บททั้งหมดของ 残業は、あなたのためだけに~部長、あなたを壊すのは俺です: บทที่ 11 - บทที่ 20

43

11.熱に浮かされる

南條の腰が小さく浮いた瞬間、伊吹は唇を離した。名残惜しさが舌に残る。それでも、ここから先は慎重でなければならないと、頭のどこかで理解していた。南條は荒い息のまま、片腕で目元を覆っている。喉が上下し、胸が大きく波打つ。その無防備な姿を見て、伊吹の胸の奥がきつく締めつけられた。壊したいわけじゃない。奪いたいわけでもない。ただ、ちゃんと触れて、ちゃんと感じてほしい。伊吹はベッドの上で体勢を変え、南條の脚の間から、そっと後ろに回り込んだ。身体を横向きにさせ、背中に胸を重ねる。南條の背は、思っていたよりもずっと華奢で、触れた瞬間にぴくりと反応した。「…大丈夫ですよ」耳元で囁くと、南條は短く息を吐いた。否定の言葉はない。その沈黙を、伊吹は肯定として受け取った。腕を伸ばし、腹部を包む。下腹部に触れると、すぐに指先に熱が伝わってきた。だが、そこにはあえて触れない。今は、違う。伊吹の指は、ゆっくりと太腿の内側を撫で上げていく。何度も、何度も、同じ場所をなぞる。焦らすように、けれど確実に。「…そこ、そんなに緊張しなくていいです」そう言いながら、指先をさらに内側へと進める。南條の身体が、わずかにこわばるのが分かった。初めて触れられる場所への、戸惑いと恐怖。そのすべてが、背中越しに伝わってくる。伊吹は一度、動きを止めた。「無理なら、言ってください」しばらくの沈黙のあと、南條が小さく息を吸う。「……止めたいとは、思ってない」その声は震えていた。だが、確かだった。伊吹は喉を鳴らし、再び指を動かす。ゆっくりと、円を描くように撫でる。触れ方はあくまで優しく、押し付けることはしない。南條の身体が慣れるのを待つ。最初は、ただの違和感だったはずの触感が、次第に別のものへと変わっていく。南條の呼吸が乱れ、腰がわずかに逃げる。その動きに合わせて、伊吹は指の動きを変えた。「……っ」小さな声が、確かに聞こえた。伊吹の胸が跳ねる。今のは、苦痛ではない。戸惑いの奥に混じった、確かな反応だった。「今の、嫌じゃないですよね」問いかけると、南條は答えなかった。だが、身体は正直だった。逃げる代わりに、微かに力が抜ける。その変化を、伊吹は見逃さなかった。指先に、ゆっくりと圧をかける。最初は浅く、慣らすように。南條は息を詰め、シーツを強く握る。「……伊吹」初めて、名前を呼ば
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

12.熱情

伊吹は南條を抱き寄せたまま、しばらく動かなかった。背中越しに伝わる体温が、まだ熱を帯びている。先ほどの快感の余韻が、呼吸の乱れとして残っているのが分かった。「……入ります」耳元でそう告げると、南條の肩が小さく跳ねた。だが拒むような動きはない。代わりに、指先がシーツを掴む。伊吹は横向きのまま、ゆっくりと身体を寄せた。側臥位。無理のない角度で、南條の身体を包み込むようにする。ローションの感触が、指先と肌の間を滑る。準備はしてきたはずなのに、それでも南條の身体は緊張を隠せない。伊吹は一度、額を南條の背中に預けた。「痛かったら、すぐ言ってください」「……うん」短い返事。その声は硬いが、逃げる気配はない。伊吹は、ゆっくりと自分を導いた。最初は、ほんの少し。入口に触れた瞬間、南條の喉がひくりと鳴る。「……っ」伊吹は動きを止める。「大丈夫ですか」「……平気、続けて」その言葉に、伊吹は息を詰める。慎重に、少しずつ、身体を進めていく。圧迫感。熱。内側から締めつけられる感覚。南條の背中が弓なりに反る。「……伊吹……」名前を呼ばれるたびに、伊吹の理性が薄くなる。それでも、急がない。何度も止まり、何度も確かめるように、ゆっくりと深く入っていく。やがて、すべてが収まった。伊吹は、南條の腰に腕を回したまま、しばらく動かなかった。内側の熱と圧に慣れる時間が必要だと、分かっていたからだ。南條は、目を閉じている。眉がわずかに寄り、唇が薄く開いている。苦痛と快感の境目にいるような、曖昧な表情だった。「……どうですか」問いかけると、南條は一度、大きく息を吐いた。「……変な感じ……でも、さっきより……」言葉が途中で途切れる。その代わり、身体が僅かに緩む。伊吹はそれを合図に、ほんの少しだけ腰を動かした。浅く、慎重に。その動きに合わせて、南條の表情が変わる。最初は眉を寄せ、歯を食いしばるような顔。だが、何度か同じ動きを繰り返すうちに、目尻がわずかに潤み、唇が震え始めた。「……っ、そこ……」伊吹は、その声に耳を澄ませる。嫌だとは言っていない。むしろ、戸惑いの奥に、確かな熱が混じっている。「ここ、ですか」そう言って、少しだけ角度を変える。内側に当たる感触が変わり、南條の身体がはっきりと跳ねた。「……あ……っ」声が、先ほどよりも高い。伊吹は、その反応に
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

