文化祭の代休が明けて、学校が始まりました。四人は、普通でした。幸也くんはふざけていたし、新太くんは鞄を持とうとしたし、久遠くんは半歩前を歩いたし、和樹くんは何も言いませんでした。誰も、後夜祭の話をしませんでした。当番表も、そのままでした。月曜は幸也くん、火曜は新太くん、水曜は久遠くん、木曜は和樹くん。誰も順番を変えようとしませんでした。変えたら、何かが壊れると思っていたのかもしれません。◇それを聞いてしまったのは、木曜日の放課後です。部室に置き忘れた資料を取りに戻って、四組の前を通りかかったときでした。教室の戸が、少しだけ開いていました。「——だから、全員言ったってことだろ」新太くんの声でした。私は、足を止めました。止まってしまってから、聞いてはいけないと気づきました。それでも、動けませんでした。戸の隙間から、夕方の光が廊下に伸びていました。中の四人からは、こちらは見えないはずでした。「なんで知ってんの」幸也くんの声です。「顔に書いてある」久遠くんでした。「お前ら二人とも、月曜からずっと変な顔をしてた。それと、俺も言った」「久遠も!?」「言った」しばらく、沈黙がありました。「……俺も言った」和樹くんの声でした。三人が、同時に何か言いました。よく聞き取れませんでした。「和樹が? お前が?」「うん」「嘘だろ。お前、そういうの一番しないタイプだろ」「したよ」また、沈黙がありました。長い沈黙でした。「……なあ」新太くんが、低い声で言いました。「俺たち、今まで一回も、この話しなか
Zuletzt aktualisiert : 2026-09-28 Mehr lesen