例えば『ユーリ!!! on ICE』のように恋愛描写がメインでなくても、選手生活や公の視線から逃れて二人だけの生活を選ぶ話は人気が高い。私は同人サイトやタグを追っていると、キャラクター同士の立場差や文化的な障壁を乗り越える過程をじっくり描く短編や長編が特に読まれていると感じる。『刀剣乱舞』や『進撃の巨人』のように、戦いや任務が恋愛を阻む設定だと、駆け落ちが“今しかない選択”として強いドラマを生む。禁忌や義務、身分差といった制約が大きいほど、読者はその解放感とその後の日常描写に魅了されるんだ。
コミュニティ的には、プラットフォームごとの傾向も面白い。短編やイラスト付きの断片が好まれるのはピクシブ、長編や設定考察を伴う作品はArchive of Our Own(AO3)で多く見かける。もちろん作品によってはファンの間で定番化した“ある一作”が駆け落ち二次創作の代表例として語られることもあるけれど、肝心なのはキャラの決断に共感できるかどうか。僕自身、理屈抜きで二人が選ぶその瞬間の熱量に惹かれてしまうことが多いので、また新しい駆け落ちものを見つけるたびにワクワクしてしまうよ。