妹に婚約者を奪われました@忍びの里

妹に婚約者を奪われました@忍びの里

last updateآخر تحديث : 2025-10-08
بواسطة:  satomiمستمر
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 私の名は‘ヒバリ’。全体的に地味なので主な役割は諜報活動でも屋根裏などで耳を澄ますこと。 その妹が‘スズメ’は彼女は見た目から妖艶で目立つので諜報活動は私のようにコソコソとしたものではなく、堂々と夜会などに出席しその場で情報を得るのが仕事で、時には男性にその体を…ということもあるらしい。詳しいことは聞いたことがないが。そんな妹が私の婚約者である次期族長のコトラを私から奪った…。  私とスズメと次期族長コトラは幼馴染で、よく3人で遊んだり、修行をしたりしていた。でも―――。もう限界。私は里抜けをすることにした。

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الفصل الأول

第壱話 私の存在意義

 ここは忍びの里、影虎の里。大和の国と言われる中でもその場所は誰にもわからない。住んでいる我々すらも理解していない。

 私の名は‘ヒバリ’。全体的に地味なので主な役割は諜報活動でも屋根裏などで耳を澄ますこと。

 私には妹がいる。‘スズメ’。彼女は見た目から妖艶で目立つので諜報活動は私のようにコソコソとしたものではなく、堂々と夜会などに出席しその場で情報を得る。時には男性にその体を…ということもあるらしい。詳しいことは聞いたことがないが。

 私にはできないことを彼女がしている。

 里にはもう、女性が私達姉妹2人しかいないので私は次期族長の婚約者という立場にいる。私のような地味な女が婚約者で申し訳ない気でいる。

 私とスズメと次期族長コトラは幼馴染で、よく3人で遊んだり、修行をしたりしていた。スズメは昔確かに、「大きくなったら、コトラと結婚するんだー」と、言っていた。私は微笑ましくその光景を見ていたのだが。でも―――。

 ある日突然、長に呼び出された。

「次期族長と婚約破棄をするように。次期族長の婚約者には貴殿の妹が決まっている。貴殿の妹は次期族長の子供を妊娠していることがわかった。貴殿は貴殿の妹の補佐に回るように」

 そのように長から言われた。里の長からの言われた、というか命令だ。

 ―――妹が私の婚約者の子供を妊娠している?私はその妹の補佐を?

 私は何のためにこの里にいるのだろう?

 これまでさんざんこの里のためと思い働いてきた。

 里の皆ともよい関係を築いていたと思う。

 ここに来て、次期族長と妹の裏切り?

 そのうえ、次期族長の子供だからとその妹を補佐しないといけないの?

