参考にするなら、まずは作品ごとの描写のトーンを意識して欲しい。公式の断片からイメージを拾い上げるタイプの同人漫画、完全なキャラクター再解釈を試みる作品、ギャグや4コマで性格付けを軽く扱うもの——それぞれ参考になる点が違うからだ。僕はまず『東方紅魔郷』にある原典の台詞やボス演出を読み返して、
フランドルの“存在感”や能力の描き方を頭に入れた。そこから、長編で孤独や暴力性を深掘りする同人作品をいくつか読むと、どうやって作家が内面と能力を絡めて視覚化しているかが分かってくる。
次に、構図やコマ割り、心理描写のテクニックに注目してほしい。たとえば、フランドルの“翼”や“箱入りの扱い”を象徴的に使う作品は、視覚で性格を示す参考になる。僕が個人的に心に残ったのは、短編アンソロジータイプの同人誌で、フランドルの幼児性と危険性のギャップをコントラストで見せる手法が秀逸だったものだ。感情の起伏を小さなコマで積み重ねたり、重要な一コマに余白を使って静けさと不穏さを同時に出す表現は、長編を描くときにも応用できる。
色使いやデザイン要素も見逃さないでほしい。フランドルを描くときは、翼の色彩や瞳の描写で感情を表すことが多い。僕は複数の作家がどのように血の色や赤系のトーンを使って狂気と可愛らしさを同居させているかを比較して、自分のカラーパレットを決めた。最後に実務的なアドバイスとして、pixivのタグ検索やコミケットのサークルカット、既刊目次を眺めて気になる作風をストックする方法を薦めたい。ジャンルや描写の幅を知ることが、独自のフランドル像を作る近道になるはずだ。