13.知ってしまった熱

布団の中にまだ伊吹の体温が残っていた。汗ばんだ背中にひんやりとした空気が触れて、かすかな震えが走る。天井を見上げる。視界の隅に、隣で寝息を立て始めた伊吹の黒髪がちらりと見えた。何も考えずに目を閉じようとするが、まぶたの裏に蘇るのは、さっきまで自分が見せてしまった情けない顔ばかりだ。自分が――こんな声で鳴くとは思っていなかった。しかも、相手は男で、しかも部下で。どこまで理性を手放していたのか、思い出そうとしても、快感と羞恥の波が交互に押し寄せてくるだけだった。息を吐き出す。胸が熱い。下半身には、かすかな疼きとじんとした余韻が残っている。「また」と思ってしまった。もう十分のはずなのに、脳が、身体が、「もう一度」と求めている。――こんな自分は知らなかった。「どうして俺が…」と心の中で呟いて、額を手の甲で覆う。シーツに指を滑らせる。まだ伊吹の手の感触が、そこにあるような気がする。伊吹の手は大きくて温かくて、力強いのに優しかった。唇も、身体の奥を開かれていく感覚も、全部――。思い出そうとしただけで、呼吸が浅くなる。伊吹の寝息が、すぐ隣から聞こえる。ちらりと顔を向けると、伊吹は寝返りを打ち、自分の肩にそっと額を寄せてきていた。「…なんで、そんな顔して眠れるんだよ」つぶやいた声は、かすれていた。きっと、あいつには今夜の自分の顔も、声も、全部見られてしまったのだろう。自分の中の何かが壊れた音がしたような気がする。眠れない。身体が熱くて、心臓がうるさくて、“もう一度抱かれたら、今度は全部を委ねてしまうかもしれない”――そんな予感に、ぞっとする。なのに、「また欲しい」と思ってしまっている。もう男としての矜持とか、年上としての威厳なんて、今夜ひと晩でどこかへ消えてしまった気がした。もし伊吹が、また同じように触れてきたら。きっと、拒めない。「もっと…」と自分から手を伸ばしてしまうかもしれない。そう考えるだけで、恥ずかしさと高揚が入り混じった変な熱が腹の奥で渦巻いた。夜が明けかけていた。カーテンの隙間から淡い光が差し込み、部屋の輪郭を薄く照らす。その光が、ふたりの境界線を少しずつ溶かしていくように見えた。ふいに伊吹がもぞりと動く。目を覚ましたのか、寝ぼけた声で「…部長」と呼ばれる。身体がびくりと跳ねた。「おはようございます
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

