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第3話

Author: 椿
【お前のお父さんの故郷の雪が見たいって、いつも言ってたよね。隊長が言うには、俺は半年後に北部特殊基地に移れるんだ。そしたらお前は東都中央大学の学生だし、雪を一緒に見に行けるようになるね】

そのメッセージを見たとき、私は感動して泣いてしまった。

今思えば、あれは結局私だけの夢だった。どうやら、一人で叶えるしかないみたい。

そう思いながら私は海辺で夜が明けるまで過ごして、それから家に向かった。

その間、剛も母も、私の居所を一度も尋ねてこなかった。

ただ、SNSで洋子の投稿だけが更新され続けていた。それはみんなが彼女を囲んで慰めている動画だった。

そして、家に帰ってドアを開けると、私の布団と枕がリビングの床に投げ捨てられていて、母が私に冷たく言った。

「洋子ちゃんがあなたと同じ部屋にいたら、また嫌な思いをさせられてしまうでしょ。だから今日からあなたはリビングで寝て」

さらに、剛も目を真っ赤にして、私の前に来て言った。「おばさんの言うことは正しいよ。お前のその性格は、本当に直すべきだ。

これから俺と結婚して一緒に暮らすんだ。もしそれでも変わらなかったら、誰もお前のわがままを許してはくれないぞ」

だが、私は二人を無視して、ただ黙って自分の布団を拾い上げた。そしてソファの上に置くと、その中に潜り込んで目を閉じた。

昨夜、一晩中眠れなかった私は、今はただ静かに眠りたかった。

母は鼻で笑った。「あなたは死んだ父親そっくり。どこまでも頑固で、ひねくれてるんだから」

それから彼女は笑顔で、洋子と腕を組んで言った。

「さあ、行こっか。私と剛が、新しい服を買いに連れて行ってあげる。もうすぐ大学生なんだから、うんとオシャレしないとね」

そう言って、三人は楽しそうに笑いながら家を出て行った。誰一人私に目を向けることなく。

一方、私は午後まで眠り続け、ようやくゆっくりと目を覚ますと、家の中は、しんと静まり返っていた。

喉が少し渇いていた。私は起き上がって寝室へ行き、自分の水筒を手に取ると、ごくごくと二口飲んだ。

でも、水にマンゴーの味がすることに気づいたときには、もう手遅れだった。

途端に息が苦しくなって、私の体中に赤い発疹が広がった。

私は慌ててアレルギーの薬を探した。でも、薬箱にあったはずの薬が、全部なくなっていることに気づいた。

その代わり、洋子のスクールバッグの中に、マンゴージュースを見つけた。

深く考える暇もなく、私は歯を食いしばって救急車を呼び、そのまま意識を失った。

目を覚ますと、母が不機嫌そうな顔でベッドのそばに座っていた。

「あなたは本当に、私に一日もろくな暮らしをさせたくないんだね!今度は自殺未遂の騒ぎまで起こして!」

私は慌てて首を横に振って説明した。「違うの、母さん!洋子がわざと私の水筒にマンゴージュースを入れたのよ!」

次の瞬間、またしても顔を強く叩かれた。

「嘘ばっかり!洋子ちゃんがうちに住んでからの半年間、ずっとあの子をいじめてきたのはあなたの方でしょ!あんな良い子がそんなことするわけないじゃない!

ああ、どうしてあなたみたいな性悪な子を産んでしまったのよ!」

そう言い捨てると、母は顔をそむけて、そのまま病室を出て行った。

残された私は悔し涙で、一瞬にして目の前が滲んだ。

その時、病室のドアが再び開いて、剛がまっすぐ私のそばに歩いてきた。

彼は少し痛ましげな顔で、私の涙を拭ってくれた。

そして彼はため息をついて言った。「最近、お前のことをちゃんと気にかけてやれなくてごめん。でも、おばさんから洋子のことを頼まれたんだ。断れないよ。おばさんは俺を小さい頃から面倒見てくれてるからさ、彼女をがっかりさせたくないんだ。

約束するよ。二人が大学に入って、洋子に自分の友達ができたら、その時は休暇を全部使ってお前と一緒にいるから。だから、いい子にしてくれよ、もう騒ぐのはやめろ」

私は呆然と剛の目を見つめて尋ねた。「私が病院送りにされたのは洋子のせいだって言ったら、信じてくれる?」

そう言って、私は彼の目の前にスマホを突き付けた。そこには、洋子のバッグにあったマンゴージュースの写真と、その購入レシートが写っていた。

それを見て剛は眉をひそめた。

その瞬間私の心に、一筋の希望が生まれた。今度こそ、彼が私を信じてくれるかもしれないって。

でも、次の瞬間、剛の言葉は私を奈落の底へと突き落とすかのようだった。
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