永翔の言葉が落ちると同時に、制服姿の警察官たちが扉を蹴破って踏み込んできた。「川瀬侑良はどこだ!」永翔が1歩前に出て、床でおびえきっている侑良を指差した。「あいつです。警察官の皆さん、私は川瀬侑良を恐喝詐欺の容疑で実名告発します。我々3人から現金3億円をだまし取りました。証拠もすべて揃っています」「3億だと!?」その瞬間、宴会場中が激しくどよめいた。永翔は秘書から書類を受け取ると、侑良が狂言拉致を仕組んで身代金を手に入れるため、犯人グループと結託していた真相を暴露した。その不正を裏付ける資料が次々と示される。床にへたり込む侑良は死人のように顔色を失い、唇を震わせた。「あり得ない……どうして知っているの……あなたたち、わざと……」仕組まれたわなだと悟った侑良は、目を血走らせて叫び狂った。「最初から知っていたのね!わざとやったのね!警察の方、こいつらが私を陥れようとして――」わめき散らす侑良は警察官たちに取り押さえられ、連行されていった。最悪の茶番劇は幕を下ろした。会場に残された招待客たちがざわめき立つ中、今夜を境に、侑良の悪辣な所業は世間へ余すところなく暴かれることとなった。侑良はまず病院へ搬送され、流産が確認された。2日間の監視を経て警察署へ移送され、本格的な取り調べを受けた。詐欺に加担した共犯の男たちも相次いで逮捕され、その供述によって侑良の余罪も裏付けられた。間もなく彼女は拘置所へと送られた。ただ1人、侑良に入れ知恵をした正田拓郎(まさだ たくろう)という男だけは姿をくらまし、警察がいくら行方を追っても足取りはつかめなかった。*同じ頃、セグレオン国。政也は、人混みに紛れれば見分けもつかないほど地味な男に視線を向け、薄く笑みを浮かべた。「正田、見事だった。次は別の身分を用意してある。私の代わりに、塀の中で侑良をたっぷりもてなしてやってくれ」「承知いたしました」一礼して立ち去る拓郎の背中を、政也は冷徹な眼差しで見送った。流産も、警察の逮捕も、ほんの序章にすぎない。塀の中こそが、侑良にとって本当の地獄の始まりだ。美乃里が背負わされてきたすべての苦しみを、あいつにも一から十まで味わわせてやる。*その頃、永翔、立貴、邦紀の3人もまた、それぞれ秘書に命を下
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