All Chapters of 犬猿の仲……いいえ、犬猫の仲です: Chapter 11 - Chapter 20

55 Chapters

第十一話:奪われた真実─ 歪められた過去

「お前は…… お前だけは──うちの金や権力目当ての連中とは、違うと思っていたのに……」 喉が、ひくりと鳴った。「俺が、どうして女嫌いになったか……教えてやるよ」来人は淡々と続ける。「散々、愛を囁いておいて、瘴気に当てられて醜くなった俺を見た途端、みんな悲鳴を上げて逃げ出したんだ。あぁ──そう言えば『化け物』って叫ばれたこともあったな」来人はそう言うと、暗い瞳で小さく笑った。 「瘴気は、セックスによって吐き出さなきゃ、完全には消えきらない。それを知った途端、女たちは俺を捨てていった。その度、俺は自分が本当に化け物なんじゃないかと思ったよ」──そう、祐希に出会うまでは。そう言って、来人は竜ヶ峰の長い髪を一束掴み、愛おしそうに口づけた。 「来人……人前だよ」わざとらしく頬を染め、逞しい胸にしなだれかかる竜ヶ峰。その光景に、僕の拳は震えた。真実がどうこうは、どうでも良かった。ただ……結局、僕に何も聞かずに竜ヶ峰の言葉を鵜呑みにする来人が悲しかった。だってそれじゃ……、来人を捨てて来た女性たちと同じじゃないか──。来人だって、僕を『猫柳春菜』という女として見ていて、僕個人をみてなかった。たった一年弱の結婚生活だけど来人は結局、僕のなにも見ていなかったのだと。そう、突きつけられたような気がした。
last updateLast Updated : 2026-01-24
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第十二話:奪われた真実─ 奪われたのは、真実だった

「お待ち下さい! それは誤解です!」堪えきれず、鈴本が叫んだ。「誤解?」来人は皮肉な笑みを浮かべ、「まさかお前も、オヤジみたいに──俺を救ったのが“そいつ”だとでも言うのか?」そう言って、竜ヶ峰の肩を抱き寄せた。「祐希はな……自分の力を失ってまで、俺を救ってくれたんだ」 「……力を、失った?」 「瘴気から俺を庇った時、 背中に大きな傷まで負ったらしい」慈しむように、竜ヶ峰の背を撫でる来人。 「美しかった背中には、まるで刀で斬られたような傷跡が残ってしまった」竜ヶ峰は、勝ち誇ったように僕を見た。 「背中に……傷跡?」 「鈴本!」思わず声を荒らげると、鈴本はハッとした表情で口を閉ざした。──猫柳家は、かつて神を欺いた一族だ。だからこそ、知っている真実がある。神光を浴びて背に刻まれる痣は、神を欺いた証。あの日、大学病院では奇跡が起きた。瀕死の患者を含め、あの場にいた人々の“病”という厄が、一瞬で消えた。だが──瘴気の代わりに背中に傷が残ったということは、神を欺き、罰を受けた証に他ならない。しかも、異能が完全に消えたというのなら──それは、依り代として不適格だという烙印だ。本来、刻まれるのは、五センチほどの痣だけのはずだ。異能も、弱まるだけで失われはしない。……なのに、消えた?そこから導き出される答えは、一つしかなかった。 竜ヶ峰家は──禁忌を犯し、神を縛っている。さらに考えが繋がる。頻発する瘴気による異常気象。そこに、竜ヶ峰家が関与しているとしたら?そして──祐希が来人に抱かれている理由が、瘴気と共に狗飼家の力を取り込むためだとしたら……。狗飼家は、攻めの家系。守りの力を持たない。だから、溜まった瘴気や余剰の異能を、行為によって吐き出す必要がある。それを怠れば、人の器が耐えられない。
last updateLast Updated : 2026-01-25
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第十三話:壊れていく心

