ファングッズの人気傾向を眺めると、まず“癒し”と“追憶”のバランスが鍵になると感じる。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のような
可哀想な設定を抱えた作品では、冷たくなりがちな物語を温かく受け止めるグッズが強く支持されることが多い。
具体的には、手紙をモチーフにしたレターセットや復刻風のポストカードセット、登場人物が残した言葉を抜き出した小サイズのブックレットが人気だ。オルゴールや香り付きのミニボックスといった“記憶を呼び起こす”アイテムも好まれる。触れて安心できるぬいぐるみや柔らかなブランケットは、物語の悲しみを受け止めるための実用的な癒しとして購入されることが多い。
権利関係で難しい場合でも、象徴的なモチーフ(例えばある作品なら手袋やリボン、花のモチーフ)を用いたアクセサリーやブローチがファンの支持を集める。そうした小物は身につけることで静かに応援や追想を示せるからだ。自分もコレクションの一つひとつを手に取ると、その作品の時間を忘れずに持ち歩ける気がして落ち着く。