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第15話

Auteur: 大儲け堂
「本当に彼女によく似てる……」玲司は思わずつぶやいた。

「玲司、何言ってるの?誰が誰に似てるって?」

スマホ越しにマネージャーの水野の声が響き、玲司は我に返った。

「いや、なんでもない」

「それで、今後どうするつもり?」

「もっと金を積め。いくらでも出す。必ず一位にしてくれ」

玲司は、やたらと勝負心を燃やしていた。悠真のトレンドを全部押しのけてやりたかった。

「さっき運営と話したけど、せめて二位が限界だって」

「一位じゃなきゃダメだ」

玲司は電話を一方的に切った。

悠真と競うのがどうしてもやめられない。

昔、初芽をめぐって争っていたとき、最終的には悠真に勝った。

――

その頃、悠真は初芽を壁に押しつけ、ほとんど鼻先が触れ合う距離まで迫っていた。

悠真の呼吸が初芽の唇にかかり、思わず顔が熱くなる。

「キスして」悠真が甘い声で言う。

「え?」初芽は固まってしまい、思わず彼を押し返そうとした。

悠真はその手をそっと取り、さらに優しく促す。

「リラックスして、キスしてみて」

初芽は躊躇しつつも覚悟を決め、つま先立ちでゆっくりと悠真に顔を近づける。

――その瞬間、スマホの着信音が鳴った。

初芽の体がびくっと震える。

悠真は手を離し、スマホを取りに行って電話に出た。「はい、今稽古中だけど、何か?」

「トレンド?そういうの気にしないんで、運営の仕事にいちいち口出すつもりもないし、そういうことで電話してこなくていいから」

あっさりそう言って電話を切ると、悠真は再び初芽のもとへ戻ってきた。「続けようか」

初芽は自然と半歩後ずさり、顔が熱くなって唇まで震えてしまう。「ちょっと、休憩してもいい?」

悠真はじっと彼女の顔を見つめ、少し考えてから優しくうなずいた。「いいよ。少し休もう」

そう言ってソファへ移動し、テーブルの上の台本を手に取った。

初芽はようやくホッと息をつき、気まずさを紛らわせるために声をかける。「何か飲み物持ってくるけど、コーヒーがいい?それとも何か他に?」

悠真は台本から顔を上げ、初芽の全身をさっと見てから言った。「俺、ぬるめの水がほしい」

初芽は小さくうなずき、稽古場を出てリビングのバーカウンターでぬるま湯を注いだ。ついでに自分用のコーヒーも用意し、また稽古場に戻る。

「どうぞ」初芽はぬるま湯のグラスを悠真の
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