森下真理(もりした まり)が成人したばかりの時、義兄の佐藤陽翔(さとう はると)と、禁断の果実を摘んでしまった。昼間は「お兄ちゃん」と素直に呼ぶのに、夜になるとベッドの上で「あなた」と声が枯れるまで言わされた。許してもらえるのは、いつも朝方になる頃だった。二人の秘密は七年も続いた。リビング、浴室、キッチン......家の隅々まで、すでに痕跡でいっぱいだ。ある日の午後。養父母が寝室に入った途端、真理は大きな窓の前で陽翔に押し倒された。白いワンピースを腰まで乱され、身体の距離は一瞬でなくなった。「......やだ、聞こえちゃう......」震える声でそう言うと、陽翔は唇を歪めた。「何を怖がってるんだ。こっちの方が、ずっとスリルあるだろ?ほら、いい子だ。お兄ちゃんは、お前のその声が一番好きなんだよ」その瞬間、強烈な快感に襲われ、真理の思考は真っ白になる。声を上げる代わりに、必死に陽翔の肩に噛みついた。けれど、本気では噛めない。ただ、甘えるように歯を立てるだけだった。世間での彼は、佐藤グループの冷徹な若き社長。「妹を溺愛する兄」として名を馳せている。だが真実を知るのは、真理ただ一人。彼がどれほど強い欲を抱え、どれほど多彩な方法で彼女を狂わせるか......それを知るのは彼女だけだった。必死に応える真理の姿に、陽翔は眉をひそめ、低く息を洩らす。「......やっぱり、お前は最高だ。お兄ちゃんはお前なしじゃ生きられない。なぁ、真理。永遠に俺だけを愛してくれるだろ?」頬を染め、蕩ける視線で彼を見つめる真理。二十数年、彼はずっと自分の一部だった。昔から兄妹だった。けれど、この先は......ふと不安が胸を刺し、真理は動きを止めた。「......ねぇ。いつになったらお義父さんたちに話すの?最近、あなたにお見合いを勧めてるじゃない」途端に陽翔の表情が曇った。だがすぐに彼女の唇へ優しい口づけを落とし、囁いた。「俺の誕生日が終わったら言うよ。その方が、きっと受け入れてもらいやすい」確かな答えに、真理の胸の中は一気に明るくなる。その夜、二人は何度も愛を確かめ合い、同じ頂へと昇りつめた。事が終わると、陽翔は当たり前のようにティッシュを渡してくれる。ズボンを履き終えた彼のスマホが鳴り、画面をちらりと見た後
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