この日から、まさに地獄の日々が始まった。この家には、一階と二階にそれぞれ風呂もトイレもある。だから、基本的に生活に困ることはない。──ただ、キッチンだけは一階にしかなかった。朝食を作ろうと階下へ降りた瞬間、ギシギシと軋むスプリングの音と、聞きたくもない竜ヶ峰の喘ぎ声が、朝っぱらから耳に飛び込んできた。ドアを開け放たなければ、聞こえない距離のはずだ。 ……おそらく、わざとだろう。わざわざ、あんな下品な声を上げなくてもいいのに。半ば呆れながら、二階へ戻ろうとした、その時だった。 「祐希……愛してる……」来人の声が、はっきりと聞こえた。その瞬間、足元がガラガラと崩れ落ちるような感覚に襲われた。慌てて部屋へ駆け戻り、ドアに背中を預けたまま、ずるずると床に崩れ落ちる。気付けば、視界が滲み、頬を伝って、涙が零れていた。──知らぬ間に僕は、来人を好きになっていた。契約結婚だと、分かっていたはずなのに。来人の不器用な優しさに、いつの間にか……絆されていた。溢れて止まらない涙に、自分の感情が、ぐちゃぐちゃに混ざっていく。どうせ、三年間だけの契約夫婦なのに。好きになってしまったら、いけなかったのに……。おそらく、鈴本は僕の異変に気付いたのだろう。翌日からは、鈴本が一階の様子を確認してから、僕が降りるようになった。そんなある日。偶然、来人とばったり鉢合わせてしまった。どうやら情事の最中に、竜ヶ峰を失神させてしまったらしく、冷水を取りに来たところだったようだ。全裸にガウンを羽織っただけの姿──それでも、悔しいことに、思わず胸が跳ねてしまう。慌てて視線を逸らした、その時。「すまなかった」突然そう言われ、思わず顔を上げる。「寝室のドア……、開いてたらしいな」
last updateLast Updated : 2026-01-26
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第十四話:張り巡らされた罠(前編)

食事会の件を鈴本に話すと、彼は眉間に深い皺を寄せた。「……冗談、ではありませんよね?」「残念だけどね」溜め息混じりに答えると、鈴本は吐き捨てるように言った。「来人様の無神経さには、正直……反吐が出ます」「……来人は悪くない。彼は、完全に善意で言っているだけなんだ」俯いてそう告げると、鈴本は少し間を置いて、低い声で続けた。「……竜ヶ峰祐希。あの男は、キレ者すぎます。正直……怖い」その言葉に、僕は何も言い返せなかった。──そう。竜ヶ峰祐希は、悪意を来人へ向けさせながら、自分は“分かり合いたい被害者”を演じ、周囲の感情を巧みに操っている。少しでも気を抜けば、どこに罠が仕掛けられているか分からない。竜ヶ峰家は、元は地方の小さな村で神職を務めていた一族だ。誠実で実直な家系として知られていたが、祐希の父の代から、急激に様相が変わった。神社はいつの間にか“パワースポット”として名を馳せ、竜ヶ峰家は急速に力と影響力を持つようになった。……偶然にしては、出来すぎている。「……とにかく、気を付けるに越したことはありません」鈴本の言葉に、僕は静かに頷いた。食事会の時間が近づき、僕は手料理を用意した。毒を盛られるとは思わない。だが、竜ヶ峰が用意した料理だけでは、不安だった。やがて別邸に、本邸の料理人たちが作った高級ホテルのディナーのような料理が並ぶ。その中に、僕が作ったミネストローネも置かれた。だが──「こちらのミネストローネですが、来人様の大好物ということで、祐希様がご用意されたものです」そう、本邸の配膳スタッフが紹介したのだ。……耳を疑った。「少し待ってください。それは、私が作ったものでは……?」戸惑う僕に、使用人は淡々と告げた。
last updateLast Updated : 2026-01-27
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第十五話:張り巡らされた罠(後編)

