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第31話 青木ヶ原樹海ダンジョン③

 結果は、俺とリコリスが①を引いて、ナーシャとゲンノウが②を引いた。  それにより、TAKUさんはソロで洞穴へと潜ることとなった。 「大丈夫ですか、一人で?」  そう聞くのも失礼かと思ったけど、一応聞かずにはいられなかった。 「あはは、心配いらないよ。僕は知っての通り、かなり強いからね。Eランク程度の洞穴なんて、簡単に踏破できるさ」  頼もしい返事が返ってきた。  そういえば、TAKUさんはどんなスキルを持っているのだろうか。あまり聞いたことがない。なんでも、配信でも明かしていない、とのことだ。  別段珍しいことではない。スキルを明かすのは将来的に不利になる、と考えて、隠しているDライバーも多い。一方で、手っ取り早く視聴者の興味を引くことができるので、躊躇無く明かしている人もいる。そもそもスキルを持っていない人もいる。  とりあえず、先発は俺とリコリスの組となった。 「えっと、よろしくお願いします」「は、はい。足を引っ張らないように頑張ります!」  リコリス。あまり名前を聞いたことがないけれど、どんなDライバーなのだろうか。正直、不安はある。自信なさげな言動が、頼りなくて、Eランクのダンジョンでも戦えるのか心配だ。 《:可愛い子きたーーー》 《:なんだよ、ナーシャたんから鞍替えか》 《:リコリスってなんだっけ? なんかアニメのタイトルになってなかった?》 《:彼岸花じゃなかったっけ》 《:それそれ。赤い花》 《:花言葉は「独立」とか「情熱」とか》 
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第32話 青木ヶ原樹海ダンジョン④

「そ、そんな、あの人達は、登録者数50万超えのDライバー、母神三姉妹!」「言われて思いだした……! そうか、あの母神三姉妹か!」  全てを筋肉で粉砕するタンクトップ・マッスル・レディ、長女の母神ガイア。  機動力で相手を翻弄するスピード・スター、次女の母神レアー。  見た目に似合わず頭脳戦で翻弄するロリータ・ナース、三女の母神キュベレイ。  もちろん、全員本名ではなく、ハンドルネームだ。ローマの女神から名前を取った、と聞いている。  三人揃っての連携攻撃を得意とする、ことだけは知っている。だから、一人一人の戦闘力についてはわかっていない。  少なくとも、今は、次女のレアーだけが、俺達に向かって突っ込んできている。他の二人は動こうともしない。一人でも戦えるという、相当な自信があるということだ。 「来るな! 来たら、吹っ飛ばすぞ!」  俺は警告を発し、地面に手を当てた。  だけど、レアーは警告にも構わず、まっすぐに突進してくる。 「じゃあ、手加減しないぞ!」  念を飛ばし、壁を変形させて、横から岩の柱を突き出させる。その柱は確かにまっすぐレアーの体を捉えていて、さっきの敵と同様に吹っ飛ばせるはずだった。  ところが、 「超速突破ゥ!」  柱が当たるかと思った瞬間、レアーの姿は掻き消えた。  その直後、俺の体に激しい衝撃が走った。スピードを上げたレアーのタックルが、真正面から炸裂したのだ。  俺は弾き飛ばされ、洞穴の岩肌に激突し
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第33話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑤

 よく見れば、洞穴内に、うっすらと、赤い色の霧のようなものが充満している。  あれがきっと、リコさんが生み出した「毒」なのだろう。  俺も、母神三姉妹も、その毒を吸い込んでしまったのだ。 「逃げましょう、カンナさん。解毒剤はあるので、外に出たら、すぐ治療しますね」「リコさんは……平気なんすか……?」「私は大丈夫です。スキルの効果は、私には作用しないから」  リコさんは俺のことを肩車し、外へ連れ出そうとしてくれる。  だけど……このままでいいわけがない。 「攻撃を中断してくれ……リコさんが、人殺しになっちゃう……」「何を言ってるんですか。カンナさんが先に殺されかけたんですよ」「それでも……こんなのは、ダメだ……」  俺は震える声を懸命に絞り出す。 「たくさんの人が、俺達の配信を見ている……そんな中で、人が人を殺すところなんて、絶対に映したりしたらいけないんだ……」「……!」  リコさんは立ち止まり、しばし逡巡している様子だったが、やがて大きくため息をついた。 「わかりました。私だって、人殺しにはなりたくないですから」  そうして、またもや胸の前で祈るように手を合わせる。  すると、赤い毒の霧は、リコさんの手の中へと一気に吸い込まれていき、影も形も無くなってしまった。  後に
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第34話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑥

