「冷たく見える言葉の裏にある、誰よりもあたたかい優しさに惹かれました」私は、照れくささに負けそうになる自分を奮い立たせ、お義父様の鋭くもどこか温かな眼差しを正面から見つめ返した。「……無愛想で言葉の足りない智哉の真意を、ひよりさんは汲み取ってくれていたのか」その表情には、不器用すぎる息子の幸せを心から喜ぶ一人の父親の顔があった。「初めは、私も智哉さんの素っ気ない態度や冷たいお言葉に、ただ戸惑ってばかりいました」だけど、私が本当に困った時、孤独に潰されそうになった時、誰よりも早く駆けつけて私を庇ってくれたのは、いつだってこの人だった。契約という形に縛られながらも、私は彼の不器用な温もりに触れるたび、一つずつ恋に落ちていった。私は胸の奥から込み上げる熱い愛おしさを隠すことなく、溢れ出る想いを言葉に込めて、お義父様へとお伝えした。「ですが…暗闇の中にいた私を見つけ出し、そのあたたかい手を差し伸べてくれた瞬間から、私の心は……智哉さんだけのものなんです」私の迷いのないまっすぐな愛の告白が、静かな室内に響き渡る。自分はまだ片思いの身で、契約という枠組みの中にいる。けれど、この胸を焦がす熱情だけは、どんな契約書よりも真実だった。 「そうか……。智哉の本当の良さを理解し、まっすぐに愛してくれる人が現れるとは」 お義父様の声には、長年の懸念が吹き飛んだような、深い安堵と喜びが滲んでいた。智哉さんの魅力は、お義父様が思っているような冷たいけれど実は優しいなんて言葉だけでは語り尽くせない。「それだけじゃありません。智哉さんは、私がどんなに無茶なお願いをしても最後は必ず叶えてくれるますし。仕事ですごく疲れているはずなのに、私の他愛のないお話にもちゃんと耳を傾けてくれます。それに、私が本当は何をしたいのかも聞いてく────────」「……そこまでだ、それ以上話さなくていい」智哉さんの切羽詰まった制止の声と、強引に私を引き寄せる腕の力で、私はハッと我に返った。
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