裕也の隆起した喉仏から視線を下げれば、シャツのボタンがいくつも外されているのが目に入った。はだけた胸元からは鍛え上げられた筋肉のラインが覗き、その男らしい肉体美が嫌でも想像を掻き立てる。絵里に経験はない。だが、知識がないわけではない……この状況、あと一歩で……信じられない。普段はあんなに反発し合っているのに、先ほどまでの二人は、まるで離れがたい恋人同士のように求め合っていた。もしかして……裕也は、私が思うほど私のことを嫌っていないのだろうか?絵里の思考が千々に乱れていると、裕也のかすれた低い声がそれを遮った。「どうした?怖気づいたか?」絵里はやはり負けん気が強い。眉をひそめて言い返す。「誰が怖いなんて言ったのよ。そんなことないわ」「なら、続きだ……」裕也は頭を下げ、再び唇を寄せようとする。だが今の絵里は、先ほどよりも幾分冷静さを取り戻していた。さっきの感覚があまりにも強烈で恐ろしくなり、とっさに顔を背けて避けてしまう。裕也の瞳の色がわずかに暗くなる。彼はじっと彼女を見つめた。「?」絵里の手の中で鳴り続けていたスマホは、いつの間にか切れていた。気まずい沈黙が流れる。どうしよう。もし私たちが「そういうこと」をしてしまったら……あまりにも変じゃないか?数秒もしないうちに、再び着信音が鳴り響いた。それで完全に我に返った絵里は、慌てて口を開く。「梨乃からだわ。急用かもしれないし、出るわね」雰囲気が霧散し、裕也の瞳から欲情の色が引いていく。彼は拘束を解いた。彼女が望まないのなら、無理強いするつもりはない。絵里は彼のそんな眼差しの変化には気づかず、急いで電話に出た。「もしもし絵里?どうしてすぐに出ないのよ。最近忙しすぎじゃない?さっきかけた時は電源切れてたし……」梨乃のマシンガントークが始まる。だが裕也はまだ絵里の身体の上に半分覆いかぶさったままで、退こうとしない。その体勢に、絵里の呼吸は乱れたままだ。「べ、別にそんなことないわよ」「へえ、声変じゃない?もしかしてそこに男でもいるの?」梨乃が「あ!」と声を上げ、何かとんでもないことに気づいたようだ。「まさかあんたたち、裕也とイチャついてる最中なんじゃ?うっそー!あなたたち変態すぎ!私と電話しながらナニ
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