「さて、君達は、なぜこんな暴挙に出たのかな。カメラが一部始終を収めているというのに。殺人罪で捕まってもいいのかい」  ゲンノウに問われて、真っ先にレアーが怒気を露わにした。 「アタイらにはぁ! 弟がいるんだよ! ダンジョン・シンドロームにかかっている、可哀相な弟がなぁ!」「それと、カンナ君と、何の関係があるんだね」「そいつは! ダンジョンを生成できる力を持っている!」  憎しみのこもった眼差しで睨みつけながら、レアーは俺のことを指さしてきた。 「だから、ぶっ殺してやりたいんだよ!」「俺はダンジョンを作ったりしてない! 本当だよ! 信じてくれ!」「うるせえ! 誰が信じるか! そんなスキルを持っていて!」「せいぜいダンジョンの構造を作り変えたくらいだ!」「じゃあ、聞くけどよ、そのスキルはどこで手に入れた! どの神から授かったんだよ!」「それは……」  咄嗟に、適当な神社の名前でも言おうかと思ったけど、上手く考えがまとまらなかった。 「ある日……ダンジョン禍に巻きこまれて……気が付いたら、手に入れていたんだ」「ハッ! そら見ろ! まともに答えられねえじゃねーか! 本当は、ダンジョンを作っているダンジョンマスターなんだろ! お前がダンジョンを生み出していったんだろ! そのせいで、アタイの弟は、アタイらの弟は……!」  困った。どうすれば、俺がダンジョンマスターなんかではないと信じてもらえるんだ。 「俺も、妹がダンジョン・シンドロームにかかっているんだ! 妹を巻き添えにしてまで、そんなことするか⁉」「嘘だね! 生き延びたいからって、そんなわかりやすい嘘をつくんじゃねーよ!」
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第35話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑦

 俺はなんで、あの時、TAKUさんに心を許してしまったんだろう。  なんで、「ダンジョンクリエイト」のことを無防備に話してしまったんだろう。 「君は後悔しているね。僕に自分の能力を話してしまったことを」  TAKUさんはゆっくりと歩み寄りながら、日本刀の切っ先を俺に向かって突きつけてくる。 「だけど、それもまた仕方のないことさ。君は僕のことを信用していたんだから。信用せざるを得なかった」「……どういうことすか」「それが、僕のスキルだよ」  ニヤリとTAKUさんは笑う。 「『印象操作』。このスキルを発動させると、一定時間、僕の周囲の人間は、僕に対する警戒心を解いてしまう。地味な能力だと思うだろ? ところが、これがまた非常に便利な能力でね」  刀の先端が、すぐ近くまで迫ってきている。  なのに、俺は動けずにいる。  安心感すら抱いている。 「ほら、この状況。あとちょっとで刺されるというのに、君はまったく逃げようともしない。これが、『印象操作』の肝さ。労せずに、相手を殺すことが出来る」「もしかして、あの石のくじ引きも」「察しがいいね。あれもスキルを使ったんだよ。僕はわざと、最後に自分が一人になる石を取れるように、君達にナンバー入りの石を渡していった。あの時、君達は自分の意思でくじを選択したんじゃない。僕に誘導されていたんだ。だけど、警戒心がゼロになっていたから、まったく気にしていなかった」「だけど、TAKUさん、俺は本当に何もやってないんだ。ダンジョンを改造できる力はあるけど、一からダンジョンを生み出したことはない。そんなことを試そうとしたこともない」「そうだなぁ…&
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第36話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑧

