時を分けて、君と別れた
【おめでとうございます。攻略対象との結婚の倦怠期を、完璧に乗り越えました】
【今回の報酬は、『タイムリープ』です】
【プレイヤーさんおよび攻略対象は、記憶を保持したまま過去に戻り、再び恋をやり直すことができます】
陽気なシステム音声が流れる中――律の心は、少しも晴れなかった。
彼女は呆然と、誠司の頭上に浮かぶ「好感度ゲージ」を見つめていた。
そこには、変わらず「100%」の数字が表示されていた。
――この人の愛は、偽物じゃない。
でも、どうしても理解できなかった。
こんなに彼女を愛しているはずの人が、どうして彼女に隠れて、他の女との間に子どもを作ったのか。
しかも――もう四歳だ。
四年間、ずっと黙っていた。
しかもその男の子は、彼女のことを「おばちゃん」って呼んでいたのに。