驚かせたい場面なら、まず音の“落差”をどう作るかを考えるのが肝心だと感じています。僕は映画やドラマを観ながら、急に空気を断ち切るような一撃をいくつもメモしてきました。具体的には、重厚なブラスや低域のサブを一発で落とすタイプが効果的で、個人的には『Inception』の' Dream Is Collapsing'がおすすめです。低音の膨らみから一気に切り込む感覚が、視聴者に「今、何かが起きた」と直感させてくれます。
別のアプローチとして、じわじわと高まる緊張の末に短く鋭い断絶を与える方法も好きで、こうした演出には『Requiem for a Dream』の'Lux Aeterna'のような弦のビルドアップがよく合います。前半は不穏に引っ張っておいて、クライマックスで楽器を切り落とし、静寂──そこに短いドライなスタッカートを入れると視覚的ショックが増します。
古典的で雄々しい印象を狙うなら、ホルストの『The Planets』から'Mars'のようなリズムの断続とブラスの突き抜けを取り込むのも手です。音量や低音の処理、直前の無音をどれだけ長く取るかで効果が大きく変わるので、状況に応じて「急停止→スタッカート」か「ビルド→一撃」を使い分けると良いと思います。自分はこういう瞬間の設計が一番ワクワクします。