僕は、竜ヶ峰が用意したというミネストローネを食べる来人を見て、違和感を覚えた。 (……あれ?)視線を巡らせても、僕が作ったはずの鍋は、どこにもない。胸の奥が、すっと冷えた。(……処分、された?)そう思った瞬間、居ても立ってもいられなくなった。慌てて外へ飛び出し、本邸の厨房へ運ばれていく荷物に視線を走らせた。 ──あった。そこにあったのは、間違いなく、僕が作ったミネストローネの入った鍋だった。「媚薬が仕込まれていたそうよ」「相手にされないからって……ひどいわよね」聞こえよがしに交わされる囁き。──あれは、実家の野菜で作ったものだった。祖父と祖母が、趣味とはいえ、大切に育てた野菜を使ったスープ。それが今、まるでゴミのように扱われている。悔しさと悲しさが一気に込み上げ、視界が滲んだ。その時だった。「今さら来人に媚びて、どうするんだよ」耳元で、竜ヶ峰の声がした。慌てて距離を取ろうとした瞬間、腕を掴まれ「そんなに男が欲しいなら、抱いてあげようか?あぁ……あの冴えない男、実は愛人だったりして?」そう言われて、頭にカッと血が上った。──分かっていた。これは、挑発だ。それでも……祖父母の想いを踏みにじられ、鈴本まで侮辱されて、もう……限界だった。 『パァン!』乾いた音が、別邸の裏庭に響いた。次の瞬間、竜ヶ峰の頬が赤く染まる。「祐希!」まるで計算されていたかのように、来人の叫び声が響いた。竜ヶ峰は一瞬、勝ち誇ったように微笑み──次の瞬間には、はらはらと、見る者の同情を誘う美しい涙を零した。「……そんなに、僕が気に食わないんですか?でも、僕は……分かり合いたかっただけなのに」完璧な“被害者”の演技。「春菜! お前、祐
last updateLast Updated : 2026-01-28
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第十六話:知らなかった真実(前編)

僕は、狗飼家から離縁され、実家へ戻った。魂が抜け落ちたみたいに、ただ、ぼんやりと毎日を過ごしていた。離縁の理由を知った時の、じいちゃんとばあちゃんの怒りは相当なものだった。「だから、両生類の名前の家は信じられんのだ!」と怒鳴るじいちゃんに、僕は心の中で小さく呟く。(……じいちゃん、竜は伝説上の生き物だよ)いつもなら即ツッコミを入れるのに、その時の僕には、言葉を発する元気はなかった。そんな僕を見て、じいちゃんは心配そうに眉を下げた。「こんな事になるなら、偽装結婚なんてさせるんじゃなかったな」優しく頭を撫でられ、じわりと涙が滲んだその時だった。「ねぇ、来人君って鼻炎持ちなの?」突然、母さんが現れて、そんな事を言い出した。「は?」「だって、魂の片割れを、嗅ぎ分けられないなんて、おかしいでしょ?」「え? ……誰と誰が?」「やだ、春ちゃんも鼻炎?「誰が鼻炎だよ!」思わずツッコむと、母さんは首を傾げて言った。「ねぇ、春ちゃん。狗飼家に、誰か“臭い人”いなかった?」「臭いって……いないよ。あ、でも……竜ヶ峰は、いつも良い匂いしてたな」そう呟いた瞬間だった。「それよ」母さんが、妙に納得した顔をする。「その匂いのせいで、 嗅覚が鈍ってたのね。 ……ったく、爬虫類はやることがえげつないわ」「母さん。竜は伝説上の生き物で、爬虫類でも両生類でもないから」じいちゃんと母さんのボケに、結局ツッコまずにはいられなかった。「……でも変ね。香水程度なら、ここまで鈍らないはずだけど」「フェロモン系じゃないかしら」「あら、お母さんもそう思う?」……怖い。無口なばあちゃんと、我が道を行く母さんが、揃って黒い笑顔を浮かべている。その時だった。「ねぇ、春ちゃん」母さんが、ふっと表情を和らげる。「お父さんのお墓参りに行
last updateLast Updated : 2026-01-29
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第十七話:知らなかった真実(後編)