14.誘いの言葉

定時を過ぎたオフィスには、空調の音とパソコンの低い唸り声だけが残っていた。窓の外はすっかり暮れ落ち、遠くで点滅するビルの灯りが、無機質なガラス面にぼんやりと映り込んでいる。書類の山をひとつ片付けて、南條司はため息をついた。指先は疲労の色を滲ませているが、誰にも見せることはない。椅子に背を預けたまま、ぼんやりと天井を見上げる。どこかで足音が近づいてくる気配があった。静かなフロアで、それはやけに鮮明に聞こえる。やがて視界の端に、伊吹蓮の姿が現れた。資料の束を小脇に抱え、いつもと変わらぬ穏やかな表情を浮かべている。だが、その奥にある“何か”を、南條はもう知ってしまっている。「部長、お疲れさまです」声がかかる。南條は最小限の表情でそれに応じる。「もう上がるのか」「はい。今日は片付いたので」どちらも普段通りのやり取りだ。周囲に聞かれても何の違和感もないはずなのに、南條の胸の奥には、言いようのない高鳴りが残っている。今週もまた、この金曜が来た。“何事もなかった顔をしているが、二人だけの夜が近づいている”そのことを意識した瞬間、南條はほんの僅かに背筋を正した。「部長、今日も飲みませんか」伊吹が、ごく自然にそう言った。まるで、週末の定例行事のように。何気ない誘いの言葉に、南條は即答できなかった。「…いや、今日は」一度だけ、口をつぐむ。“やめておこう”という理性と、“行きたい”という本能が、心の内側でせめぎ合う。だが、伊吹はその逡巡すら読んでいるようだった。「無理は言いませんよ。お疲れなら、また今度でも」そう言いながらも、どこか期待の色が見え隠れする。その目に射抜かれると、南條の心はひどく不安定になる。断れない――そう自覚した。むしろ、断りたくないのだと自分でも分かっている。一度でも欲望を知ってしまえば、もう元には戻れない。「…いや、別に。少しくらいなら」言い訳じみた言葉が喉を滑り落ちる。伊吹の口元が、ほんの少しだけ緩むのが分かった。「じゃあ、準備して待ってます」それだけを残して、伊吹は資料を片付けに戻っていった。その背中を見送りながら、南條はデスクの引き出しを静かに閉じた。席を立つ前に、深く息を吸う。頭の中で何度も「これはただの付き合いだ」「週末の息抜きだ」と言い聞かせてみるが、そのたびに、胸の奥がきゅっと痛む。正当
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

15.泊まっていきますよね

グラスの中の氷が、カランと音を立てた。それだけで、夜の密度が一段と濃くなったような気がした。伊吹の部屋は、ビールとソファの革の匂い、そしてどこか馴染みつつある南條自身の緊張の匂いに満ちている。テーブルの上には食べ散らかしたつまみの皿がふたつ、空き缶が並び、壁際には淡い間接照明の光が広がっていた。時計を見ると、すでに日付をまたいでいる。「そろそろ…」と口にしかけた南條の視線の動きよりも早く、伊吹が振り向く。「泊まっていきますよね」その言い方は、まるで今夜の流れが最初から決まっていたかのようで、何のためらいもなかった。少しだけ残った酒の酔いと、ずっと胸の底に沈めてきた「次も、きっと…」という予感が重なる。南條は否定も、冗談も、逃げ道も探さなかった。「……ああ」それだけを答えると、伊吹の表情がわずかに緩む。「じゃあ、シャワー使います?」「…先に浴びてきてくれ」どちらが先か、というやりとりももはや儀式じみていた。南條は伊吹が洗面所へ消えていく音に耳を澄ませる。湯の音、ボディソープの匂いが少しだけ空間を満たす。その間にシャツを脱ぎ、Tシャツとスウェットへ着替える。まるで家に帰ったかのように馴染みすぎている自分が可笑しくもあった。伊吹が髪を濡らしたまま出てくる。「どうぞ」と言う声に、南條は軽く頷き、無意識のうちにタオルを受け取っていた。浴室のドアを閉めると、わずかな湿度と、誰かがいた余熱が肌にまとわりついた。シャワーを浴びながら、南條は自分の表情を鏡越しに確認する。湯気に滲む目元、頬の赤み。身体の隅々まで伊吹の気配が染みついている気がした。どんなに冷たい水を浴びても、その熱は消えなかった。シャワーの音に紛れて、足音が近づく気配がした。浴室のドアが、静かにノックされる。「南條さん」低い声。その一言だけで、全身の感覚が呼び覚まされていく。「…どうした」ドアの向こうで気配が止まる。「一緒に入っても、いいですか」南條はほんの一瞬だけ迷い、けれど、すぐに「…好きにしろ」と返した。ドアがそっと開き、湯気の中に伊吹のシルエットが浮かぶ。ふたりきりの密室。浴室の明かりは柔らかく、肌の輪郭も曖昧だ。伊吹が隣に立つと、肩から背中までの距離が、異様に意識される。シャワーヘッドを差し出すと、伊吹が静かに受け取る。その手が、南條の前髪を優
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