 ナーシャはガトリングガンによる銃撃を開始した。  殺したらダメだ! と言おうと思ったが、間に合わず、雨の如く銃弾がTAKUさんに向かって飛んでゆく。  が、TAKUさんは横へグルリと回り込むように駆け出した。  ナーシャもまた、TAKUさんを狙って、体の向きを変えながら、乱射し続ける。  TAKUさんは大きな木の陰に隠れた。そこへ銃弾が当たり、ガリガリと木の肌を削っていく。 「もういいって! 十分だ! これ以上やると、TAKUさんを殺してしまう!」「そんな甘っちょろいことを言ってる場合じゃないでしょ!」  ナーシャは怒号し、 「集中射撃ォ!」  立て続けに、スキル名を叫んだ。  放たれた銃弾がギュンッ! と一点集中し、大木の幹を貫く。中ほどから粉砕された大木は、グラリと傾いて、ナーシャのほうに向かって倒れてくる。  巻き添えを食らわないよう、ナーシャは一旦射撃をやめて、バックステップを踏んだ。  その隙を逃さず、TAKUさんは、折れた木の陰から姿を現すやいなや、日本刀をぶん投げてきた。  ドスッ! とナーシャの肩に刺さる。 「きゃうっ!」  ナーシャは悲鳴を上げて、よろめいた。  そこへ畳みかけるように、TAKUさんは一気に突っ込んでいく。 「もうやめてくれー!」  人間同士で殺し合うなんて、どうかしている。  俺は地面に手をつき、ナーシャとTAKUさんの間に向かって念を飛ばした
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第37話 《配信チャット》(木南カンナ)

《:どどどどういうことだってばよ》 《:ラスボス⁉ ラスボス登場⁉》 《キリク:言ってる場合じゃねえって! 助けないと!》 《:ダンジョンマスターって都市伝説だと思ってた》 《:俺も》 《:マジでこれ? 仕込みじゃなくて?》 《:ていうか、タックンがあんな行動に出たのがショックなんだけど》 《:いまTAKUの話はどうでもいい》 《:マジでやばいだろ、カンナ》 《キリク:いま、手当たり次第に他のライバーにDM送ってる。お前らも手伝え!》 《:いやゲンノウに目を付けられたらたまったもんじゃないし》 《:怖いよな》 《キリク:見殺しにするのか!》 《:俺達はただの視聴者だぜ。危険を冒すのは配信者だけで十分だろ。巻き添えは御免だよ》 《:んだんだ》 《:死にたければ一人でどーぞ》 《:俺、怖いから、登録外すわ。みんなも早めにしたほうがいいぜ》 《:てか、どうなるんだよ、これ。ダンジョン作ってたやつが本当に現れちまったんだろ》 《:え、まさか、このゲンノウが一人で世界中のダンジョンを生み出したのか》 《:そういうことだろ》 《:やべーって、本当にガチモンのラスボス来たよ》 《:こいつのスキルって念動力じゃなかったっけ》 《:馬鹿、わかるだろ、だましてたんだよ。念動
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第38話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑨

「もともと、私は普通の人間だったのだがね、君と同様に『ダンジョンクリエイト』のスキルを手に入れたんだよ」  そう種明かしするゲンノウは、実に楽しそうな表情を浮かべている。 「スキルを与えてくれたのは、ウルカヌスという神だ」「ウルカヌス……?」「古代ローマの神だよ。聞いたことないかな。人類に建築や武器をもたらした存在だ。私は、そのウルカヌスよりダンジョンを創造する力を授かった」「つまり、俺も、ウルカヌスとかいう神から……?」「なぜ君にまで力を与えたのかわからないが。気まぐれかもしれない。そういう神だからね」「ウルカヌスは、何を考えているんだよ。どうして世界中にダンジョンを作ったりしたんだ」「世界の書き換えだよ」「書き換え……?」「この世界は神々によって管理され、守られている。神々は出来る限り、この世界が永続するように秩序を保っている。だが、それはまた停滞でもある。変化がない、ということだ。ウルカヌスは、それを忌み嫌った」「だから、世界を書き換えようとしている、と?」「そうだね。そのためにダンジョンを作った」「わけわからないって」  確かに、ダンジョン禍が始まったことで、世界は大きく変化した。だけど、書き換え、というほどの変化は訪れていない。ウルカヌスは何を考えているのか。 「君は、神には二種類ある、ということを知っているかな」「二種類?」「日本神話で言えば、天津神と国津神。あるいは普通の神々に対しての邪神や悪神、といったところか。この世界を統べる神々と、その座を追われた神々と、二つに分かれている。そして、追われた神々は、この世界と並行する別次元の世界で生きている。ウルカヌスは、その追われた神々を呼び戻そうと企んだ」「どうやって」「『ゲート』だよ」
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第39話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑩

