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第三話おっちょこちょい

last update Dernière mise à jour: 2025-08-02 08:00:00

第三話おっちょこちょい

裸になった俺はゆっくりと体の汚れを流していく。現実と同じような感覚を感じながら、少しずつ気が抜けていった。体を洗おうとするとガラリとドアが開き、タオルを巻いているラウジャが目に入る。

「お体流しに来ました。お待たせしてすみません」

湯浴みと聞いていたが、ラウジャが入ってくるとは聞いていない。硬直したままで秘宝を隠す事も忘れている。黙々と湯気が空間を満たしていく。まるで靄のように自分の体が包まれていくような感覚を覚えている。

「あっ……」

ラウジャは微かに声をあげると、目線を下に落としていく。隠す事なく堂々と椅子に座っている俺を見て、真っ赤になっていった。

「すみません。見ていませんから!」

否定されればされる程、見られている事実に直面していく。時間を置いて、俺の顔も赤くなってしまった。ゲームの世界に入ってから何だかおかしい。普段なら恥ずかしいとも思わないのに、どうしてだかメモリアルホロウのプレイヤーになってからは、些細な事でもドクドクしてしまう。自分の中で何かが変わろうとしているのは確実だ。何が影響してこうなってのかは、不明だが……

「そ、それじゃあ、背中流しますね」

異様な空間を切り替えようとしたのはラウジャだった。彼は焦りながらも近づいてくる。正面に置かれていた椅子を俺の後ろに置くと、腰を沈める。バシャンと勢いよくお湯が跳ねると、急な刺激に背中がぴくりと反応してしまう。ラウジャはその事に気づかず、石鹸を使い泡を立たせ始めた。ぷくぷくと水分を含んでいく泡は、見る見る大きくなっていく。ふわっと背中に乗せると、ゆっくり両手を使って、丹念に洗い始めた。人の手で洗われる経験なんてない。新鮮な感触に脳みそを焼き付かされそうになっていく。気にしないようにすればする程、感じてしまう自分がいた。

「ハウエル様?」

後ろを振り向きたい気持ちはあるが、今振り向いてしまうと自分に負けた気分になってしまいそうだ。ラウジャには聞こえていないが、俺の口からは彼に聞かせたくない内容が飛び交っている。幸い、彼に届く言葉として変換されていないようで、そこは安心する事が出来た。考えれば考える程、言いたくもない本音が出てしまう。いっそ意識を手放せれば楽になる。

「……なんでもない、続けて」

何事もなかったように口にすると、彼に正確な言葉として伝わっていく。俺の声に気分を良くしたのか、さっきよりも強く摩《さす》り出した。

「んっ……は」

こんなに身近に人の体温を感じるのは、初めてだった。見る見るうちに秘宝がより輝きながら、天めがけて拳を掲げた。少しでも気を抜くと、体が震えてしまいそうだ。気合いと根性で耐えるしか道はない。

この時の俺は気づかなかった。漏れている声が変換され、ラウジャの元に届いている事に。ダイレクトに呻《うめ》き声を聞きながらも、全力で洗う事に専念しようとしている。

「……どうですか?」

「はぁ……気持ちいいよ」

両方の意味に聞こえてしまうラウジャは異変を嗅ぎつけられないように、平静に振る舞おうとする。しかし、つるんと手が滑って、俺に抱きついてしまう。目を瞑っていたからだろう、前屈みになりすぎていて、バランスを崩してしまったのだ。

「あっ、す、すみません」

「大丈夫……だ」

彼の手が俺の胸をしっかり掴んで、離さない。一瞬、何が起こったのか理解出来ない俺は、ピッタリと密着してくるラウジャの感触を堪能しようとしている。知らない自分との対面に驚愕《きょうがく》だった。笑いながら彼を許そうと口に出していく。今回は彼に届いていたようで、彼の言葉がバラバラになっていったんだ。

「あ、えええ、と」

「落ち着こう」

「は、はひぃ」

自分がしてしまった奇行に焦っているのだろう。言い間違えだらけの言葉が感情する。彼の言い方が、凄く抜けていてより可愛く思えてしまうのは仕方ない事だった。誰だってラウジャの可愛さに抗う事は出来ないだろう。

仄《ほの》かに香る石鹸の匂いが鼻をつくと、吐息を漏らしてしまった。少しでも気を抜いてしまうと、理性が崩れてしまいそうだ。抱きついたまま硬直しているラウジャの柔らかさを堪能してしまう。

「あ……えと」

「……落ち着いた?」

微かな呟きになっていく彼の声は耳元に刺さる。背筋がゾクゾクしながら、耐えるしか知らない。俺はこの状況をどこかで望んでいたのかもしれない。嫌な気持ちよりも、幸福感に満たされている。こんな事は初めての感情だった。

その時だった視界に二つの選択肢が現れたのだ。一つはAと記されている。内容はラウジャを安心させるように昔話をする事のようだ。もう一つの選択肢Bはそのままの状況を受け入れる事。彼との関係性を構築させる為の分岐点になるのだろう。この感触を手放すのは惜しいと思った俺は、Bを選択する事にした。昔話と言っても、何を話したらいいのか分からない。一瞬、創作話でも語ろうかと考えたが、その時画面に赤い文字が表示され、警告文字が浮き出てきた。

【現実世界での実話を元に話をする事。作り話はペナルティになります】

チュートリアルにはペナルティの事なんて、何も説明がない。この世界の事を説明してくれたロロンも重要な事は教えてくれなかったみたいだった。

目線でカーソルを合わせて違うタブを開いても、何も書かれていない。今まで集めた重要人物のプロフィールしか表示されないようになっている。この城に入る前には見る事が出来ていた情報も、削除されたように見当たらなかった。

そんな俺を見ている人物がいる事にも気づけずに、メモリアルホロウの世界に馴染んでいく自分の姿があったんだ。

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