16.確かめる夜

ベッドに身を沈めると、シャワーの余熱がまだ肌にまとわりついていた。伊吹と隣り合うこの場所は、もはや自分にとって“非日常”とは呼べなくなっている。部屋の空気は、窓の外よりもはるかに暖かく、そして静かだった。南條はゆっくりと息を吸い、布団の下で拳を握りしめる。伊吹の視線が、すぐ近くから注がれていた。浴室を出てから、ふたりはほとんど言葉を交わしていない。だが、その沈黙は決して気まずさからくるものではなかった。むしろ、何か大切なものが壊れてしまうのを恐れるような緊張感に包まれている。「南條さん」名を呼ぶ声が、闇に溶ける。南條は微かに首を傾け、伊吹の方へ顔を向けた。柔らかな光が、伊吹の肩や頬の輪郭を優しく縁取っている。「…何」喉の奥から、乾いた声がこぼれた。呼吸が浅く、胸のあたりが少しだけ苦しい。伊吹は笑わず、ただ静かに南條の髪を撫でる。「最初から…泊まるつもりでしたか」不意に、そう問われて南條は少しだけ目を伏せた。言い訳も、冗談も浮かばない。「…どうだろうな。たぶん…そうだったのかもしれない」嘘ではなかった。本当は、ずっと欲しかった。またこの夜に、伊吹の隣で眠ることを。伊吹の手が、そっと頬に触れた。その指先はとても優しくて、安心する反面、全身が強張ってしまう。耳の後ろをなぞる指が、じわじわと熱を伝えてくる。「…触れても、いいですか」その言葉すら、もう“儀式”でしかなかった。南條は黙って目を閉じる。唇が、額に、頬に、そっと触れる。どこかくすぐったく、どこか懐かしいような感覚。伊吹の呼吸が、南條の頬にかかるたび、身体の奥で何かがざわめく。キスは次第に深くなり、唇の柔らかさや舌先の熱、相手の息遣いまで鮮明に伝わってくる。南條は自分の身体が、もう既に伊吹を待っていることをはっきりと自覚していた。首筋に、舌先が触れた。肌がぞくりと粟立つ。伊吹はそのまま、肩、鎖骨へと唇を這わせていく。「…ん」思わず、声が漏れた。自分でも驚くほど甘く、幼い音だった。一度知ってしまった快感――“あの夜は偶然だった”と信じたかった。だが、もう誤魔化せなかった。身体は、伊吹の手と唇を、前回以上に渇望している。伊吹はゆっくりと南條の胸へと降りていく。指先が乳首をそっとなぞると、思わず背中が反る。「…っ、やめ…」声がかす
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

17.焦らされる熱

布団の中で伊吹の気配がゆっくりと腰のあたりへ降りていく。南條は、これから何が始まるかを知りすぎているのに、それでも鼓動がひどく早くなっていくのを止められなかった。伊吹の息が、下腹部の肌にふっとかかる。それだけで、筋肉がびくりと震える。意識していなかったはずなのに、布団の下で自分の中心がすでに昂ぶっているのがわかった。羞恥よりも先に、なぜか誇らしいような気持ちさえよぎる。「南條さん、ここ…すごく熱いですよ」伊吹の低い声に、南條は唇を噛んだ。返事はしない。だが、肌の奥からせり上がってくる熱が、もう言葉よりも雄弁に語っている。すぐに口づけられると思った。しかし伊吹の唇は、わざとらしく遠回りをしながら、太腿の付け根、腰骨の際、恥ずかしいほど繊細な場所をなぞる。指先も、皮膚を撫でるだけで、決して核心には触れない。「…っ」思わず腰が揺れる。無意識に、欲しい場所へ誘導するように身体が動いてしまう。けれど、伊吹は微笑みながらそれをかわし、さらに外側へ舌を這わせる。舌先が下腹部をゆっくり螺旋を描いていくたび、南條は自分の呼吸がどんどん浅くなっていくのを感じる。「そんなに、ここを待ってたんですか」伊吹は意地悪くささやいた。南條は答えようとしたが、声にならず、かわりに喉から熱い吐息が漏れた。恥ずかしい。だが、その羞恥心すら、だんだん快感に呑み込まれていく。伊吹はじっと南條の顔を見上げてくる。その瞳にすべての反応が映し出されている気がして、視線を逸らすこともできない。やがて、伊吹の手が中心のすぐ脇を優しく撫でる。「ここも…すごく敏感になってますね」指先が、今度は付け根から先端に沿って、じっくりと肌の上をなぞる。だが、まだ唇は触れない。南條はもう一度、腰を揺らしてしまう。まるで“もっと”とねだるような仕草。意図したわけではない。だが、身体は素直すぎるほど素直に伊吹を求めている。唇が、ついに先端のすぐ近くに触れた。だが、ほんの一瞬、舌先が先端の裏をかすめただけで、またすぐに遠ざかる。焦らされるたびに、快感の波が内側からせり上がってきて、下腹部がじくじくと疼く。「……伊吹」気づけば、掠れた声で名を呼んでいた。懇願にも近い響きが、自分でも情けなく思えるほど弱い。伊吹はそんな南條の声に微笑みを深める。「そんなに…待ちきれないんですか」指先で
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

