報社のパーティーに出席した際、貴社の会長のご子息方をご紹介いただきましたが、もう一度みなさんのお名前と、出来れば全員の顔がはっきりと分かる写真を分けていただけないでしょうか? 可能であれば、最近撮られたものと、少し昔の古い写真があれば助かるのですが……」「昔の写真……も、ですか?」

  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   553.新たな疑惑

    瑛斗side(三村は、これまでも用済みになれば容赦なく見捨ててきた。そんな冷酷非道な三村ジョニーが、リスクを冒してまで逃がそうとしたなんて何か理由があるはずだ……)三村雅と三村ジョニーの、親子の絆を超えた八年間にも及ぶ歪んだ同居生活―――華の実母である翠さんの凄惨な事故と、命を守るためにひそかに養子へ出された真珠さん。 玲が海外へ留学する前に、三村のNPO法人から受け取っていたという、返済義務すらない不可解な謎の奨学金。 そして……逃亡を図った玲の元秘書・長谷川が逮捕された際、激しい憎悪を剥き出しにして吐き捨てた「玲はただの被害者ではない」「指示されて玲と一緒に逃げることになった」という言葉。これまでバラバラに散らばっていた思考のピースが、凄まじい速度で形を成していく。そして、ひとつの末恐ろしい一つの仮説が生まれた。真珠さんを守るため、そして何より愛する華をこれ以上の危険に晒さないために、俺はこの仮説を検証しなければならなかった。「……神宮寺会長。玲の……留学時の奨学金の手続きをすべて仕切っていたのは、櫻子さんでしたね?」俺の切迫した声に、神宮寺会長は思わず顔を上げた。「ああ、そうだ。留学に関する手配や資金の管理はすべて櫻子に任せていて、私はノータッチだった。……それがどうかしたのかね?」「……会長、失礼なことと承知の上で私の考えを述べさせていただきます。……櫻子さんと、三村家の間に接点はありませんでしたか? たとえば……櫻子さんが神宮寺家に嫁ぐ前の過去の交友関係や、三村家の人間との裏での繋がりとか神宮寺会長の知らない繋がりがある可能性はありませんか……?」俺の言葉を聞いた瞬間、会長の顔色が目に見えて変わった。血の気が引き、みるみるうちに会長の顔が土気色に青ざめていく。「な……何を言っているんだ、瑛斗君。まさか、櫻子と三村家が裏で繋がっている……君は本気でそう考えているのか……?」重苦しい静寂が恐ろしいほどの圧力を伴って割烹の個室を押し潰していく。 会長の唇が微かに震え、見開かれた瞳は焦点を失ったまま固まっていた。言葉にならないその沈黙こそが、俺が口にした恐ろしい疑念を残酷なまでに肯定しているように見えた。「……もし、玲が、櫻子さんと三村家の誰かとの間に作った子だとしたらどうですか!? そうだとすれば、三村ジョニーと玲は、従兄弟、もしくは異母

  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   552.妹

    瑛斗side神宮寺家と三村家の因縁、親父と雅さんの関係。これらすべてが長い期間を経て複雑に絡み合っていた。親の世代に起きた出来事が、今、俺や華、そして玲に振りかかっている。(両家が三村家と関わりがあったなんてこれは単なる偶然なのか……?それとも分かった上で近づいたのか?雅さんから話を聞いた三村が、俺と玲が結婚したことを知り、復讐のために玲に近づいた……?いや、玲と三村は、玲が大学生になる頃……結婚するずっと前に接触をしている。それなら、目的は、神宮寺家?)両家が三村家と関わりを持っていたという事実は、単なる偶然の一致として片付けるにはあまりにも出来過ぎている。(雅さんから親父との関係を聞かされて育った三村が、俺と玲の結婚を知って復讐のために近づいた……? いや、三村が玲に接触したのは玲が大学生の頃だ。俺と華が結婚をするずっと前に、二人はすでに繋がっていた。それなら、最初の標的は一条家ではなく、神宮寺家だったということか……?)脳内で組み上がる仮説を繋ぎ合わせようともがいていると、神宮寺会長が静かに手元の杯を置き、背筋を正した。その瞳には、先ほどまでの悔恨とは異なる冷徹で思いつめた光が宿っていた。「瑛斗君。……やはり、もう一つ君には今この場で話しておくべきだと判断した。いや、話さなければならない」「話さなければならないこと?会長……一体、何のことですか?」

