All Chapters of 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Chapter 21 - Chapter 30

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わんぱくでも たくましく育ってるよ

 発見!  尾行して、接近。  そして、八シャッケンという長柄の槍で突く!  冬毛のもふもふラバトを十日で四匹ゲットして新鮮な肉で鍋料理を作ったり皮をなめしたり。  魚を釣って刺身で食ったり乾物や燻製作ったり。  集めたマルルン茹でたり蒸したり炊いたり焼いたりして食べたり。  そんなこんなで暮らしてかれこれ三ヶ月が過ぎた頃、唐突に思い出したのがキャラバンの存在だ。  この世界にも、新年を祝うという風習がある。  一年の始まりは冬の終わり。  あとふた月くらい先な訳だけど、毎年キャラバンが村に商品を売りにやってくる。  山奥のど田舎に人が訪れるのはこのキャラバンと領主様が年貢の取り立てをよこす時くらいなもんだった。  よくぞ思い出してくれたぞ現世の僕。  物語が動くぞ。  人間気力が湧くとできることが増えるんだろうか?  狩りでは二度目のデヤールを仕留め、ラバトを一日で三羽も仕留めたりした。  究極の一人暮らしな僕には有り余る肉なんだけど、キャラバンに売ろうと思ってせっせと食肉加工。毛皮は売れるほどの品質じゃないから自分用。  人と会うのに着た切り雀はさすがに気が引ける。  革は他にも作らなきゃならないものがいっぱいある。  袋とかバッグとかさ。  そんな充実した日々を過ごしていると、雰囲気ってのは伝わるものらしく、「最近楽しそうね」 なんてリリムに言われる始末だ。  なんでもそうだけど何事もやればやるだけ上手くなる。  骨角器も打製石器も自分でびっくりするほど上手にできてる。  最初にリリムが言ってた通り、神様は人よりちょっぴり優秀な人間として転生させてくれているようだ。  もちろん、職人ばりの出来とは言えないけど、実用に耐えるものになっている。  最近じゃ、磨製石器も作り始めてる。  けど、鉄器の方が本当はいいよね。 そんなことをしているうちに気温が日に日に暖かくなり、そろそろキャラバンが村を訪れる頃になった。
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春よ、来い-前篇-

 雪がとけて用水路の水の流れが早くなった頃から僕は、毎日昼頃から日が暮れるまで焼け跡を片付けながらキャラバンが来るのを待っていた。  記憶が確かならいつも日のあるうちに村に来てたからね。  さすがに午前中は雑木林に入って狩りをしたり柴刈りしたり用水路で魚釣ったりしてたけど。  そんな日を十日くらい繰り返した頃、待ちに待ったキャラバンが到着した。  商隊の隊長さんは結構がっしりした体格のおじさんで、物心つく頃にはもう隊長さんだったからおじいさんに近い。  隊長さんはあらかた片付いてさっぱりと何もない廃村に驚きながら、僕のところにやってきた。「生き残っているのはお前さんだけなのか?」 そんな聞き方をするということは、予想外の事態じゃなかったと言うことか?  僕は頷いて事のあらましを語る。  隊長さんは時々質問を挟みながら僕の話を聞いてくれた。  いつぶりだろう?  妖精以外と話すのは。「なるほどな。ずいぶん大変だったろう」 隊長さんは僕の背中をトントンとあやすように叩く。「実はね、この国は今大変なことになっているんだ」 村に来るキャラバンは三つあって、一つは今目の前にいるキャラバン。  二つ目は暑い盛りに来るキャラバン。  もう一つが他国から不定期にやって来るキャラバンだ。  それぞれ売っているものと、この村で仕入れるものが違う。  品物も重要だけど、キャラバンが一番の商品にしているのは情報だ。  ちなみに二番目は子種。  血を適度に薄めるためだ。  まぁ、それはいい。  隊長さんが言うには、この国の王様が身罷られ(要は亡くなって)代替わりすることになったんだけど、立太子(後継を決定)しなかったんで跡目争いが起こっていた。  それが激化して武力衝突に発展して大分になるそうだ。  たぶん、この件は大人たちにはしていたんだろう。  子供だった僕に語られなかっただけなんだ。  時系列でいうと
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春よ、来い-後篇-