18.とける余韻

伊吹の口が離れた瞬間、南條の身体は言うことをきかなくなった。腰から力が抜け、喉の奥がひくりと鳴る。視界が一瞬白く弾け、天井の輪郭が滲んで揺れた。息が追いつかない。胸が上下し、指先が冷たくなる。快感の余韻が、まだ体の内側で脈打っていた。「あ……っ」自分でも驚くほど、はっきりとした声が漏れていた。情けないほど無防備な音だったが、それを恥じる余裕すらない。身体を、完全に伊吹に預けきってしまっている。伊吹はすぐには離れなかった。しばらくのあいだ、太腿に顔を埋めたまま、呼吸を整える南條を待っている。その沈黙が、かえって落ち着かない。「……大丈夫ですか」耳元ではなく、少し離れた位置からの声。気遣うようでいて、どこか確信めいた響きがあった。「……少し、待て」南條はそう言うのが精一杯だった。全身がまだ、甘い痺れに包まれている。休ませてほしいという気持ちは確かにある。だが同時に、どこかで“このまま終わらないでほしい”と願っている自分も、はっきりと存在していた。伊吹の手が、そっと太腿に触れる。指先は熱を帯びていて、撫でられるだけで、びくりと身体が反応してしまう。「……そんなに力、入れなくていいですよ」そう囁かれて、南條ははっとする。無意識のうちに、脚を閉じ、逃げるような姿勢を取っていた。太腿の内側。さっきまでとは違う、静かで確かめるような触れ方。「……南條さん」呼ばれただけで、心臓が跳ねる。嫌な予感ではない。むしろ、知っている予感だった。指が、後ろへ回る。一瞬、身体が強ばった。「……そこは」止めようとした声は、途中で途切れた。伊吹の指先が、ただ触れるだけで、押し込もうとしないからだ。なぞるように、円を描くように、ゆっくりと。その感触に、背筋を冷たいものが走った。違う。前とは、明らかに違う。それなのに――脳裏に、はっきりとした記憶がよみがえる。あの夜。体の奥で、じわじわと広がった、理解の及ばない快感。触れられただけで、全身が溶けるように熱くなった、あの感覚。「……やめろ」言葉とは裏腹に、腰が逃げきれず、逆に揺れてしまう。自分の反応が、あまりにも正直すぎて、ぞっとする。伊吹の指が、わずかに圧を増した。撫でるだけだった動きが、少しだけ深くなる。「あ……っ」今度は、抑えきれなかった。喉の奥
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

