エンタメニュースも経済ニュースも、すべてがトップニュースだった。SNSのトレンドワードだけでも、二十六個を独占した。メインの結婚式場はホテルの屋外特設会場。フランスから空輸された紫のアイリスがレッドカーペットの両脇を埋め尽くし、メインステージの装飾は陽光を浴びて夢のように幻想的だ。両家の親族や友人が会場の両側に座り、感極まった面持ちでステージを見つめている。寒真は片膝をつき、見上げるようにして彼の夕梨を見つめた。彼女は美しく、まるでヴィーナスのように気高い存在だ。しかし彼は知っている。人目のないところでは、彼女がどれほど可愛らしく、甘えん坊になるのかを。彼女は「料理ができない」とぼやき、ひかりの成長が早すぎて「毎月パンツを買い直さなきゃいけない」と不満をこぼす。寒真の髭がチクチクすると言っては、真夜中に「剃ってこないとキスさせない」と甘えた声で迫ってくる。だが、髭を剃り終えた彼を待ちきれず、真っ先に腕を伸ばしてくるのはいつも彼女のほうだ。天が与えてくれた、俺だけの「愛しい人」傍らには、花を手にした二人の子ども――芽衣と章真が立っている。翔雅と澄佳の双子の子供たちだ。芽衣がベルベットのケースを寒真の手に渡し、はつらつとした声で言った。「叔父さん、プロポーズの時間ですよ」寒真は夕梨を見つめ、ケースを開いた。中には、8.88カラットの最高級ダイヤモンドリングが輝いている。本来なら、寒真は用意していた台詞を口にするはずだった。しかし、夕梨を前にした瞬間――過去が潮のように押し寄せ、今の幸福と激しくぶつかり合った。二つの感情が交錯し、喉が詰まり、目には熱い涙が滲む。用意していた言葉はどこかへ消えていた。彼はプロポーズの言葉を告げる代わりに、彼女の前に跪き、その手の甲にそっと唇を寄せた。最初にこぼれ落ちたのは「愛しているよ、俺の大切な夕梨」――その一言だった。会場は騒然となり、親族の間でささやき声が漏れる。周防家と岸本家は、百戦錬磨の落ち着きを見せている。翔雅がいる手前、寒真もあまり羽目を外すことはできないが。朝倉家の方では、母の紀代が感極まって涙ぐんでいる。祖父の仁政は「このガキめ」と笑いながら毒づいた。父の晴臣は顔を真っ赤にし、思わずぼやいた。「あいつは何をやって
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