創作活動をしていると、この二つの違いがすごく実感できるんです。糊塗はあくまで現実逃避のための手段で、『アレ』とか『ソレ』って言いながら核心をスルーするテクニック。例えば『あの事件の後』って書けば、読者に具体的な説明を避けつつ雰囲気だけ伝えられる。
メタファーはもっと積極的で、『彼の言葉はナイフのように突き刺さった』とか、現実にはありえない表現で感情を増幅させる。SF小説で
宇宙船を『銀色の鯨』と呼んだりするあれは、単に隠してるんじゃなくて、新しいイメージを植え付けてる。
同じ『直接言わない』手法でも、糊塗が消しゴムならメタファーは蛍光ペン。どちらも表現の幅を広げる道具ですが、使う場面と効果が180度違うんです。作品作りでこの違いを意識すると、描写の奥行きがぐっと増しますよ。