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夜に沈む、2人の鼓動

مؤلف: 吟色
last update تاريخ النشر: 2025-08-03 02:59:47

淫都ラストルムを発ったふたりは、陽が落ちる頃、小さな宿場町の片隅に佇む古びた宿へと足を止めた。

「ここなら……ひと晩くらいは静かに過ごせそうね」

 リリスはそう呟いて木製の扉を押し開ける。軋む音が空気に溶け、室内にほのかなランプの明かりが灯る。

「お、おう……だが、思ったよりずいぶん……狭いな」

「狭いからいいのよ。あなたと密着する口実ができるでしょう?」

 からかうように微笑むリリス。その艶やかな視線に、カインの肩がわずかに強張った。

 部屋には簡素な寝台が一つ。粗末なシーツが掛けられ、窓辺には古びた花瓶がひとつだけ置かれている。だが、そこにはどこか妙な甘い香りが漂っていた。

 リリスが窓辺に立ち、うっすらと開けられた窓から外を見下ろす。

「……この空気、魔力が染みてるわ。ラストルムの余韻か、それとも……この宿そのものが、なにかを蓄えているのかしら」

 その言葉を聞いたときだった。カインの視界が、ふっと揺らぐ。

「っ……?」

 まぶたが熱を帯び、意識が霞むような感覚。ふと見れば、リリスの肌が妙に白く艶めいて見えた。唇は潤い、頬は上気しているように思える。

「カイン……あなた、また昂
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