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六十六回許した末、私はサヨナラを告げた

六十六回許した末、私はサヨナラを告げた

葛城文宏(かつらぎ ふみひろ)は私と結婚するために、66回もの旅先プロポーズを企画した。 67回目で、私はついに彼の想いに心を打たれた。 結婚式の翌日、私は66枚の許しのカードを用意した。 彼が私を怒らせる度に、このカード1枚で許してあげるという約束だった。 結婚して6年、彼の幼馴染のせいで私を怒らせるたびに、彼は許しのカードを1枚ずつ使っていった。 64枚目を使った時、文宏は私の様子がなんだか変だと気づくようになった。 私はもう、彼に気に掛けることも、彼を頼ることもなくなった。 ただ、彼がまた幼馴染のせいで私を放っておいて出かけようとした時、私は彼の手を掴んで尋ねた。 「彼女に会いに行くなら、許しのカードを使っても構わない?」 文宏は足を止め、困ったように私を見た。 「好きに使えばいいだろ?あんなにあるんだから」 私は静かに頷き、彼の後ろ姿を見送った。 彼はまだ、許しのカードが限りなくあるものだと思っていた。 しかし、残りあと2枚しかないことを、彼は知らなかった。
Short Story · 恋愛
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散りゆく華に夢は醒めず

散りゆく華に夢は醒めず

結婚して五年目。深村直樹(ふかむら なおき)に愛人ができ、その女は妊娠した。 「智美はつわりが辛くて、酸っぱいものが食べたいんだ」 それ以来、立花青子(たちばな あおこ)は朝六時に起き、出来立ての梅のシロップ煮を作るようになった。 「智美(ともみ)は妊娠線が怖いから、新鮮なバラの入浴剤で毎日入浴したいって」 そうして、プライベートローズガーデンのバラは、青子の指先に刻まれた無数の傷と引き換えに摘まれた。 「智美は最近情緒が不安定で、お前のことをやきもち焼いてばかりいる。まずは偽装の離婚協議書にサインしてくれないか?彼女をなだめるためだ」 青子はカバンの中の検診結果を奥へ押し込み、顔色ひとつ変えずに署名した。 だが今回は、偽の書類を本物とすり替えたのだ。
Short Story · 恋愛
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春がここにある

春がここにある

「夏目美羽(なつめ みう)さん、こちらがご依頼の偽装死亡のプランです。半月後の結婚式のグローバル生中継当日に『崖転落事故』を演出されるとのことですね?」 「ええ」 スタッフは厳しい表情で確認した。「本当によろしいですか? 公開生中継での偽装死亡となると、現在の身分を完全に捨てることになりますよ」 美羽はプランを握りしめ、力強く頷いた。 「もう覚悟した」 ビルを出た瞬間、広場の巨大なスクリーンが美羽の目に飛び込んだ。浅間雅也(あさま まさや)が彼女を抱き締めながら婚約を発表する映像が流れていた。 颯爽とした男性と優雅な女性の姿に、通りすがりの車まで速度を緩めるほどだった。 映像の中の雅也は彼女を強く抱き締めていた。普段は冷徹な男が、この時は目を赤く染め、声を震わせながら宣言していた。 「今日こそが僕の人生で最も大切な日です。皆様に、来月僕たちの結婚式のグローバル生中継へご招待申し上げます......」
Short Story · 恋愛
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ボクらは庭師になりたかった~鬼子の女子高生が未来の神話になるとか草生える(死語構文)

ボクらは庭師になりたかった~鬼子の女子高生が未来の神話になるとか草生える(死語構文)

「辻沢シリーズ」第2弾 女子高生の夏波&冬凪が枯死した世界樹を建て直す話です。 舞台は『辻女ヴァンパイアーズ』から 20年後のメタバースがインフラ化した現代の辻沢。 20年前の辻沢町役場倒壊事故と辻沢町要人連続爆死事案の背後に 蠢いていた怪異に夏波&冬凪が巻き込まれるお話です。 『辻女ヴァンパイアーズ』のキャラもたくさん登場します。新しく辻沢町長になった辻川ひまわりと夏波&冬凪が共闘したりします。 レイカの大爆発スキルの真相も解明されるかもです。 全43万字の長編小説です。
ファンタジー
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沈黙の底に、あなたを忘れていく

沈黙の底に、あなたを忘れていく

情事を終えた後、神宮寺景(じんぐうじ けい)は満足げに立ち上がり、力が抜けてぐったりとした神崎佳奈(かんざき かな)を優しく抱き上げて浴室へと運び、体を丁寧に洗ってあげた。そして再び彼女をベッドに戻し、そっと寝かせた。 いつもなら、この時間には佳奈はもう目を閉じて眠っているはずだった。 でも今夜は違う。景のために心を込めて用意した誕生日プレゼントを、まだ渡していなかったのだ。 景がバルコニーで電話をしている間、佳奈はこっそりと隠しておいたプレゼント場所からプレゼントをそっと取り出した。 赤いベルベットの小さな四角い箱。その中には、彼女がプロポーズに使おうと準備していた指輪が入っている。 彼女は一歩ずつバルコニーへと歩み寄り、声をかけようとしたその時、突然そこで固まった。 テーブルに無造作に置かれた景のスマホから、驚愕した男の声が響いた。 「マジかよ!景、正気か!佳奈の心臓を詩織に移植するつもりなのか?」
Short Story · 恋愛
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幼稚園のイベントで、夫が幼馴染の息子の父親になる