 商隊長さんなんか、「キャラバンも潮時か?」とか言ってるし、元々価値のあるものを運んでいるいつ襲われるかもしれない採算や命の勘定で冒険的な商売が、今や割に合わないって計算になってるようだし確かにヤバいね。「でな、ここに来るまでの間に二ヶ所、同じように盗賊の被害にあった村があって生き残った村人を保護してきたんだが……」 と、隊長さんはとりあえず今日はここで泊まろうと旅装を解いて準備をしているキャラバンを振り返る。「お前さん、どうする?」 ん?「どうするって?」「オレたちと一緒に来るか? って話よ」 ……おぉ!「他の被害者は?」「ん? ああ、できればどこかで暮らしたいって言ってたんだけどな?」 何かいいかけて赤くなりかけている空を見上げる。「ま、話は後にしようか。すぐに日も暮れるし、続きは飯でも食いながらだ。ところでお前さん、どこで寝泊まりしてたんだ?」「水車小屋のそばにちょっとした小屋を建てて住んでる」 そういうと、隊長さんは目を丸くしてこう言った。「冬を越せるような小屋をお前さん一人で作ったのか? そりゃ……なんていうかすげぇな」 確かに、前世記憶に助けられたのはあるし、半ば自然児的田舎もんとはいえ十五で究極の一人暮らしはすげぇよな。  よゐこ濱口もびっくりだよ。「おじさん」「なんだい?」「まだ準備に時間かかるよね?」「そうだな」「一旦うちに戻ってくるね」「そうか。じゃあ後でまたな」「あ、欲しいものがあるんだけど……」「欲しいもの?」「うん。けど、銭はない」「だろうな」「で、買ってもらいたいものがあるんだ」「なるほど、物々交換でいいぞ。特別に多少まけてやる」「ありがとう!」「結構あるのか?」 走りかける背中に隊長さんが声をかけてきたので、僕は立ち止まって答える。「
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見える人

 僕は女の子二人を連れて家に戻る。  道すがらお姉ちゃんの方、クレタが僕に訊ねてきた。「ねぇ」「何?」「肩のあたりを飛んでいる妖精は何?」 え?「君、見えるの?」 そりゃあびっくりするでしょ、だって転生者しか見えないって言う妖精が見えてるって言うんだから。  妹のカルホは「え? どこどこ? 私も見たぁ〜い」 てな具合なんだから。  僕だって前世の記憶が蘇って初めて目撃したもんだ。  もっとも、ずっとそばにいたわけじゃなさそうだけど……。  僕はリリムを見る。「何よ? 転生者にしか見えないわよ」 ってことはつまり……。「そう言うことね」 そう言うことね。「前世の記憶は戻っているの?」 と、聞いてみたら「前世って何よ?」 と聞き返される始末。  リリムに助けを求めると「例外はあるみたいだけど、基本的に前世記憶は十五歳にならなきゃ目覚めないわよ」 って言うんだからそんなもんなんでしょーよ。「あー……えーと、後で話す」 と、逃げを打った。  もちろん家に着いたからでもある。「ぼろっち」 カルホの最初の一言だ。  正直者め。  でも仕方ないじゃん。  道具も材料もない中一人で作ったんだから。  これでもひと冬越せたぞ。  さて、家に着いた僕は、クレタとカルホに手伝ってもらってハムやベーコン、魚の干物などをカゴに放り込む。  毛皮・なめし革は売り物になりそうな品質ではなかったので家に残したけど、食べ物だけでカゴいっぱいにしてもなおたくさん残っている。  もう一回戻ってこようかな?  なんて考えながら村跡に戻ってくると日の沈みかけた薄暗い中、テントの準備があらかた終わっていて晩御飯の準備もできつつあった。「おお、戻ってきたな」 商隊長さんがこっちに手
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見える人パート2

