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77話 父の背中と、託されし聖剣

last update publish date: 2026-09-11 02:16:52

​遠征当日の朝。

薄暗い未明の空に、わずかな朝焼けが差し込み始めた頃。王宮の馬車留めで旅の支度を整えていたライネルのもとへ、一人の近衛兵が息を切らせて駆け寄ってきた。

​「ライネル殿下! 国王陛下がお呼びでございます。出発の前に、どうしても一言話したいと……」

​ライネルは微かに目を見張った。

​父――国王レオンハルト・フォン・グラン・ヴァリア。

冷徹な政治家であり、常に国家の安定を最優先にする父とは、決して仲が悪いわけではなかったが、必要以上の会話を交わすような間柄でもなかった。第一王子として完璧であることを求められ、ライネルもまたそれに完璧に応え続けてきた、どこかビジネスライクな父子関係。

​その父が、早朝の旅立ち直前に自分を呼び出すとは、一体何の用だろうか。

​ライネルは身を翻し、重厚な玉座の間へと足を向けた。

​◇

​朝もやが立ち込める静寂の玉座の間。

重厚な執務机の前に佇む父レオンハルトは、いつになく疲れを滲ませた眼差しで、入ってきたライネルを見つめた。

​「父上。お呼びでしょうか」

​ライネルが隙のない礼を捧げると、レオンハルトは低く重厚な声で応
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