19.奥に触れる指

伊吹の指が、ゆっくりと中へ進んでくる。侵入の感覚に、南條は思わず息を詰めた。痛みではない。だが、はっきりとした異物感があり、身体の奥が強く意識させられる。反射的に腰を引こうとしたが、伊吹のもう一方の手が太腿を押さえ、逃げ場を与えなかった。「……大丈夫ですよ。力、抜いて」落ち着いた声。それだけで、不思議と肩の力が少し抜ける。伊吹の指は無理に動かず、しばらくそのまま留まり、内側の熱に慣れさせるように静かに待っていた。その“待ち”が、かえって落ち着かない。自分の中で、伊吹の指を意識し続けるしかなくなる。やがて、指がほんの少し動いた。内側の壁をなぞるように、ゆっくりと、探るように。「……っ」声にならない声が喉の奥で詰まる。腹の奥が、ひくりと跳ねた。伊吹の指先が、わずかに角度を変えた瞬間だった。――そこに、触れられた。雷が落ちたような感覚。ぞくりと背筋を駆け上がり、思わず腰が浮く。「あ……っ、な……」何が起きたのか、理解が追いつかない。ただ、身体の奥を一点で掴まれたような、強烈な快感だけがはっきりとある。伊吹は、確信したように小さく息を吐いた。「……ここですね」その一言で、南條の思考は完全に崩れた。指が、同じ場所をもう一度、ゆっくりと押す。逃げようとしたが、身体が言うことをきかない。むしろ、自分から腰を動かし、そこへ当ててしまっている。「……やめ……」言葉は拒絶の形をしているのに、声は震え、甘く掠れていた。伊吹の指は止まらない。同じ一点を、角度を変えながら、執拗に刺激してくる。押されるたびに、内側から熱が噴き上がり、視界がぐらつく。「……っ、あ……だめだ……」恥ずかしい。あまりにも、感じすぎている。前とは、まるで違う。触れられているのは、ほんの指先なのに、快感は身体全体に広がっていく。下腹部が勝手に反応し、脈打つのがわかる。伊吹は、南條の反応を確かめるように、わざと動きを緩めたり、急に深く押したりする。そのたびに、南條の身体は正直に跳ね、声が漏れる。「……ここ、触ると……すごいですね」囁きが、耳元ではなく、心の奥に直接届くようだった。「……やめろ……そんな……」否定したいのに、否定できない。伊吹の指がそこに触れるたび、快感が確かに“正解”だと身体が教えてくる。前回、体の中で感じた、
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม

20.もっと深く

伊吹の指が、内側の一点を執拗になぞり続ける。押し寄せる快感に、南條は身体の奥が溶けていくような錯覚に何度も飲み込まれた。押し入るたびに、腹の底で熱が生まれ、腰が無意識に跳ねる。膝の裏まで痺れるほどの波が何度も繰り返し押し寄せ、もう何度目かわからないほど、浅い絶頂に引きずり上げられていた。けれど、その快感の頂は、どこか決定的なものには届かなかった。もう充分すぎるほど敏感なのに、指が奥に触れるたび、なぜか“それだけじゃ足りない”と、身体の奥が訴え始めていた。「……はぁ、あ……っ」何度も、熱い吐息が零れる。喉が乾き、頬はきっと赤く火照っているのだろう。シーツを握る指に力がこもるたび、背中から汗が伝う。伊吹の指は的確すぎるほど的確だった。だが、南條は次第に、刺激の強さや動きよりも、“奥の空白”を意識するようになっていた。太さも、届く距離も、そのどれもが、もっと深く、もっと満ちるものを――「……っ、伊吹……」名前を呼んでも、状況は何も変わらない。むしろ伊吹は、それを聞き逃さずに嬉しそうに指先を動かす。「……南條さん、物足りないですか」囁き声が、耳をかすめる。返事などできるはずがない。それでも、南條は首を振って否定することもできなかった。息が漏れ、腰が逃げるようでいて、逆に指を追ってしまう。理性と欲望のバランスが、もうどうにもならなくなっていく。「……そんな、こと……」震える声で言ってみせる。だが、伊吹の指が一層深く押し込まれるたび、身体が正直に跳ねる。「……まだ、足りませんか」意地悪な声が耳の奥にまで染みる。羞恥と苛立ち、焦燥と期待がないまぜになる。自分がどれほど求めてしまっているのかを、認めたくなくて唇を噛みしめた。伊吹は、南條の額や頬にキスを落としながら、指の動きを止めない。身体はもう、指だけでは収まりきらない熱を訴えている。“もっと”“奥まで”“この熱を、全部、満たしてほしい”無意識に腰が動き、指を誘い込んでしまう。理性が「恥ずかしい」と叫ぶ一方で、欲望が「それでも欲しい」と叫ぶ。「……伊吹」たまらず名前を呼んだ。自分でも驚くほど、弱くて、幼い声だった。「はい」伊吹は、その全てを受け入れるような、優しい目をしていた。南條は、顔を背け、シーツの中で伊吹の手首を掴んだ。言葉にはできなかった
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-23
อ่านเพิ่มเติม
ก่อนหน้า
12345
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status