「ツテならいくつか心当たりはあるわ」紫音が落ち着いた声で引き取った。「でも、まずは信頼できる人間を直接派遣して、極秘裏に面接や選考を進める必要があるわね。絶対に、今会社で騒ぎを起こしている古参社員たちにこの動きを悟られてはダメよ。万が一彼らに勘づかれて妨害工作でもされれば、計画が頓挫してしまうわ」紫音の忠告に、浩一は深く頷き、表情を引き締めた。「となると、この極秘の採用プロジェクトを任せられる、絶対に裏切らない『腹心』を動かす必要があるな……」浩一はグラスを見つめながら、密かに誰を適任者として抜擢すべきか思考を巡らせ始めた。「もし浩一さんの会社で適任者が見つからないなら、私のところから何人か貸し出そうか?」紫音がふふっと微笑みながら提案した。「どうせ今は持ちつ持たれつの関係だし、私の方のトラブルでも浩一さんにはうんと骨を折ってもらっているじゃない。これくらい協力するわよ」その言葉に、浩一はパッと目を輝かせた。社内の人間に動かせばどこから情報が漏れるか分からない状況なだけに、外部である紫音の部下を使えるならこれ以上心強いことはない。何より、紫音が育て上げた社員たちの能力の高さは、彼自身が誰よりもよく知っていた。「紫音がそう言ってくれるなら、遠慮なく甘えさせてもらうよ!紫音の会社には、人を見る目に長けた優秀な人事の連中がいるからな。彼らに極秘で動いてもらって、目星をつけた大学の学生たちに直接アプローチをかけよう」浩一は少し興奮気味に身を乗り出した。「学生といってもピンキリだからな。君のところの優秀な社員たちなら、間違いなく会社を背負って立つような原石を見極めてくれるはずだ」「ええ、任せてちょうだい。じゃあ、そういう手はずで進めましょう。明日すぐに信頼できるチームを編成して動かすわ」紫音は優雅にワイングラスを傾けながら頷いた。そして、少しだけ悪戯っぽい笑みを浮かべて浩一を見た。「でも……もし彼らが見つけてきた学生の中に、どうしても手放したくないくらい優秀な子がいたら、うちの会社でも何人かこっそり貰っちゃおうかしら」「おいおい、それだけは勘弁してくれよ!こっちは会社存亡の危機なんだぞ。苦労して見つけた一番の逸材を紫音に横取りされたら、いくら俺でも本気で泣くからな!」浩一がわざとらしく頭を抱えて抗議す
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