「もし証拠を出せなければ、今日は生きてこの門を出られないかもしれません」靖は、さすがに面目が立たなくなったのか、声を荒らげた。「でたらめだ。星は俺たちの身内だ。どんなことがあっても、身内に危害を加えるような真似はしない」仁志は、なるほどと言わんばかりの表情を浮かべた。「へえ。雲井家のご長男は、そんなにも星野さんを大切にしているんですね。それなら――先ほど、あれほど多くの人間に追われた星野さんの件についても、きっと公正を取り戻してくださるのでしょう?」ふと、思い出したように付け加える。「そういえば。さきほど翔さんは、誰が追ってきたのか知っているような口ぶりでしたね。教えていただけませんか?僕たちに復讐する力がなくても、用心くらいはできますから」靖の顔色が、ぴたりと固まった。彼らを執拗に追い回した連中――それが自分たちだなどと、口に出せるはずがない。そのとき、脇から冷ややかな声が響いた。「逃げ回って、ずいぶん時間を無駄にさせてくれたな。いつまでもこの話に拘るのは、話題を逸らしたいからじゃないのか?」仁志は一瞥を向け、淡々と言った。「分かりました。怜央さんがそんなにお急ぎなら、まずはあなたの件から片づけましょう」そう言ってから、靖を見る。「靖さん。この屋敷に、映像を投影できる場所はありますよね?」靖は訝しみながらも、一行を屋敷内の視聴室へ案内した。視聴室とは名ばかりで、実際は小さなシアタールームだった。皆、見やすい席を選んで腰を下ろした。忠は、仁志があれこれ要求する様子を見て、鼻で笑った。「どうせ、編集した音声か何かを流して、誤魔化すつもりだろう」仁志は、怪訝そうに彼を見た。「それでいいじゃないですか。そのほうが、あなた方は創業株を分け合える」忠の表情が、一瞬で凍りついた。目の奥に、怒りと羞恥が滲む。「創業株だと?何を根拠のないことを――」仁志は淡々と続けた。「もし星野さんの創業株が目的でないというなら、皆の前で誓ってはどうです。たとえ星野さんが負けたとしても、創業株には一切手を出さないと」忠は口を開いたまま、言葉を失った。正道が低い声で割って入る。「もういい。接続が完了した。仁志、証拠があ
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