母さんは僕の正面に座ると、やけに楽しそうに言った。「猫柳春馬、出生の秘密。たらららら〜ん♪」(……緊張感が皆無だ)呆然としている僕をよそに、母さんは語り始めた。「今から少しだけ昔に……猫柳家にとっても可愛い女の子がいました」どう考えても自分の事だ。「女の子には超イケメンの婚約者がいました。女の子は、その婚約者と結婚する日を夢見ていました。 しかし、その超イケメン婚約者には、別に愛する人がいたのです」 その言葉に、胸がざわついた。「女の子は、とても悲しかったけれど、すぐに気付いたのです。──あぁ、この人は魂の片割れに出会ったんだ、って」「……それって」僕が口を挟むと、母さんはにっこり笑い「そう。狗飼家の、現当主よ」と答えると、話を続けた。「女の子はね、どうしたら彼が幸せになれるのかを、一生懸命考えたの。そして女の子は、当時、自分の護衛だった男性に頼んだの。『フリでいいから、駆け落ちして』って。護衛の男性は、全てを理解していた。彼は女の子の覚悟を、婚約者に伝え、婚約者は彼女の気持ちに涙を流して感謝していたわ……。そして女の子は、ある時に気付いたの。ずっと隣で守ってくれたその人こそが、自分の魂の片割れだったと。でもね、その人、とんでもない堅物だったのよ」母さんは苦笑する。「護衛対象に手を出すなんて、考えられなかったんだって」そう呟くと、「それでも、魂の結び付きは抗えない。いつしか二人は愛し合い、やがて、可愛い男の子を授かった。『春のように温かく、駿馬のように強く育つように』そう願って、父親は”春馬”と名付けたの」と、続けた。……初めて知っ
last updateLast Updated : 2026-01-30
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第十八話:春菜死す

「それで、だけど……」と、母さんと僕の会話を黙って聞いていたばあちゃんが口を開いた。「突然、春菜が消えて春馬が現れたら、偽装結婚がバレちゃうでしょう?だったら、春菜は死んだことにしましょう」ばあちゃんは、黒い笑顔で言い出した。さすが猫柳家の血を引く女だ。『うちの春馬を傷付けて、あんなはした金で許されると思うなよ』そんな顔をしている。「亮二には悪いが、きちんと息子を育てられなかった落とし前、着けてもらわないとねぇ……」「あら、お母様。悪いお顔」そう言っている母さんの笑顔も、黒い。母さんとばあちゃん……。猫柳家の女を怒らせたら怖いと、肌で感じた瞬間だった。「亮二と咲月の件は、咲月が納得して勝手に行動した事だから多目にみてやったけど、今回ばかりは許せないからねぇ……」ばあちゃんの言葉に、僕は首を傾げてから思わず聞いた。「えっ!狗飼家の当主様の名前、亮二なの?」「はぁ? 何を今更」呆れた顔をするばあちゃんに、僕はつい叫んでしまう。 「……イケシブおじの当主だから、もっとカッコイイ名前だと思ってた」すると、ずっと黙っていたじいちゃんにまで、「結婚式の招待状にも、名前は入っていたぞ」と、ツッコまれてしまった。 「だって、どうせ離婚する偽装結婚だったから、招待状とか全く見てなかったんだよね」あははは、と笑いながら言うと、三人の呆れた視線が痛い。ばあちゃんは深く溜め息をついてから、ぽつりと呟いた。「亮二は、ああ見えて優しいからね。母親のいない来人を、甘やかし過ぎたんだろうね……。とはいえ、それはそれ。今回の件の落とし前は、きっちりつけさせてもらうから、あんた達は口出し無用だよ」その言葉に、少しだけ来人が可哀想になって、「落とし前って、どうするの?」と聞いてみた。するとばあちゃんは、黒い笑みを浮か
last updateLast Updated : 2026-01-31
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第十九話:後悔と懺悔(来人編)