「こんな感じでどうかな?」 と、提示したソロバンを見て僕が眉間にしわを寄せると「ああ、読み方がわからないか?」 とか聞いてくる。  確かに前世記憶とごっちゃになっていていくらになっているのかよくわからないけど合計金額は分かっている。  前世では子供の頃そろばん塾に通わされていたから頭の中に算盤があるんだ。  そして、現世の記憶にあるキャラバンが毎年持ってきてくれていた物の値段と比較して、隊長さんが提示した金額が決して不当なものじゃないこともなんとなく理解できた。「それでいいよ」「よし、商談成立だな。で? 何が欲しいんだ?」「それはとりあえずいつも通り明日ってことで。飯にしよう」 と、提案する。  そう、キャラバンは商習慣として到着した日は村人との交流会を兼ねて宴を開き、翌日店開きをすることになっていた。「ふむ、そうだな」 ささやかな、本当にささやかな宴が開かれた。  なにせ村人は僕一人。  ほとんどおもてなしもできないので、家にとって戻ってハムを一つ持ってきて振る舞った  隊長さんには「自分で食う分は残っているのか?」 なんて心配されたけど大丈夫、もし足りなくなったら狩りに出ればいいしね。  宴の終わり頃、隊長さんは僕に七人の人を紹介してくれた。  村を焼け出された人たちだ。 先に紹介されていたクレタ(十一歳)とカルホ(九歳)。  夫に死なれた未亡人ヘレン・ボイサーさん(二十四歳)とその娘アニーちゃん(六歳)。  同じ村の出身でヘレンさんたちを助けたジャリ・バン(十九歳)とその友達ジャス・オン(十六歳)。  二人はヘレンさんの旦那だったアランさんの弟分だったようだ。  そして、襲撃のあった三つ目の村にいられなくなったらしいルダー・メッタさん(二十八歳)。 彼らの村は僕の村ほど徹底的に焼かれたわけじゃないらしいけど、それぞれ事情があってキャラバンに厄介になっているんだっていう話だ。  っていうか、気のせいかもしれないけど
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さらっと

 商隊長さんは、僕らを残してキャラバンの輪に入っていく。 あれ?  これってばていのいい厄介払い的な? とか思わなくもないのだけれど、とりあえず似たような境遇の八人は傷口をえぐらない程度に身の上話をして時間を潰していく。「で? 君はこれからどうするつもりなんだい?」 そう聞いてきたのはジャスさん。 …………。 めんどくさいので敬称は略そう。「とりあえずしばらくはここにいようと思うんだ」「何もないぞ、ここ」 とか失礼にことを言うのはジャリだ。  ……まぁ、事実なんだけど。  それにしたって僕がジャンでジャリにジャスとは……紛らわしいことこの上ない。「んーん……そうなんだけど、今の暮らしも嫌いじゃないし。ここを出ても生きていけそうにないし」 僕の目標はとりあえず生き抜くことだ。  それが神様から与えられたミッションだから。「一緒に来ればいいのに」 と言ったのはカルホ。  気楽でいいよね。「キャラバンに加わるのはちょっとねぇ」「何が問題なんだ?」 大人の配慮で言葉を濁したのにジャリが突っ込んでくる。  こいつ、僕より四つ年上のくせに思慮が足りないな。「逆に聞くけど、いつまでキャラバンにいるつもりなんだ?」「え?」「居候だろ?」「イソーロー?」 やべ、この単語は日本語か。「つまり、好意でタダ飯食わせてもらってるってことだろ?」 と、フォローしたのはルダー。「確かに、これだけあちこちの村が襲われているんじゃ商売も厳しいだろうな。言うなりゃ俺たちゃ穀潰しだ。手伝うにしたって商売のことはわかんねぇし護衛なんて務まらねぇ」 さすがルダーさんはわかってらっしゃる。  ジャリもジャスも下を向く。「あの……」 と、控えめに言うのはヘレンさん。  美人じゃないけ
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あっさり