幼稚園のイベントで、夫が幼馴染の息子の父親になる

幼稚園のファミリーデーで、夫である城崎剛は会社の用事を理由に参加を拒み、さらに私と娘の立夏にも行かないようにと言い出した。 娘のしょんぼりした顔を見ると、胸が痛む。結局、私は一人で立夏を連れて行くことを決めた。 幼稚園に到着した瞬間、目に飛び込んできたのは、片腕に男の子を抱き、もう片方の手で幼馴染の小山琴菜の手をしっかり握る城崎剛の姿だった。 笑顔を浮かべ、楽しげな雰囲気を醸し出している様子は、まるで本物の家族のようだ。 私と立夏の姿を目にすると、城崎剛は一瞬眉をひそめ、慌てて小山琴菜の手を放した。 「砂羽、誤解しないでくれ。小山さんはシングルマザーで、子育てがどれだけ大変か分かるだろう。今日は神楽ちゃんの5歳の誕生日なんだ。少し父親の温もりを感じさせたかっただけだ」 私は意味深な目を彼に向けると、静かに娘の小さな手を取り、優しく言った。 「立夏、叔父さんに挨拶して」
Short Story · ラノベ
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愛されている時は掌中の珠、愛されていない時は足元の泥

愛されている時は掌中の珠、愛されていない時は足元の泥

結婚の二週間前、田中陽介は突然、結婚式を延期すると言った。 「由美がその日、初めての個展を開くんだ。オープニングセレモニーは彼女一人だけだって。きっと心細いだろうし、俺が行って手伝わないと」 「俺たちの関係はこんな形式に縛られないだろう?結婚するのが一日早かろうが遅かろうが、何も変わらないさ」 でもこれで、陽介が高橋由美のために結婚式の日取りを延ばすのは三度目だった。 一度目はこうだった。由美が手術を終えたばかりで、故郷の食べ物が恋しいと言い出した。陽介は二ヶ月間も海外に行って、彼女の面倒を見ていた。 二度目は由美が深い山奥にスケッチに行くと言い出した時だ。彼女が危険な目に遭うんじゃないかと心配して、同行した。 そして、これが三度目。 電話を切った私は、向かいに座っている幼馴染の松本優斗に目をやった。彼は相変わらず、気だるそうな姿勢で椅子にもたれている。 さすが御曹司。手元のエメラルドがあしらわれた杖をリズミカルに大理石の床に叩きつけている。 「奥さんがまだ一人足りないんじゃない?」 結婚式当日、由美は軽い笑みを浮かべながらグラスを掲げ、男が乾杯に応じるのを待っていた。 けれどその男は赤い目をして、全国最大の不動産会社である松本グループの御曹司の結婚式のライブ中継を見つめていた。
Short Story · ラノベ
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だから、あなたの親友と四十年間浮気したぐらいのことで、離婚する?

だから、あなたの親友と四十年間浮気したぐらいのことで、離婚する?

夫のパソコンを整理する時に、あるフォルダーを偶然に開いた。 中には想像以上多くの大人向けの動画が保存されていた。 中で撮られた人は彼と、私じゃなくて、私の生涯独身でいる親友だった。 私は出産した後、彼の体が悪くなり、ああいうことができないと言って、私とはずっとセックスなしの関係を続けてきた。 40年間一度も触れられずに過ごしてきた。 一生懸命に、子供を産み育ててきたのに、結局すべてが嘘だったとは想像もしなかった。
Short Story · ラノベ
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汚れた愛の断捨離

汚れた愛の断捨離

写真館でウェディング写真を撮るため、夫の名前を伝えた。 スタッフは笑顔で親切にアルバムを二冊差し出してくれた。 不思議に思いながら一冊を開くと、そこには藤堂凌雅の凛々しい姿が映っていた。 一つ目の写真集では、私が花嫁だった。しかし、彼の表情は冷たくて、明らかに面倒くさそうだった。 そして、もう一つの写真集――花嫁は白石美玲。 凌雅は彼女の隣で、信じられないくらい柔らかく微笑んでいた。 スタッフも驚いた様子で、何度も頭を下げて謝ってきた。 私は気丈に笑いながら答えた。 「大丈夫です。ちょうどいいので、二冊とも持って帰ります。夫がまた来る手間が省けますから」 車に乗り、スマホを開くと、タイミングよく美玲が投稿したばかりのSNSが目に飛び込んできた。 【凌雅さんが「美玲がウェディングドレスを着ると世界一きれいだよ」って言ってくれた♡ 本当に幸せ~♪】 写真には、凌雅が片膝をつき、彼女にハイヒールを履かせている様子が映っていた。 その瞬間、私は全てがどうでもよくなった。 彼らがそんなに愛し合っているのなら、私は身を引こう。
Short Story · ラノベ
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彼の憧れた人

彼の憧れた人

熊谷智史が私にプロポーズした時、電話がかかってきた。 近くにいた私には、向こう側の声がはっきりと聞こえた。 「智史兄ちゃん、けがしたの、足が痛いよ」 「パチン!」智史は戸惑いなく指輪の箱を閉めて、「明日香がけがした、また今度にしよう」 そう言い残して、周りの人の驚いた視線の中で駆け出した。 私は明日香に会ったことはない、でも耳にタコができるほど彼女のことを聞いた。食事の時、智史は明日香が甘いもの好きを言い出すし、私が服を選び時には、彼女が薄紫色が好きだと知った。 このことでよく智史と喧嘩したが、彼はいつも、「お前は嫉妬心が強すぎるよ、誰だって憧れてた人くらいいるだろう?彼女は俺の過去だ、お前だけが俺の未来」 だから、私は自分に惚れていた清水俊也に連絡した。「結婚しよう」
Short Story · 恋愛
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