 私は夜の闇に紛れて‘里抜け’をした。

 抜け忍となり、命を狙われようともその方が生きている感じがする。

 翌朝、影虎の里ではちょっと騒ぎとなった。

 『ヒバリが抜け忍となった』と。

「嫌だ。‘ヒバリ’ってばすぐ感傷的になって、悲劇のヒロイン?里抜けなんかしてすぐに刺客に殺されちゃうわよ。私だったら、その方が嫌だなぁ」

 妹の言葉も実はすぐ傍で聞いていた。

 私が誰のせいでいなくなったのか、全く考えもしない発言に私は流石にもうどうでもよくなった。

 このまま本当に里を出ていこう―――。

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第壱話 私の存在意義
 ここは忍びの里、影虎の里。大和の国と言われる中でもその場所は誰にもわからない。住んでいる我々すらも理解していない。 私の名は‘ヒバリ’。全体的に地味なので主な役割は諜報活動でも屋根裏などで耳を澄ますこと。 私には妹がいる。‘スズメ’。彼女は見た目から妖艶で目立つので諜報活動は私のようにコソコソとしたものではなく、堂々と夜会などに出席しその場で情報を得る。時には男性にその体を…ということもあるらしい。詳しいことは聞いたことがないが。 私にはできないことを彼女がしている。 里にはもう、女性が私達姉妹2人しかいないので私は次期族長の婚約者という立場にいる。私のような地味な女が婚約者で申し訳ない気でいる。 私とスズメと次期族長コトラは幼馴染で、よく3人で遊んだり、修行をしたりしていた。スズメは昔確かに、「大きくなったら、コトラと結婚するんだー」と、言っていた。私は微笑ましくその光景を見ていたのだが。でも―――。 ある日突然、長に呼び出された。「次期族長と婚約破棄をするように。次期族長の婚約者には貴殿の妹が決まっている。貴殿の妹は次期族長の子供を妊娠していることがわかった。貴殿は貴殿の妹の補佐に回るように」 そのように長から言われた。里の長からの言われた、というか命令だ。 ―――妹が私の婚約者の子供を妊娠している?私はその妹の補佐を? 私は何のためにこの里にいるのだろう? これまでさんざんこの里のためと思い働いてきた。 里の皆ともよい関係を築いていたと思う。 ここに来て、次期族長と妹の裏切り? そのうえ、次期族長の子供だからとその妹を補佐しないといけないの?  私は夜の闇に紛れて‘里抜け’をした。 抜け忍となり、命を狙われようともその方が生きている感じがする。 翌朝、影虎の里ではちょっと騒ぎとなった。 『ヒバリが抜け忍となった』と。「嫌だ。‘ヒバリ’ってばすぐ感傷的になって、悲劇のヒロイン?里抜けなんかしてすぐに刺客に殺されちゃうわよ。私だったら、その方が嫌だなぁ」 妹の言葉も実はすぐ傍で聞いていた。 私が誰のせいでいなくなったのか、全く考えもしない発言に私は流石にもうどうでもよくなった。 このまま本当に里を出ていこう―――。
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第弐話 里を出る代償
「よう、スズメ」「コトラ」「これで、心置きなく二人で生活できるってもんだよな。族長の家系の子には必ず右の上腕にあざができるんだ」「へ…へぇー……」 ―――聞いてないわよ!この子の父親なんか誰かわからないんだから。確かにコトラとも体の関係は会ったけど、だからってコトラが父親とは限らないし。まあいいわ。右の上腕にアザね?あざがあればコトラとの子だって証明になるんでしょ?************「全くしつっこいわねぇ。しつこい男は嫌われるのよ?と言っても、影虎の里には女がいないのか、ご愁傷様」 そう言いながら、私は襲ってくる刺客をやむなく返却していた。 やむなくというのは、向こうは殺す気で来てるかもしれないけど、私にとって里の人間は皆家族みたいに優しくしてくれたから、あんまり傷つけたくない。 甘っちょろいって言われるかもしれないけど、私は人間臭いのかな?忍びには向いてないのかもね? などと思っていると、油断したのか刺客さんのクナイに塗られた麻痺毒が体に回ってきたみたい。 「ああ、これで私の人生終わるのかなあ?」なんて思っていたのに、刺客さんは外部の人間に私のその後を託したようで、そのまま去って行った。 