透き通るような煌めき、虹色のきらめき。司野がもう一度問いかける。「気に入った?」素羽は頷く。「うん、気に入ったよ」気づけば、司野はこうしたキラキラしたアクセサリーを贈るのが好きらしい。彼が最初にくれたプレゼントも、こんな宝石だった。最初は特に何も感じなかったけれど、長い時間をかけて贈られ続けて、今ではそれが嬉しく、好きになってきている自分がいる。司野が微笑む。「今夜、これを着けて見せてほしい」……夜のデートが気になって、一日中の勉強会でも素羽はほとんど集中できなかった。亜綺の厳しい視線にも気づかないほどだ。たとえ気づいたとしても、素羽は気にしなかっただろう。デート直前、岩治が急に国内からの電話を受け取ると、慌ただしく司野の元へ駆けつける。「社長、国内からの電話です。翁坂さんが健康診断に行っていないそうで、電話をしても繋がりません」岩治は心の中でため息をついた。体が弱いのに、また無茶をして……司野は眉をひそめ、すぐに美宜に電話する。しかし、やはり繋がらない。電話を切ると、司野は立ち上がった。岩治が思わず「帰国されますか?」と尋ねる。司野はコートを羽織りながら言う。「いや、レストランに送ってくれ。彼女は引き続き探させて、見つかったら病院へ連れていって検査を受けさせてくれ。体に異常がないか確認してほしい」岩治は「かしこまりました」と頷く。誰も知らないが、行方不明の美宜はすでにフランスの地を踏んでいたのだった。素羽がレストランに到着したのは、司野よりも少し遅かった。車を降りると、案内係がすぐに彼女を席まで案内してくれる。店内にはロマンチックな音楽が流れ、通路を歩くたびに、店員が一輪ずつバラを手渡してくれる。廊下の突き当たり、純白のスーツを着た司野が、大きなバラの花束を抱えて彼女の方へ歩いてきた。近づいてくる彼の姿が、どこか記憶と重なって見えて、素羽は少し夢心地になる。まるで光をまとった白馬の王子様。「全部で九百九十九本だ」司野はバラを手渡す。その言葉に、素羽の胸が震える。司野はそっと彼女の唇にキスを落とし、「ハニー、お誕生日おめでとう」と囁く。素羽の睫毛が震え、体が熱く、痺れるような感覚に包まれる。その漆黒の瞳には、恥じらう自分が映っていた。数秒して、ようやく声が出る
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