好みで選ぶなら、僕はまず激しさ重視のアレンジを挙げたい。
'U.N.オーエンは彼女なのか?'の原曲が持つ狂おしいフレーズを、速いテンポとギターで豪快に再構築したデメトリ(Demetori)のアレンジは外せない。ギターとドラムの畳み掛けが延々と続く中で、原曲のメロディが金属的に光る様は、聴いていて身震いする。ヘヴィな音像を好むならまずここから入ると、
フランドルの持つ暴走感がダイレクトに伝わる。
対照的に、オーケストラ調のアレンジを作るサークルの手による版もおすすめだ。ストリングスやブラスで大きく膨らませることで、原曲の狂気が“劇場的”なスケールに変わる。僕はライブでこうした叙情的なアレンジを聴いて、キャラクターの内面が別の角度から見えた気がした。
どちらを選ぶかは聴き手の好み次第だけど、まずはデメトリの破壊力で心を掴み、その後にオーケストラ系で解釈の幅を楽しむ流れを試してみてほしい。これでフランドルの多面性を存分に味わえるはずだ。