そのあとは意識がプッツリと切れてしまった。「ほい、この子は新しい俺らの仲間だ。この子が元居た里の男に託された。『後を頼む』ってな。そいつはこの子の刺客だったのかねぇ?この子が何をしたのか知らないが、物騒だな」 目を覚ました時に咄嗟にクナイを男の首に突き付けてしまった。「何者なの?」「俺達は抜け忍とかあぶれた人間が集まる集落を形成している。俺の名前はまあ‘リク’だ。お嬢ちゃんをあの刺客?から託された」「ああああああああ!」 私の代わりにあの人が里を裏切ったとして殺されてしまう。あの人だって、私を育ててくれた大事な家族なのに!私はちょっとしたパニック状態に…。「その人はどこへ行ったの?」「どこかへ消えていったよ。忍びの里には戻れないだろうし、違う土地で新しい生活を始めるんじゃないか?」 それなら私と一緒に来ればよかったのに。「お嬢ちゃん、名前は?」「‘ヒバリ’」「うん、なんか諜報活動しますって感じの名前だね。まあそれはともかくとして、元気になったなら働けよ。この集落は『働かざる者食うべからず』だ」 働くといっても…。今まで働く
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第参話 影虎の里の闇 
 私はリクに影虎の里での話をした。「なんだそれは!ありえねー‼かなりの浮気じゃねーの?里に女が2人しかいないから長の血を残すため?馬鹿じゃねーの?」 リクは私の分までかかなり憤ってくれた。「それとなぁ、俺達の情報だとヒバリの妹さんのスズメだっけ?かなり男と関係を持ってる。これは確かな情報だ。今、妊娠してるって話だけど本当に次期族長の子なのかも結構アヤシイと俺は思うぞ」「情報をありがとう。その情報あるなしに関わらず、あの子ね「嫌だ。‘ヒバリ’ってばすぐ感傷的になって、悲劇のヒロイン?里抜けなんかしてすぐに刺客に殺されちゃうわよ。私だったら、その方が嫌だなぁ」って私がいなくなった時に言ったのよ。私の心配とかじゃなくて。スズメが誰と関係を持とうといいのよ。事実は次期族長のコトラすらも私よりもスズメを信じ込んだのよ。長も信じ込んだ。これが全てよ。だから私は里を捨てた」 無意識に握りしめてしまった拳からは少し血が滲んでしまった。「なるほどなぁ」言いながらも、リクは私の手の処置をしてくれた。影虎の里だったら誰もしてくれない程度の傷なのに。「俺が思っているよりもずっと影虎の里の闇は重いのかもな。もし、スズメの腹の子が長の血を引く子じゃなかったら、影虎の里は内部崩壊だな」 私は黙ってしまった。 私は里に2人しかいない姉妹の姉だから長の息子の婚約者だった。『姉だから』とただそれだけだ。「まあこの集落でも諜報活動はあるから働ける。生きる術については本当に追々だな」 面目ないです。 集落のまとめ役のような方とも面会をし、私はこの集落に受け入れられた。「あら?貴方!」「お久しぶりです。影虎の里を抜けてから久しいですね。あれから、死にかけのところをこの集落の方に救って頂いて…」「そうだったの?命が助かって良かったわ。最近目にしていないと気には留めていたのよ?良かったわ、生きていて」 この世界、『掟を破ると命はない』みたいな風潮があるが、私もそうだけど抜け忍の皆が生きていればと強く願う。私を育ててくれた大切な人達だから。「オイオイ、元同じ里?」「私を育ててくれた大切な方です。どんな形であれ、再会できてこんな嬉しいことはありません」「影虎の里の闇については聞きました。あの里も、この代でもうおしまいでしょう」 そうでしょうね。あの里に女性が2人しかいなかっ
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第肆話 初仕事 ① 
