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お前だけでいい 4

ผู้เขียน: 花室 芽苳
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-29 11:26:49

 そのまま仕事を終えると、鞄を持って急いでビルを出る。少しでも早く、彬斗《りんと》君のところへ行って彼を説得しなくては。

 そう思って目的地まで走り出そうとした時、誰かに後ろからガシッと腕を掴まれた。

「かな……っ、え? 横井《よこい》さんっ⁉」

 てっきり要《かなめ》だとばかり思ったのに、そこにいたのはとても怒った顔をした横井さんだった。どうして彼女はこんなにも怒っているの……?

「どうして主任は、何度も一人で危ない事をしようとするんですか? いつも隣にいる私や御堂《みどう》さんはそんなに頼りになりませんか?」

「私は別にそんな事……ただ貴方達を、これ以上巻き込みたくなくて」

 本当は分かっている、ちゃんと相談しない事で二人に余計な心配をかけているって事。それなのにいつも私は言えないでいるの。

「分かっていますよ、それくらい。だからって主任が一人で危険な目にあうのは構わないって思っているんですか? 今日の相手は、あの伊藤《いとう》さんなんですよね!?」

「どうして、横井さんがその事を……?」

 そう言えばデスクの引き出しに彬斗君からの手紙を入れたままだった。横井さんはそれを見て……?

「悪いとは思いましたが、主任の顔色が良くなかったので勝手に読ませていただきました。どうしても……伊藤さんの所に行くんですか?」

 コクリと頷く、私が行かなければきっと要に迷惑がかかるもの。

「じゃあ、私も一緒に行きます。主任がなんと言おうとこれだけは譲れません!」

 貴女を巻き込みたくないし、危険な目にもあわせたくない。これ以上、迷惑かけたくない……けれど何を言ってみても横井《横井》さんを説得できなくて。

 ……結局、今回も彼女にこうして助けられているの。

「主任、何かあったらすぐに大声を出すんですよ! ああいうプライドだけ高い男は、そういう悪い意味で目立つことを嫌うはずですから」

 店の外で横井さんからそう言われて考える。そう言えば確かに彬斗《りんと》君はそう言うタイプかも知れない、私はいつも彼の顔色を窺って過ごしていたから。

「けれど逆上する可能性もあるんじゃないかしら? きっとそうなったら手の付けられないタイプだと思うの」

「そこは、ほら……何とかなると思いますよ?」

 何故か一人で「うん、うん」と頷き納得してしまう横井さん。ねえ、あなた何か私に隠し事してない?

「横井さ
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