 俺とTAKUさんは、お互いに息を合わせて、連係攻撃を仕掛けた。  ゲンノウがダンジョンの構造を変えて、攻撃や防御を行うたびに、俺もまた「ダンジョンクリエイト」を発動させて、TAKUさんが突撃するのに必要な進路を切り開く。  攻撃間合いに入ったTAKUさんは、ここが攻め時とばかりに、刀を振り上げて、一気に斬りかかろうとした。 「甘いな」  パチン、とゲンノウは指を鳴らした。  たちまち、TAKUさんの足元が変化し、ただの地面だったのが池へと変化した。当然、TAKUさんはその池の中へとバシャーン! と落ちてしまう。 「……!」  TAKUさんは、何を考えたのか、俺のほうへ向かって日本刀を投げた。放物線を描いて宙を飛んできた日本刀は、ちょうど俺の目の前の地面にドスッと突き刺さった。  そして、TAKUさんは、微笑みながらこう言った。 「あとは頼んだよ」  直後、ゲンノウが再び、パチン、と指を鳴らした。  TAKUさんが浸かっている池は、一瞬にして、真っ赤に燃える、超高熱のマグマの池と化した。  ひとたまりもない。TAKUさんの全身は炎に包まれた。断末魔の絶叫が響き渡る。おとなしく静かに死ぬことが許されないほどの、苦痛なのだろう。TAKUさんはマグマの池の中でもがき苦しみ、やがて力を失い、ズブズブと沈んでいった。  あっという間の出来事だった。 「あ……あ……」  俺は呆然と突っ立つことしか出来ない。  信じられない。こんな
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第40話 青木ヶ原樹海ダンジョン⑪

 ゲンノウとカルマ業の戦いは、激しさを増していく。  周囲の木々を薙ぎ倒しながら、マントの形や大きさを自由自在に変えて、カルマ業はまさに悪魔じみた戦い方で、ゲンノウを追い込む。  ゲンノウもまた、「ダンジョンクリエイト」で地形を変化させ、カルマ業の攻撃を防いでいるが、少しずつ押されているようだ。  勝てる。カルマ業なら勝てる。  俺とナーシャは、巻き添えを食らわないように、離れた場所から二人の戦いを眺めている。まさに頂上決戦。日本人最強Dライバーと、ダンジョンの創造者との戦い。俺達がどうにか出来る領域ではない。  いきなり、ゲンノウは背を向けて、カルマ業から逃げ始めた。 「やった! 勝った! 勝ったぞ!」  興奮して騒ぐ俺の横で、ナーシャは冷静な態度を崩さずにいる。 「まだ逃げるようなタイミングじゃなかったわ。何か狙いがあるのかもしれない」  カルマ業も同じことを考えたようだった。あえて追撃せずに、マントを元のサイズに戻すと、俺達のほうへと戻ってきた。 「奴の動きが怪しい。一旦仕切り直しとするぞ。我輩についてこい」  圧倒的な実力。これが日本で一番人気のDライバーか。強さも段違いで一番だ。  と、その時、洞穴から誰かが出てきた。  フラフラとよろめきながら、血まみれで、苦しそうに息をついている。  それは、洞穴内で俺のことを襲ってきたDライバーの一人、母神ガイアだった。 「だ、大丈夫すか⁉」  見るからに大変な状態だ。ガイアの右腕はもぎ取られたのか肘から先が無くなっており、応急処置として布で縛り付けて
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