 私はリクの指示に従い、使用人としてこの邸に忍び込んでいる。私は使用人としてどうなのでしょう?調理も不可能。掃除洗濯は未経験。アリなんでしょうか? 一体リクはどのようにして使用人として私を潜り込ませているのか不思議です。 数週間も使用人をしていると、自然と洗濯くらいはできるようになりました。掃除は…突然無駄に力を入れてしまって窓ガラスを破損してしまったりしたので、侍女長より掃除一切を禁止されました。 よって今の私にできることは洗濯のみです!  いけない。本来の目的を忘れるところだった。オクサマの不貞相手の特定だったわよね。たまにやってくる宝石商の男が怪しいと思うのだけど、使用人達の間では他の男の話が持ちきり。 なんでもその男と二人きりで部屋に入り、数時間そのまま、通りすがりの使用人の中には嬌声を聞いたという人もいる。 私は宝石商が怪しいと睨んだけれど、使用人達は他の男みたいね。その根拠は、宝石商の男ってのはオクサマの好みではないだろうという話だ。 オクサマの好みは『背が高く筋肉質で知的な』男性という話だ。 使用人が居を正すような人間がいらしたようだ。今、邸の主人は出払っている。 『背が高く筋肉質で知的な』男性は今日もオクサマと部屋に籠った。 昔から聞き耳を立てるのは慣れている。―「奥様、約束のものは用意していただけましたか?」―「はいぃ。ここに」 怯えてるんじゃなくて、クスリ?いや違う、カラダでなんとかした?『約束のもの』って何だ? このままあの男を尾行しよう。 私は尾行することにした。昼間に尾行をするのは初めてだがうまくいくだろう。私は怪しまれないよう、中央の総菜屋の袋を片手に行動をすることにした。 男は郊外の邸へと入って行った。この邸も有名な華族の邸。その下男というわけか?『約束のもの』とは? 私はその邸の主と会うのであろう主人の執務室の外の窓から聞き耳を立てることとした。「これがあの家の弱点になり得るものの詳細でございます」 なるほど、華族同士の争いかぁ。醜いなぁ。「よくやった。褒美をやろう」 邸の主人は机の引き出しから拳銃を出し、使いに使った男を始末した。 うわっ、汚い。吐きそう。人道に反する。 私は集落に戻り、事の顛末をリクに伝えた。「つまり、華族同士の争いでオクサマは敵対する華族の邸に勤めていた男と体の
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第伍話 初仕事 ②
 のんびりした生活を送ろうとしていたのに、使用人の噂話は絶えない。 オクサマはまた、他の男と逢瀬を重ねているらしい。「え?以前の方はどうしたのですか?」「あぁ、なんだかこの邸に来なくなったから、つまんないらしくて今の男に手を出してるみたい。どうしてあんなに淫乱なのかしら?」 それは私もわからない。性の快楽というやつに溺れまくっているのではないかと思うのだけど? リクに「今、オクサマが浮気している相手についても調査が必要なのか?」と鳩で手紙を送っておいた。 普通に聞けることじゃないし、場所もわからないし、鳩なら他人に知られることもないだろうし。 リクからは「続けろ」と非常に短い文が帰ってきた。怒ってる? 今回の男も前回の男のように『背が高く筋肉質』な男のよう。ただし、知的ではない。いったいどこで見つけてくるのだろう?「オクサマももっと慎ましやかだったらいいのに。って文句を言っても私達の給金が上がるわけじゃないわよね」 うーん、この邸の主人はどうしてオクサマと離縁なさらないのでしょう?「オクサマと離縁なさらない理由でもあるのですか?」「もうっ、スズったら非常識ねぇ。オクサマの実家はあの右江財閥よ!」「はあ、それでご主人からは離縁を言い出せないのですね」「そうよ」 華族も大変なんだなぁ。だからって、性に奔放な奥方は嫌よね。 前回よりもあっさりとわかった。 男は貧民街で暮らしている。オクサマは『太郎』と呼んでいる。本名なのかは知らない。 出会いはオクサマが買い物に出かけた時に、道端にしゃがみこんでいたこの男をオクサマが保護したそうだ。 身なりを整え、湯浴みをさせると、アラ不思議イケメンの完成。 オクサマはこの男に首っ丈になった。 男の方はオクサマに会いに来ると、食事にありつけ、湯浴みができるので、次第に弟妹達を連れてここへと来るようになった。 オクサマは「二人で会いたいのよ」と男に言い、それからは男が一人で来るようになり、体の関係を持っては、男に少量の金を渡すという関係となった。 私は集落に戻り、またこのオクサマの実家のこともリクに話した。離縁してしまえば…と思ってしまうのだが、そう簡単にはいかないところが難しいらしい。「オクサマを地下牢に監禁してしまうというのは?」「人の口には戸が立てられない。必ず噂になり、オクサマの実
