書物への異常な執着という現象は、コレクターの心理を研究する上で興味深いケースだ。
ある精神科医の分析によれば、収集行為そのものが安心感をもたらす一方で、所有欲求が満たされない際の不安感が増幅するケースがあるという。'
マリア様がみてる'の登場人物のように、本を友人代わりにする傾向が見られる場合、現実の人間関係が希薄化するリスクも指摘されている。
大切なのは、愛書活動が生活の質を向上させるのか、それとも他の活動を阻害しているのかを見極めるバランス感覚だろう。稀覯本を求めて借金を重ねるようなケースでは、専門家による介入が必要になることもある。