成良視点朝。私はソファに座り、眉をひそめながら理安を見つめていた。彼は玄関ホールの近くに立ち、まるで何の悩みもないかのように、口にくわえたタバコの煙をゆっくりと吸い込んでいる。「そんな顔をするな」そう言いながら、理安がこちらへ近づいてきた。「私は夫を置いて、あなたと過ごすために来たのよ。エスコートしてくれるって約束したのに、どうして私たち二人だけの大切な場所へ、ほかの女を連れてくるの?」「もう欲しいものを買えるだけの金を渡して、さんざん贅沢させているはずだが」「でも、二人きりになれるって......」「くだらないことを言うな」理安は私へ煙を吹きかけ、隣に腰を下ろした。「最近のお前はつまらない。だから俺は玲奈を呼んで、刺激を足してやったのに......これはお前のためでもあるんだ。俺がもっと面白い女へ乗り換えないように」その言葉を聞いた瞬間、心臓が大きく跳ねた。理安に捨てられるわけにはいかない。そんなことになったら、今の生活をどうやって維持すればいいのだろう。貧しい男との結婚など、呪いと同じだ。楓己と結婚したことを、何度後悔したか分からない。確かに彼は魅力的な身体をしていて、夜の相性もよかった。けれど、金がなければ、そんなものに何の意味がある。楓己はいつも口先だけの約束をしていた。慎ましすぎる暮らしや、渡されるわずかな生活費について不満を言うたび、もう少しだけ待ってほしいと繰り返した。私にふさわしい暮らしさえ用意できない男と結婚したのに、そのうえ辛抱まで求められるなんて、図々しいにもほどがある。幸い、楓己は私の思いどおりに動かせた。結婚前から、私は外でほかの男たちと遊んでいた。彼では私が本当に望む暮らしを与えられなかったからだ。鈍感すぎる楓己に、浮気が知られることはなかった。結婚を申し込まれたとき、断るべきだった。あの機会に別れようとも思ったが、彼の魅力的な姿と、ベッドでどれほど私を満足させてくれるかを考え、甲斐性のなさには目をつぶることにした。金なら、外の男たちから受け取ればいいと思った。最初のうちは、それで何の問題もなかった。けれど、理安と出会ってから、すべてが変わった。これまで関係を持った男たち全員から受け取った金を合計しても、理安一人が私に使った金額には及ば
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