last updateآخر تحديث : 2025-10-01
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第陸話 少しの間の平和
 集落でも私は洗濯は完璧にできるようになった。 掃除は……力加減がうまくできないから、なかなか集落の皆さんの許可が下りない。 調理についても力加減ができず、まな板まで真っ二つにしてしまったので皆さんから白い目で見られている。ただ、刃物を研ぐのは褒められた! 調理で使っている包丁などの調理器具の刃物を研ぎまくりました。皆さんの役に立ちたくて。「おい!ヒバリ‼やる気になって包丁を研ぎまくってご苦労様…と言いたいところだが。全部、刺身包丁かよ?めっちゃ切れ味がいいのは良いとして、刃の部分が減りすぎだ。あれじゃあ、西洋の『ないふ』というやつだな」 ダメ出しを食らいました。「では、包丁を研ぐのも禁止でしょうか?」 役に立つことがあったと思い、浮足が立ってしまったのは事実です。「いや、切れ味はいいからな。以後注意してくれよってだけだ。切れ味が悪い刃物は危険だからな」 確かになぁ。無駄に力が入ってどこにその力が向いていくのかわからないんだよね。 リクがよく「ヒバリ!」と話しかけてくれるので、集落の皆様にも私の名前が定着したようです。もう余所者ではなく、集落の一員となった感じです。 本当にここにはいろんな方がいらっしゃいます。 私のように忍者だったけど里を捨ててきた方、離縁できないので家出という手段に出た方(女性)。この方は法的に未だに婚姻状態にあるのではと危惧されていました。他にも、山の中で迷子になった方、自殺願望で山に入ったところこの集落に辿り着いた方等。 千差万別で、得意なことも不得意なこともその人次第です。 そういえばリクはどうしてこの集落に? リクは私の事を知っていますが、私はリクの事を全然知りません。初歩的なところで、何才なのかしら?「リク、リクはいったい何才なの?見た目年齢じゃ測れないわ」「おっ、俺に興味アリ?何才に見える?」「そんなんじゃないわよっ!ただの興味よ。見た目なら20歳前後かしら?」 私がこんなでも18才だし、そのくらいかなぁ?「そうだなぁ。内緒なのもなんだしな、ただの年齢聞かれただけだし」「そうよ!ただの年齢よ‼」「そこまで力一杯言わなくても。ハハハッ、俺は22才だ。ヒバリの予想はまあ当たってるんじゃないか?」 見た目通りの年齢…。つまらなくもあるけど。まぁ平和的かな?ここで40才とか言われたら、他人を見る
last updateآخر تحديث : 2025-10-02
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第漆話 裏切者さん達について考える 
 この集落に『裏切者』がいる。 もちろん顔には出していない。笑顔で元気に洗濯をしている。 気配を感じる。リクも感じているようだ。 この集落の人間を無差別に狙っているの?「ヒバリ!ヒバリが研いだ包丁は絶好調‼皆の美味しい料理に繋がるよ。ありがとう!」 なんだか照れる。 今までは自分のクナイを研いだりしていたし、自分の行いから他人に感謝されることはなかったから。 何故だろう?否定はされたけど。 主に妹から。 あの子は私の事が好きじゃなかったのかな?  あー!暗くなるから、昔の事を考えるのはやめよう! ここに来てからもう半年は経つかなぁ? 華族の邸に潜入調査でいなかったりして、あんまり長いことこの集落に在籍しているっていう実感がまだわかないなぁ。***********~裏切者視点 ここに来てもう一年以上。 私がこの集落に潜入しているなんて思いもよらないでしょうね。 ちょっと前に相方もこの集落に来た。 標的は集落をまとめ上げているあの男!リクと名乗っている。 相方には妙な気配がダダ洩れだから気を付けるように言った。 何しろここは抜け忍なんかもたくさんいる。そのての気配に敏感な人もいるんじゃないかと私は思う。 その標的のリクだけど、年齢以外の素性が全く不明。 標的にしている理由はこの集落からの情報収集で、私と相方が住む村が無くなった。 