君に触れたい〜逃した未来は大きかった〜
御子柴弥一は結婚当初から妻であるかすみを疎んじていた。二人は望んで夫婦になったわけではない。祖母の八重子がある日妻にと連れてきた女が彼女だった。弥一は当時大学を卒業したばかりの22歳で、彼女の歳はなんと32歳。そもそも弥一には想い人がいた。なのに、好き好んでもいない、しかも十歳も離れたおばさんとの結婚などもちろん望むはずがない!しかし御子柴家の絶対的君主である八重子に逆らえるわけもなく、少しの辛抱と心に決め、従うふりをすることに。だが、始まりこそ最悪だったものの、案外その生活は悪くなく、何より彼女の作るご飯は格別だった。まあ、家政婦には悪くないか。なんて思っていた矢先、彼女が突然、姿を消した。