二十錠近い薬を、水も飲まずに無理やり飲み込む。やがて、胃袋をドロドロに溶かされるような強烈な吐き気と激痛が雅を襲った。「あ……うっ……」口の端から白い泡がこぼれ落ちる。意識が濁っていく中で、彼女はただベッドの上でもがき苦しむことしかできなかった。痛い。ひたすら痛い。「痛い……っ」震える声は、すでに掠れて音になっていなかった。時間がゆっくりと引き伸ばされていく。薬の毒素が全身に回り、自分の体から生命力が糸を引くように抜け落ちていくのが分かった。指先から徐々に体温が失われていく感覚に、雅は生まれて初めて「死」に対する強烈な恐怖と戸惑いを覚えた。ベッドの上にぐったりと倒れ込み、呆然と天井を見つめる。どれほどの時間が経ったのか。窓の外に広がる星空が、ひどく遠くに感じられた直後、限界を超えた頭痛とともに、雅の意識は深い闇へと沈んでいった。――次に目を開けた時、彼女は真っ白な病院のベッドの上にいた。雅がゆっくりと瞬きをすると、喉が焼け付くように痛み、体からは鉛のように力が抜けきっていた。生気のない青白い顔で病室の天井を見つめていると、不意に横から視界を遮るものがあった。母親の佳乃だった。「雅……!あんた、なんて馬鹿なことをしたの!私や臣がどれだけ心配したと思ってるの!」佳乃は目を赤くして叫んだ。そのまま振り上げた手で雅の体を打ち据えようとしたが、死人のように青ざめた娘の顔を見て、ハッと空中で手を止めた。丸一日にも及ぶ懸命の救命処置を経て、雅はどうにか死の淵から引きずり戻された状態だった。酸素マスク越しの微弱な息遣いのまま、彼女は掠れた声で母を嘲笑った。「心配……?本気で言ってるの?私が死んだら、紗夜さんの身代わりがいなくなって困るからでしょ?それとも、世間体が悪くなるから……?」「雅、なんて口の利き方なの!」佳乃は不満げに眉をひそめ、冷たく言い放った。「あんたに罪を被れと言ったのは、紗夜のお腹にいる子を守るためよ。鷹司家の血を引く大切な跡取りを、刑務所の中で産ませるわけにはいかないでしょう?それにね、仮にあんたが刑務所に入ったとしても、私や臣が手を尽くして必ず出してあげるわ。今までだって、あんたが起こしたトラブルは何でも揉み消してあげたじゃない」雅は自嘲するように唇を歪めた。
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