ちゃんと領地経営をしていなかった領地様が悪いから完全なる八つ当たりだけど、誰かに当たらなければやっていけないくらい心に深い傷を受けた。 この村からの情報がなければずっとあのまま平和に暮らせたのに…*********** うーん、裏切者さん達の意見も誰が裏切者さんなのかもわかったけど、こんなのはどうすればいいの? リクの命でどうにかなるもんじゃないでしょ? 本当に八つ当たりだ。 リクに相談!「裏切者さん達は完全なる八つ当たりで、リクを標的にしてる。それで、リクを殺しても村は帰ってこないのにどういうことだろう?」「八つ当たりなんだろう?」 リクは淡々と応えた。「せっかくだから、裏切者さん達の話を聞くってのはどうかな?」「逆上して襲い掛かってくるぞ?」 やっぱそうなるかなぁ?どうにか上手くやっていきたいんだけどなぁ。「これだけ人が集まれば、反りが合わないやつもいるだろう。全員
last updateآخر تحديث : 2025-10-03
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第捌話 スズメの出産
 余裕よ。もう臨月。うふふっ、もうすぐこの里を私が支配するのよ!「スズメ、体調は大丈夫か?」「平気よ?貴方の子だもの。必ず元気に生まれてくるわ!」 大丈夫よ、必ず右上腕にアザのある子が生まれてくる。 突然の破水。「ただちにスズメのお産の支度をするように。スズメ、申し訳ない。この里に残されているのは年老いた老医師(男性)のみなんだ」「そんなことは気にしませんわ。それよりも、長の大事なお孫さんになる子ですよ?元気に産んで見せます!」「お、おう」 なによ、ものすごく痛いじゃないの? なんなの? これだから、男ばっかりの里はダメなのよ。助産師もいないの?産婆さんも? まったく使えないわね。私が出産するんわかってるんだから、手配くらいしてよね! って痛いじゃない! そうこうしているうちに元気な男の子が生まれた。「コトラ!私はやりましたわ!男の子ですって!これで里も存続しますわ」 右上腕にアザが見当たらなかったので、その辺の花瓶を割って傷をつけ、直ちに止血した。「スズメ、本当にゴメン。お前を試したというのもある。長の家系にあるアザは右上腕ではなく、左上腕なんだ……」 コトラは自分の左上腕部にあるアザを見せてくれた。「これはどういうことか説明してくれるか?全くアザの無い子供が生まれたのではないか!」 長もお怒り。当然のこと……。 それからというもの、私達親子は一応は里の中で暮らしている。 でも、私の事は「阿婆擦れ」という目で見ているし、息子もその阿婆擦れの息子として二人で針の筵のような生活を強いられるようになった。 里の中にも私と関係を持った人はいるけど、知らぬ存ぜぬで全くこっちを見ない。 とにかく影虎の里は混乱状態になった。 今後、跡継ぎはどうするのか?女はもういない。里抜けをしたヒバリ……。を思い出したが、里抜けをしているわけで、今更子供を産むために帰って来いとは言えない。「この里は無くなる運命だったんだ」と長は言う。 女性の数が激減した時点でもう運命の歯車は回り始めていたのかもしれない。
last updateآخر تحديث : 2025-10-04
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第玖話 裏切者さん達を理解しよう
 どうしたら裏切者さん達とも仲良くできるんだろう? 最初にここにいた人とはうまくやっていけると思う。多分。 問題は変な気配ダダ洩れの後から来た人はどうだろう? あんまり知らないのがいけないかな?あの人の事をもっと知るように努力しよう。得意なことはなんだろう?包丁研ぎとか、私とかぶったらヤダなぁ。不得意な事は?「ね?貴方、最近ここに来た人よね?貴方は何が得意なの?私は……包丁研ぎのみかなぁ?あと洗濯!なんかねぇ、掃除は力加減ができなくてそこらのものを壊しちゃったりするし、料理は出来ないから。料理についてはほら、力加減できなくてさぁ、まな板を真っ二つにしちゃったんだよね。それからは、この集落の皆さんに料理は禁止されちゃった」 自分で言ってて空しくなるような大告白。 この人は応えてくれるかな?