「一人は寂しい時もあるから住むのは別にいいんだけど、何にもないとこだから大変だよ? まず家作らなきゃなんないし」「ジャンの家で寝ればいいっしょ」「いやいや、狭いから」 カルホ軽いな。  つか、今のニュアンスは北海道弁か?「住むとこは考えなきゃならないかもしれないが、俺もここらでキャラバンから降りたいと思っていたんだ」「ルダーさんも?」「何か問題でも?」 いや、問題ないっす。「俺は前世でも百姓だったんだ。春になったことだし、畑を耕したい」 あ・今この人しれっと「前世」言うたよ。「前世?」「ん? ああ、ヘレンさんたちには言ってなかったが、俺は前世の記憶があるんだ」「すげーすげー!」 カルホ、喜び方が小学生男子だぞ。「どうかね? ジャリ、ジャス」 疲れた顔して訊ねるヘレンに互いに顔を見合わせ考え込む二人。  そこにクレタがお気楽に言う。「八人いればなんとかなるっしょ。いんでない?」 あ、これやっぱり北海道弁のニュアンスだ。  つか、八人全員残ること前提かよ。「そうだな。オレたちにできることなんて畑仕事くらいか」「そうっすね」 あれ? このまま決まる感じ?  これ完全に隊長さんの思惑通りだろ?  くそっ、やられたな。  明日はふんだくれるだけふんだくってやる。「そうと決まれば善は急げだ。隊長さんに話つけてこよう」「ああ、それならわたしが……」「ねぇさん付き合います」 と、アニーを連れ立って四人が席を離れると、ルダーが小さく耳打ちしてきた。「お前も前世記憶持ってんだろ? つーか、オレが転生者だって気づいてたろ?」「……ええ、ルダーさんの妖精は?」「そんな奴はいねぇよ」 辺りをキョロキョロ見回す僕に呆れた顔を見せるルダーさん。  リリムは苦い顔をしている。
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長と七人の村人-前篇-

 宴もたけなわのうちにお開きとなり、僕は一度自分の小屋に戻る。  翌朝、日課にしていた午前中のルーティンワークをお休みにして、昨日持って行かなかったいくつかの商材を抱えてキャラバンの元へ行く。「来たな」 「これも」とハムや干物を押し売りしつつ、ざっと店開きしてもらった商品を眺める。  さて、どれくらい必要なものが揃えられるかな?  商隊長さんが提示してくれた今回の買取金額と昨日査定してもらった金額では買えるものなど高が知れている。  まずは金属器。  加工に技術が必要なのこぎりは、村の再建に必要不可欠だ。  あんなボロ小屋程度を廃材リサイクルで作ったにも関わらず完成までに一ヶ月かけた事を考えればこれだけは買わなきゃならない。「種も頼むぞ」 ルダーが後ろから声をかけてきた。「せっかくの畑を荒れ果てさせるのはもったいない」 そういえば「前世も百姓だった」って言ってたな。「大変だが、鋤鍬は最悪木製でいい」「じゃあ、コレで適当に見繕ってください」 と、指を立てて金額を教える。「む。なかなか厳しい額だな」 そんなこと言われても、先立つ物と欲しいもののバランスが……。「そういえば、みんなの持ち物ってどんなものがあるんですか?」 それを確認できれば無駄に買わずに済むものがあるかもしれない。「じゃあこっちも店開きしましょうか」 とヘレンさんが音頭をとって持ち物を店先に並べていく。 うむ、みんな万能ナイフは持ってるんだ。  いやいや、ジャスお前ちゃんと手入れしとけよ、サビだらけじゃないか。  ルダーのナイフはデケーな、ちょっとしたダガーじゃないか。  みんな旅行セット程度は持ってるんだな。  僕より全然マシだ……。 …………。 なんかいたたまれなくなってきた。「俺は百姓だからな、大概のことはなんでもできるぞ」
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長と七人の村人-後篇-

