翌朝。見慣れない天井が目に入った。(あれ、ここはどこ?) ぼんやり考え。ここが瓢社長の家だと認識した途端、一気に意識が覚醒した。「んー……」 陽奈がもそっと動いた。「あれ…ママ。ここ、しゃちょーさんのおうち?」「そうよ。覚えてる?」「うん。ピカピカのおうち」 陽奈の適応能力のすごさよ。無邪気な笑顔を見て、私も自然と笑みがこぼれた。 身支度を整えてリビングに向かうと、すでに社長がキッチンに立っていた。「おはようございます。よく眠れましたか?」「あ、おはようございます」「しゃちょーさん、おはよ~!」 陽奈が元気よく挨拶すると、社長の表情がぱっと明るくなった。「おはよう、陽奈ちゃん。ちゃんと眠れた?」「うん」「お腹は空いてる?」「うん。すいた!」「じゃあ、一緒に朝ごはんを作ろうか」 社長は陽奈の手を取って、キッチンへと案内した。「陽奈ちゃんは、たまご焼きは好き?」「だいすき!」「よし、じゃあ一緒に作ろう。陽奈ちゃんはまぜまぜ係をお願いします」「はーい」 社長が陽奈に小さな泡立て器を渡すと、彼女は嬉しそうにボウルの中の卵を混ぜ始める。 その光景はまるで理想の家族そのもの。 危険な状況であることには変わらないのに。 なぜか微笑ましい朝。 心にゆとりができたのは、社長のおかげね。 自分で探したホテルに泊まっていたら、こうはならなかった。 一人で恐怖と闘っていたはず。 感謝しなきゃ。「相沢さんは、コーヒーでも飲みながら座っていてください」「いえ、私も手伝います」「昨日大変なことがありましたから、身体を休めましょうね」 社長に優しい笑顔を向けられた。 あまり親
Zuletzt aktualisiert : 2026-09-07 Mehr lesen