「俺は…何が得意なんだろう?」「わからないなら、皆で探そうよ!きっと見つかるよ。私だって試行錯誤で見つけたんだから!やっぱさぁ、皆の役に立つっていいよねぇ」 この男は少しは絆されてくれただろうか? 不穏な気配は少し緩和された。…ような気がする。 さて、前からいた裏切者さんですけど、どうやって接触しようか?「あの…私に掃除の仕方を教えてくれませんか?未だに力加減で掃除は禁止されているから、どうにかして掃除でも皆さんの役に立ちたいんです!」「そうねぇ、まずは力加減を覚えましょうか?この雑巾を絞ってもらえますか?」 私は何気なく雑巾を絞った。「ふぅ、なるほど。雑巾がなんだか『キズモノ』って感じね。そうねぇ、雑巾が上手に絞れるように力加減できるといいわね」「わかりやすくて、いいです!頑張りますっ!」 その後、私はなんとか『キズモノ』の雑巾を作らないように絞る事に成功した。「できました!どうです?」「はぁ。まだ掃除に片足突っ込んだようなもんですよ?その雑巾で天井磨きをしてはどうでしょう?天井ならばちょっとやそっとじゃ壊れないでしょう?雑巾を『キズモノ』にしてはダメですよ」 なかなか難しい課題だ。「おいおい、ヒバリ!何をしてるんだ?」「雑巾で天井磨きです!」「それなぁ、多分教えてる奴のイヤガラセだぞ?天井磨きなんかそうそうしないからな。雨が降れば汚れるし、堂々巡りみたいなもんだ」 なんてこと、裏切者さんの中でも古参の方に嫌がらせをされてしまいまし
last updateآخر تحديث : 2025-10-05
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第拾話 集落の規則
 そんなふうに、裏切者さん達との距離を詰めていき後から合流したと思われる男の方は完全にこの集落に馴染んでいきました。 当初感じられた不穏な気配ももうしません。「あんたが腑抜けだから、私が一人ででもやり遂げるよ」 そう言って古参の裏切者さんは刃物をリクに向けました。 動揺するならば、『可愛いな』とか思えますけど、全く動揺する様子がありません。 リクは自分に向かっている刃物を掴んで「俺が死ねば全てが元通りだと思ってる?もう変わってしまったものは戻らないんだよ」と言って、裏切者さんに詰め寄った。慣れてる?「私だってわかっているさ」 と、言って女は刃物から手を離しました。 私はすぐにリクに近づき、切れてしまった手の治療をと思ったけど、少ししか切れていなかった。「あー、包丁だろ?動かせば切れるけど、ただ垂直に力を入れただけじゃ切れないよ、ほとんど。とはいえ、ヒバリが研いでるからちょっと切れたなぁ。考えが甘かったか」 甘かったって、私は骨まで肉が切れてるんじゃないかってすごく心配したのに、その言い方!余裕過ぎてなんだか心配損みたいな気がする。 とはいえ、少しは切れているから、その手当てはする。 結局裏切者さん達は心落ち着かせたようで、二人ともこの集落に住み続けるようです。……帰る村はないし。  そうなった原因となるリクが情報を渡したという事ですが、それだってこの集落でリクが生きていくために必要だったことですし、決してリクの私怨でのことではないでしょう。…多分。 リクの事をあまり知らないので、深いことは言えません。 情報を欲しがっている人に情報を提供することはこの集落で生きていくための術となる。情報を渡すこと場所は結構目立つ場所。誰が渡したのかは依頼主にはわからない。 そもそもが依頼主だって都市伝説的なものを想定しているんだろう?そしてもらうものはもらう。依頼主の金庫なりから、お金を頂戴する。 そのお金で食べ物などの生きるのに必要な物を買って集落に帰る。 その際に尾行でもしようとしたら、命はない。集落の場所はあくまでも外部には漏らさないのが暗黙の規則となっている。 そんな理由なので、私が前回不用意に伝書鳩などでリクと連絡を取ろうとしたことにリクは怒ったのだ。 鳩の行方で集落の場所が特定される可能性もある。 この集落には本当にいろんな人
last updateآخر تحديث : 2025-10-06
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