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Lahat ng Kabanata ng メモリアルホロウ: Kabanata 1 - Kabanata 2

2 Kabanata

第一話 変わりゆく日常

 第一話 変わりゆく日常  この家には俺と父の二人で過ごしていた。お互いの事を話すきっかけが掴めない俺達は簡単な言葉だけを繰り返し、日常を過ごしている。声をかける事もなかった父が真剣な眼差しで、大切な話がある、と一階に降りてくるように言ってきた。 髪が寝癖でボサボサ状態のままで父の待つリビングへと足を運んでいく。トントンと階段を降りる足音が響きながら、時空を歪ませていった。 母が亡くなってから、会話で支え合っていた家族像は呆気なく壊れてしまった。あの時から俺の中で時間は止まっているままだ。 スウと空気を取り入れると、震える心を鎮めるように、ドアをゆっくりと開けていった。「遅かったな、レイト」 俺の名前を呼ぶ父の声は、冷たさを漂わせながら、俺の心臓を貫こうとしている。母の姿を見てきたあの時から、父に対して苦手意識を持つようになってしまった。「……話って何?」「父さんな、再婚しようと考えてるんだ。相手は清水美緒さん、そして息子のカガミ君だ」 自分と父だけの空間にそっと姿を現した二人がいた。客室で俺がリビングに来るのを待っていたようだった。何の前触れもなく、唐突に告げられる現実に、言葉を失いそうになっている。「お前に話そうとしても、なかなか会話してくれなかっただろう。それなら対面式で紹介して仲良くなってもらうのが一番だと思ってな」 柔らかな表情で父の言葉の刺をなくしていくような優しい雰囲気を持つ女性が目の前にいる。急に現れた母親になろうとしている存在に違和感を抱きながらも、近づいていく。「よろしくな、兄さん」 母親を庇うような形で彼女と僕の間に立ち尽くす男の人が出てきた。優しそうな言葉遣いだが、どうしてだか威圧感を放っている。  それが俺とカガミの出会いだった。どうせこいつも離れていくに違いないと思っていたあの日の自分が懐かしく感じる。あれから三年の月日が経ち、どうにか美緒さんの事も母さんと呼べるようになってきた。父は再婚をすると、すぐに単身赴任で地方へ行ってしまった。有無を言わさない父の態度を思い出すと、今でもムカついてしまう。「レイト〜、ご機嫌斜めかな?」 初対面が最悪だった俺とカガミは、まるで昔から知っている親友のような関係になっている。形上は兄弟なのだが、年齢が近いのもあったのだろう。凄く懐いている。「抱きつくなって……朝か
last updateHuling Na-update : 2025-07-19
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第二話ロロンの気まぐれ①

 第二話ロロンの気まぐれ①  このゲーム「メモリアルホロウ」は一度起動し、言葉のトリガーで発動する最新システムが導入されているスマホゲームだ。製作者は清水美緒、俺の母になった人だった。試作品のゲームを改善し世に出す為に、俺がプレイヤーに選ばれた。この事を知っているのは美緒本人と、カガミだけだった。あの二人は本当の親子だが、それ以上にゲーム製作者としての立場を重視している。 父と再婚をしたのも、何かしらこのゲームが影響しているのかもしれない。 「メモリアルホロウ、略してメモホロの世界にようこそー。君の名前はレイト、龍河レイトですね?」「……あんた誰?」 目の前にうさ耳ショタが浮いている。ふふふんとウィンクをしながら、沢山の花のエフェクトで可愛さをアピールしている。「お口悪ーい。僕はロロンだよー。レイトがゲームを進めるに当たってサポートするプログラムが僕なんだ」 これは夢だ、どこかで頭を打ってしまったのだろう。目の前で起きている事を、受け入れられない俺はそう思う事にする。シカトをしても消えないロロンは頬を膨らましながら、怒っている。「シカトはなしー。シカトするなら強制的に始めちゃうよ? レイトの要望も聞かないし、どんな結末になっても知らないからねー」「……結末?」 つい反応をしてしまった。その事を見逃さなかったロロンは、パアッと笑顔を灯していく。よっぽど嬉しかったみたいだ。「シナリオには20個隠されているよ。レイトの言葉でストーリーが進んでいく形式になるんだ。ここはミラウス城、始まりの城だよ。隠された存在の君はこの城の国王が父だと知る、そして新たな王子様の誕生の瞬間でもあるんだ。君はこの城で力を示す為に、五人の攻略対象をクリアしていく必要がある。君なりのエンドを見つけられたら、現実世界へ戻る道も出てくるからねー」 ロロンはワクワクしながら説明を終えると、強制的にテレポートした。見えない光に包まれていた俺は、始まりの鐘が鳴り始めた事に驚きながら、戸惑うしかなかった。「お……おい」 右手に現れた星の装飾がされているステッキを振り回すと魔法のように目の前の光景が広がっていく。ロロンの言う事が事実なら、このゲームをクリアするしか道はないみたいだ。システム的に中断要素があってもいいのに。 俺の要望を聞いてくれるはずなのに、一度の過ちが適用され、
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