  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   551.元親子の告白

    瑛斗side「……もう三十年以上も前の話だったから、華と君が結婚する時は敢えて話さなかったのだがね。実は、神宮寺家と三村家には深い確執があってね。かつて大きなビジネストラブルに見舞われ、なかなか和解ができず、当時には珍しく裁判までに至ったのだよ」「神宮寺家と三村家が裁判……ですか?」「ああ。新規取引先の参入を巡っての対立だった。結局、相手方の不当性が認められ、神宮寺家には一切の非がないとしてお咎めなしとなり、裁判を起こした三村側が裁判費用を全額負担することで決着した。一時は裏で悪質な嫌がらせも受けたが、しばらくするとそれも収まり、私はすべて終わった過去のことだと思っていたんだ……」神宮寺会長は、悔恨の念を滲ませながら静かに言葉を続けている。思ってもみなかった告白に俺は息を呑んだ。「それが、今になって……華と玲が成人してから、一条家と神宮寺家の間に気味の悪い出来事が不気味に続いている。三村君が一条グループの副社長の座に収まったのもそうだ。断ち切ったはずの三村家との関わりが、再び出来てしまった。そして、今の三村家は、神宮寺家ではなく一条家を直接のターゲットにしているように思える。……もしかして、神宮寺家が一条家と婚姻関係を結んだからこそ、奴らの狙いが一条家へとシフトしてしまったのではないかと……。瑛斗君、本当に申し訳ない。すべての根源は、我が家にあるのかもしれないんだ」そう言って、神宮寺会長は俺に対して深々と頭を下げた。今まで親父の口からも、神宮寺家と三村家の間のそんな凄絶なトラブルなど一度も聞いたことはなく、初めて知る歴史に戸惑いを隠せなかったが、同時に胸の中で疑問が芽生える。(いくら激しい損害を受けたとはいえ、三十年も前のビジネス上の遺恨だけで、ここまで執念深く家族全員を巻き込むような陰湿な復讐を仕組むだろうか……)「会長、どうか頭を上げてください……。実は、私の方からもお話ししなければならない重要な事実があります。……以前、電報社が主催したパーティーに招待された際、三村家の方々を順番に紹介されました。その中に……私の父と極めて深い繋がりを持つ人物がいたのです。その人の名は、三村雅(みむら みやび)。電報社会長の息子に嫁ぎましたが、ご主人が病死された後は本家を離れ、別邸で暮らしています。そして彼女は……その別邸で数年間、三村ジョニーと一緒に暮らして

  • 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー   550.密談

    瑛斗side三日後の夜、俺はある人物と会うために、都内にある高級割烹料理店の個室へと入って行った。接待でも利用する店で個人のプライバシーがしっかりと守れており、ここなら安心して話が出来る。約束の時間の二十分前に到着し、案内された静かな和室の畳の上で、背筋を伸ばし正座をして待ち続けた。今日、一体どのような口からどんな真実が語られるのか。落ち着かない胸騒ぎが止まらず、静まり返った部屋の中で何度も腕時計をチラリと見ては、針の進みに気を揉んでいた。待ち合わせの七分前になると廊下の床を踏みしめてこちらへ向かってくる足音が聞こえてきた。 背筋を正しなおして膝の上で固く拳を握り締める。襖に大きな人影が映り込み、スッと静かに開く音が部屋中に響き渡った。「お待たせしたね。忙しいのに、わざわざ時間を作ってもらってすまない。今日は来てくれてありがとう」「いえ……お電話をいただき光栄です。ご無沙汰しております。……神宮寺会長」そこに立っていたのは、華の父親であり神宮寺グループのトップである神宮寺会長だった。 会長とこうして直接顔を合わせるのは、華が長野の別荘で暮らしていた頃以来で、実に三年ぶりになる。あの時は、三上のマンションに囚われていた華を救出することで互いに必死で、まともに言葉を交わす余裕などなかった。こうして落ち着いて面と向かって話をするのは、一体いつ以来だろうか……もう遠い昔のように思えるほどの年月が流れていた。

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