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98話 雪夜の密談と、引き寄せる糸

last update Data de publicação: 2026-10-02 15:26:36

​冬の澄み渡る夜空から、絶え間なく舞い降りる白い雪。

学園の敷地全体が静寂の底へと沈み込む中、ライネルは私室のデスクで数枚の調査報告書と対峙していた。

​窓を小突く雪の音だけが部屋に響く。

​「……やはり、出てこないか」

​ライネルは溜息をつき、書類をデスクの上に放り投げた。

​報告書に記載されていたのは、エルミナ・レーヴェンに関する徹底的な身元調査の結果だった。

王家の諜報部隊をフル稼働させて調べ上げたにもかかわらず、彼女が十二歳で辺境の修道院へ保護される以前の足取りは、まるで最初からこの世界に存在していなかったかのように完全に空白だったのだ。

​コンコン、と控えめなノックの音が聞こえたのは、その時だった。

​「ライネル君、入ってもいいかしら?」

​「ルシエラ……! ああ、入ってくれ」

​ドアが開くと、厚手のショールを羽織ったルシエラが足を踏み入れてきた。外の冷気をほのかに纏った彼女の手に乗っていたのは、湯気を立てる二つのカップだった。

​「マルタがハーブティーを淹れてくれたのよ。少し、お話ししてもいいかしら?」

​「もちろんだよ。ありがとう、助かる」

​ライネルはデスクの書類をさ
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