帝都からの招待状が届いたのは、ブライドが新皇帝に即位してから間もない頃だった。 金箔で縁取られた封筒には、皇帝の玉璽が押されていた。 封を切ると、荘厳な筆致でこう記されていた。『新帝即位を記念し、帝国貴族たちを招いた盛大な宴を開催する』 しかし、僕はその裏に隠された真意を知っている。 これは、ただの宴ではない。 小説の中で、ブライドが自らの権力を確立するために開いた、血の饗宴。 彼の即位に不満を持つ者たち、あるいは「従うふりをしているが、真に忠誠を誓っていない者たち」をあぶり出し、見せしめとして虐殺する場となる。 この招待状を受け取った貴族たちの中には、震え上がる者もいるだろう。 出席を拒めば、即座に「反逆者」として処断される。 宴に出ても殺され、出なくても殺される。 だが、僕は迷うことなく、その招待を受け入れることにした。「フライ様、まさか本当に帝都へ向かうおつもりですか?」 エリザベートが強い眼差しで僕を見つめていた。手には、帝国から届いた招待状を握り締めている。「うん、行くよ」 僕がさらりと答えると、エリザベートの顔が曇る。「ですが、これは……あまりにも危険です!」「知っているよ」 僕の言葉に、エリザベートの表情が一瞬で凍りついた。「やはり、フライ様はお分かりなのですね? フライ様はエルトール公爵家の当主であり、セシリア様との婚姻も噂されています。つまり、ブライド皇帝からすれば、一番危険な存在はフライ様です」 彼女は情報収集能力が高い。この宴が「粛清の場」であるという噂くらいは、耳にしているのだろう。「なぜ、そのような危険な場へ向かうのですか!? フライ様が処刑されるようなことがあっては、誰がブライド皇帝を諫められるというのですか!?」「大丈夫だよ、エリザベート」 僕は微笑みながら、穏やかな声で彼女の肩を軽く叩いた。「僕が殺されるようなら
최신 업데이트 : 2026-10-18 더 보기