過ちの恋を越え、穏やかな未来へ
第一回全統共通テスト模試の後、クラスで一番可愛い子、暮地渚(くれち なぎさ)が私に成績を賭けさせた。
「点数の高い方が、幹生の彼女になる資格があるのよ!」
それを聞いた梅戸幹生(うめど みきお)は、鼻で笑った。
「もういい、渚。俺の恋愛に口出しするな」
そう言い放ち、みんなの前で私に告白した。
それを私は、長く胸に秘めていた片想いへの返答だと信じた。
みんなの冷やかしに背中を押され、頬を赤らめながら頷いた。
その夜、彼は私を家に連れて帰り、それから毎晩のように私を求めた。
出願校を決める前に、彼と同じ大学に行きたいと思い、彼の家を訪れたとき、ふと耳にした電話の内容がすべてを覆した。
「渚の言うとおり、写真も映像も準備できてる」
受話器の向こうで、渚が甘く微笑んでいる。
「さすが幹生、お疲れ。じゃあ、明後日の学校集会で、その映像をみんなに流そうね。
そうしたら鈴山沙耶香(すずやま さやか)が、どの面下げて名門校を受けに行くのか見ものだわ。
幹生、まさかとは思うけど、情は湧いてないよね?」
幹生は短く沈黙したが、最終的に応じた。
「あるわけないだろ。あいつが悪いんだ。お前より点数が高いなんて、生意気だ」
私は手にしていたオーダーメイドの指輪を捨て、スマホでメールを開いた。
一週間前に届いたイェール大学からの合格通知を受諾した。