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11.檳榔子黒 - 2

last update Last Updated: 2026-01-06 11:00:00

「とにかく、色恋ではありません。真面目に話してください。どいてったら ! 」

「動くな 」

 舌の這う感触が通常のヴァンパイアとは桁違いに強い。それだけ魔力も強いのだ。このままでは本当にゲソ組ごとディーの配下になってしまう。

「う……あ……」

 今までレンにも立てられた事の無い場所まで、深く深く牙が入る。

 ディーが一度身を起こす。

 霧香の瞳にはうっすら涙が溢れていた。契約はしなかったが、別な命令が飛んでくる。

「俺に逆らうな。服を脱げ。少し分からせる必要があるからな」

 霧香は朦朧とする意識の中、ディーを見上げて呟く。

「……無駄。

 わたしにどんな事をしても、わたしが折れる事はないもん」

 その言葉には重みがある。

 数々の苦難の堕天をしたリヴァイエルならではの拷問への慣れ。

「試す価値はありそうだ」

 この時、霧香はハランに貰ったアミュレットを硬く握っていた。

 いざとなったら。

 これ以上は許されない。

 だが、これは一度きりだ。タイミングを見計らっていたのだが……。

「……ヴォエッ ! 」

 ディーが突然嘔吐く。

「血が ! 臭すぎる ! 一体何を食べたらこうな……ウヴォエェ……後から来るタイプの臭味が…… ! 」

「……統括。

 流石にゲロをかけられた状態で襲われたいと思うほど、わたしも酔狂ではありません」

「ぐく………普段、何食ってるんだ !? 」

「あ〜。このところホームレスだったんで……。

 一日一回ご飯と……廃棄寸前の激安生卵を直飲みしたり……あとは、試食
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  • 黒と白の重音   11.檳榔子黒 - 2

    「とにかく、色恋ではありません。真面目に話してください。どいてったら ! 」「動くな 」 舌の這う感触が通常のヴァンパイアとは桁違いに強い。それだけ魔力も強いのだ。このままでは本当にゲソ組ごとディーの配下になってしまう。「う……あ……」 今までレンにも立てられた事の無い場所まで、深く深く牙が入る。 ディーが一度身を起こす。 霧香の瞳にはうっすら涙が溢れていた。契約はしなかったが、別な命令が飛んでくる。「俺に逆らうな。服を脱げ。少し分からせる必要があるからな」 霧香は朦朧とする意識の中、ディーを見上げて呟く。「……無駄。 わたしにどんな事をしても、わたしが折れる事はないもん」 その言葉には重みがある。 数々の苦難の堕天をしたリヴァイエルならではの拷問への慣れ。「試す価値はありそうだ」 この時、霧香はハランに貰ったアミュレットを硬く握っていた。 いざとなったら。 これ以上は許されない。 だが、これは一度きりだ。タイミングを見計らっていたのだが……。「……ヴォエッ ! 」 ディーが突然嘔吐く。「血が ! 臭すぎる ! 一体何を食べたらこうな……ウヴォエェ……後から来るタイプの臭味が…… ! 」「……統括。 流石にゲロをかけられた状態で襲われたいと思うほど、わたしも酔狂ではありません」「ぐく………普段、何食ってるんだ !? 」「あ〜。このところホームレスだったんで……。 一日一回ご飯と……廃棄寸前の激安生卵を直飲みしたり……あとは、試食

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