「今回も星は自分の意志で現れたのであって、仁志に見つかったわけではない。つまり、私たちの計画は少なくとも一定の成果を上げているということだ。ただ、まだ決定打となる鍵が見つかっていない」そう言い終えると、彼女は柔らかい目で朝陽を見つめた。「朝陽。もし私が悠白と結婚すれば、志村家の力を一部手に入れられる。それさえあれば、仁志に立ち向かうのもずっと楽になる。私の昔からの夢は……もう叶わないわ。だから、その夢を朝陽に託したいの」明日香の表情は次第に引き締まり、真剣さが増していく。「朝陽の成功のためなら、私は何でもする」どれだけ冷静な心の持ち主であっても、明日香がここまで無償で自分に身を捧げようとしている姿を前に、朝陽もさすがに平静ではいられなかった。思わず彼は明日香を抱きしめる。「明日香……俺が権力を手にしたら、必ずもう一度お前を迎えに行く。お前以外、誰も娶らない」明日香はそっと彼の胸に顔を埋め、静かに目を伏せた。「朝陽。たとえ一緒にいられなくても、心で想い合っていればそれで十分よ。私のために政略結婚を断る必要はない。葛西家がそれを許すはずもないから」朝陽は低く、しかし力強く言い放つ。「結婚するかどうかは、俺の自由だ」明日香は柔らかく微笑んだ。「朝陽、感情的にならないで。全部大局を優先しなきゃ。実は、朝陽に似合う結婚相手を一人推薦したいの」朝陽は彼女を見下ろす。「誰だ?」明日香の唇に意味深な微笑みが浮かぶ。「澄玲っていう人よ。彼女は私と並ぶ才女で、志村家の生まれでもあるの。私から志村悠希に葛西家との協力を働きかけることはできるけど、やっぱり限界があるわ。志村家と深く結びついてこそ、彼も心のわだかまりを捨てて、全力で朝陽を支えてくれるはずなの。それに澄玲は星の友達でもあるの。彼女をこちら側に引き入れられれば、大きな強みになるわ。もし彼女を味方につけられれば、勝ち目ももっと高まるでしょう」朝陽の表情がわずかに揺れ、思案の色が浮かぶ。明日香の目は刃のように鋭い。「葛西家、雲井家、そして志村家。この三家が手を組めば、仁志ひとりに負けるはずがない。それに、彼にはこれほど分かりやすい弱点もあるのだから」数秒考えた後、朝陽は笑みを浮かべた。「明日香、いい案だ。さすがだな」明日香は顔を上げ、彼を
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