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第78話・ゴブリン襲来

Author: 新矢識仁
last update Last Updated: 2026-01-04 06:45:24

「カマキリぃ?」

「うん、いや、カマキリじゃなくてもいいんだけど、人間の言うことを聞いて畑仕事とかができる生き物、とか?」

「農作業用の生物か」

「うん。それならアリかと」

「その前に」

 ヤガリくんが西の方の荒地に目をやった。

 ……土埃?

「敵が来たようだ」

 ヤガリくんは戦斧を持ち、レーヴェも剣を握る。コトラもブランも鼻から息を吐きだして戦闘態勢満々。

「ちょっと時間稼いでくれよ」

 俺は端末を持ち直す。

「無限の種と束縛蔦を堀とその外側に植える。皆さんは畑の所で身を守ってくれ」

「生神様……!」

「大丈夫、みんな強いから」

 俺は笑うと、【再生】した跳ね橋から、西の方を見た。

 土埃は確実に迫っている。敵の軍勢?

 もうちょっと確実に見えないものか。

 俺が目を凝らすと、端末がまた音を立てた。

 こんな時になんだよ。

【固有スキル:遠視を手に入れました】

 何故に今。

【遠くのものが見やすくなるスキルです。神威【観察】と組み合わせることで、より遠くのものを安全な場所から確認することができます】

 お。便利なスキルじゃん。元々俺目は悪くないけど、それが更によくなった?

 じっと土埃の発生源辺りを見る。

 四十体くらいの……鬼?

 イメージ的には日本の鬼に似ている。ただヤガリくんより小さいみたいだし全員茶色だし虎柄のパンツじゃなくてボロボロの革鎧に木の棍棒。

【ゴブリン・スレイブ:レベル20/敵対勢力に創り出された亜人種、ゴブリン族の奴隷階級。支配者階級の命令を実直に実行するだけの知性がある。緑を憎み、踏み荒らすことを生き甲斐をしている】

【ゴブリン・リーダー:レベル50/敵対勢力に創り出された亜人種、ゴブリン族の奴隷を操る支配者階級。スレイブを操って緑を踏み荒らすことを至上の命としている】

 スレイブもそこそこ強いけど、リーダーはもっと強いな。でも最低レベルのレーヴェですらレベル55。コトラなんか200だ。

 問題は、跳ね橋を越えられることだな。そうすればせっかく【再生】した畑や建物が荒らされる。

 やっぱここでとりあえず無限の種と束縛蔦を植えて、万が一防衛線が抜かれても防衛できるようにする。

「ゴブリン・リーダーに率いられたスレイブの群れだ。多分ここを踏み荒らしに来たんだろう。みんなはそこで守ってくれ」

「ああ。お前はどうする?」

「この跳ね橋を守る」

 
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