 売買が成立すると、キャラバンはそそくさと店仕舞いを始める。  例年だともう二、三日留まるんだけど、こんな村じゃこれ以上は商売になんないし、仕方ないね。「じゃあな、少年。一応来年も来るからな」 一応か。  来るって言ってくれただけマシかもね。  ここは襲われた村だし(もう半年も前だけど)ここに居続けるより移動した方がいいという判断なんだろう。 去り行くキャラバンを手を振って見送る八人の村人。「さて」 と言ったのはジャリだ。「村長を決めよう」 たった八人なのに?「ジャンでいいだろ」 と言ったのはルダー。  なんで?  年かさから言って代表やるならルダーだろ。「ここはジャンの村だったんだからジャンが長で問題なかろう?」 む・理屈ではある。「そだねー」 相変わらず軽いなカルホ。「私もそれでいいと思います」 と、ヘレンが賛同したらジャリもあっさり了解した。「じゃあ……そういうことで。よろしく」 なぜかクレタがしめる。  ……まぁ、いいか。「じゃあ、とりあえず注意事項から」「え?」 え?  何か問題でも?「普通はこれからどうするとかいう話じゃないのか?」「いい質問ですね、ジャス。実はこの村の雑木林の奥の森には『主』と呼ばれる存在がいまして、入っちゃいけないテリトリーってのがあるんですよ」「入ったらどうなるんだよ?」「十中八九帰ってこられません。もし命からがら戻ってこられたとして、五体満足で戻ってきたものはいないと……」「わ、判った。注意事項からでいい」 僕は、改めてざっくりと周辺地図を地面に書きながら危険な場所などを説明していく。「━━とまぁ、最初のうちはみんなで行動しながら覚えていきましょう。次に……ああ、続きは食事の支度とテントの準備をしてからということで」
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廃村復興0円生活-前篇-

 村長生活初日。  今日は男性陣が雑木林で伐採作業。  いつまでもテントで生活ってわけにいかないからね。  冬の間、僕は薪と新築用に一日一本切っていたんだけど、村人増えたら足りないからね。  ノコギリ一本、斧が三本。  ちょうど四人分だったね。  とはいえ、買ったばかりの新品の鋸はともかく、なまくらと化した斧で木を切るのはなかなか骨が折れる。  僕が暮らしてきた小屋の風除室を作る時に木を切った時はそりゃあもう大変だった。  女性陣は雑木林で食べられるものを採集。  僕一人だった時はかき集めた保存食と時々成功した狩りの成果で食いつなげたけど、八人の胃袋を満たそうと思ったらそうもいかない。  それに春だからね。  結構食べられるものがあるんだ。  雑木林の奥に行かなくても住むところに結構山菜の類が芽吹いているから、それを摘んでもらうわけだ。  日が暮れるまでに切り倒した木が二十本。 山菜は明日も食べられるくらいの量になった。  それを元の村の中央広場で大鍋に干し肉と一緒に放り込む。  鍋をかけた焚き火の灯りを囲んで大勢で食べる食事はあったかくていい。「明日は何をやるんだ?」 食事をしながらルダーが僕に聞いてくる。「うん、女性陣には今日とは別の場所で採集してもらう。男性陣は別行動だな」「別行動?」 うん、ジャス、いい反応だよ。「ジャリとジャスには今日切った木を村まで運んでもらう」「お前は?」 ジャリ、確かに君の方が年上だろうけど、一応僕、村長だよ?「僕は引き続き伐採」「俺は?」「ルダーには道具作りをしてもらおうと思ってる」「なるほど。で? 手始めに何を作ればいい?」 そこなのよね。欲しいものは当然いっぱいあるんだけど、何が最優先かそこの見極めがなかなか大変だった。「炭焼きの窯」「ほう!」 お・好感触だ。「スミってなんだ?」 おっと、そう
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