「……はぁ?春菜が──死んだ?」本邸を追い出され、地方の別邸で祐希と暮らしていた、ある日。風の噂で、春菜の訃報が届いた。「どうせ、猫柳家の嫌がらせじゃないの?」苦々しい表情でそう呟く祐希を、俺は睨み返し、部下に調査を命じた。報告書には、離婚後の春菜の様子が淡々と記されていた。離婚後、春菜は家に引きこもり、結婚生活での心労がたたり、体調を崩していたらしい。食事を取らなくなり、次第にやせ細り──最後は、夜、眠りについたまま、二度と目を覚まさなかった、と。春菜に付き従っていた鈴本は辞職し、地方の馳川家へ転職。あの鈴本が辞めるということは……きっと、春菜の死は真実なのだろう。葬儀は家族葬で、しめやかに執り行われた。参列を申し出たオヤジでさえ、棺越しに、春菜の死に顔を見ただけだったという。……春菜のことは正直に言えば、気にはなっていた。儚げな容姿に似合わず、気が強く、勝気で。正義感が強く、それでいて、生きとし生けるものに優しい。女だからと、一方的に庇護されることを拒み、隣に並んで歩くことを望む──そんな女だった。……いつからだろう。そんな彼女を、疎ましく思うようになったのは。祐希から、「春菜様が、店主様に取り入り、ある事ない事を吹き込んで、意地悪して来るんです」そう聞かされてからだ。祐希との出会いは、大学時代だった。生まれながらに瘴気との闘いを強いられ、疲弊しきっていた頃だった。女から「化け物」と呼ばれ、逃げられ、体内に瘴気の滓が溜まり始めた、あの頃。「狗飼来人君、だよね?」振り向くと、女と見紛うほどに、美しく妖艶な人物が立っていた。「身体……辛くない?僕なら、きみを楽にしてあげら
last updateLast Updated : 2026-02-01
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第二十話:父の墓前で始まる未来

猫柳春馬として生きると決めた日、僕は、長かった髪をバッサリと切った。背中の半分まであった髪を切ると、不思議と、気持ちも少しだけ軽くなった気がした。……それに長い髪は、嫌でも竜ヶ峰を思い出してしまう。だから、これでいい。もう、あの光景を思い出すこともない。そう思ったはずなのに──長い髪を一束掴み、愛しそうに口づける光景が、ふいに脳裏に浮かんだ。ハッとして、僕は首を横に振る。もう、過去は振り向かない。そう……決めたんだ。「あら~、春馬。短髪も似合うじゃない」母さんは、あの日から僕を「春馬」と呼ぶようになった。ばあちゃんたちが、春菜の葬儀の準備で忙しくしているのを横目に、僕は母さんと一緒に、猫柳の家を後にした。春菜として過ごした十六年間と、ようやく別れを告げられたような気がした。まず向かったのは、父さんのお墓だった。海の見える、小高い丘の霊園。そこに、父さんの墓はあった。綺麗に手入れされた墓石には、『馳川 徹也享年 三十四歳』と、刻まれている。その文字に、そっと指先で触れた時──「春馬。お墓参りに来られなかったこと、謝ったらダメよ」母さんの声に、はっとする。「絶対、パパは怒るから」……今まさに、謝ろうとしていたところだった。「春馬のパパはね、自分より、人の幸せを願う人だったの」母さんは、少し切なそうに続ける。「だからきっと、真実を伝えた私のことを、怒ってるわね」その言葉に、僕は母さんの肩を、そっと抱き寄せた。「大丈夫だよ。そんな父さんなら、母さんを怒ったりしない」そう言った、その
last updateLast Updated : 2026-02-02
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