この先は縁もなく、それぞれの彼方へ
真言と千浬は結婚して五年、その五年間ずっと互いを消耗し合ってきた。
彼は外で女を作り、彼女も外で男を作った。
二人は約束していた──
遊ぶのは外だけにしよう、相手を家に連れて帰ることだけは禁じる、と。
しかし、千浬は結局その約束を破った。
女を家に連れ帰り、真言と離婚すると言い出したのだ。
けれど彼は知らなかった。
真言は二日前にすでに死んでいたことを。
夫の彼のために贈り物を用意しようとして、帰宅途中に車にはねられたのだ。
死の間際、彼女の前に現れたのは閻魔だった。
執念に囚われた彼女と閻魔は、奇妙な賭けを交わした。
七日のうちに、もし千浬が心から彼女に一度でも口づけをすれば、再び命を得ることができる。
そうでなければ、彼女は閻魔のもとに残り、彼の花嫁となる。
その賭けの勝算が、どれほど低いかは真言自身がよく知っていた。
結婚して五年、千浬は一度たりとも彼女に口づけしたことがなかったからだ。
たとえ数えるほどしかなかった同衾の夜ですら。
それでも彼女は諦めきれなかった......