知らないまま、愛してた

知らないまま、愛してた

last updateLast Updated : 2026-01-27
By:  酔夫人Updated just now
Language: Japanese
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Synopsis

現代

強いヒロイン

CEO・社長・御曹司

メイド

一夜限り

誤解

新月の夜、花嶺桔梗は純潔を失い、家族と婚約者に捨てられた。そして彼女は家政婦の東国美香として生きていくことを決めた。

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Chapter 1

1.

……嫌だ。

嫌だ。

やめて。

痛い。

やめて。

放して――。

「いやああああああ!」

突き飛ばされるような感覚で目が覚めた。

咄嗟に自分の体に触れる。

パジャマを着ている。

ベッドサイドの仄かな灯り。

ホッとすると同時に、泣きたくなる。

あの悪夢のような夜から、二ヶ月。

忘れるべきだと自分に念じていたことが功を成したのか、暗い夜への恐怖心は少しだけ薄まり、少しだけ寝られるようになったのに……。

「なんで……こんなことに……」

ずっと、生理がきていなかった。

もしかして、と思った。

心当たりもあった。

ネット通販で、妊娠検査薬を購入した。

念のために、二本。

朝、一本目を使って検査をして、陽性だった。

間違いに違いないって、祈るような気持ちで、数時間前に二本目の検査をした。

結果は、変わらず陽性。

私は、妊娠している。

思い出すのは、新月の夜の、真っ暗な部屋の中でのこと。

乱暴に下着をおろす大きな手。

まるで獣のような荒い呼吸。

逃げようにも男の力には適わず、助けを求めた叫び声は「煩い」とただ一言で口をふさがれた。

その先は、ただ怖かった。

「やめて」と乞い願うのが精一杯で、助けを求める声も出なかった。

なにをされるか分からない子どもではない。

必死に抵抗するものの、足は開かれ、男は乱暴に押し入ってきた。

そこから先は、ただ痛く、苦しかった。

無理やりの行為は息ができないほど痛く、まともに呼吸をできず、力づくで押し込まれたものに内臓が押され、体の中がぐちゃぐちゃにかき回された。

激痛と息苦しさで、何度も意識が遠のいた。

意識が最後まで保たれていたのは、逃げたいという本能が残っていたからだろう。

長い間揺さぶられ続けて体の感覚が麻痺しても意識を失うことはなかった。

意識を失ったほうが、よかったかもしれない。

記憶は曖昧なのに、体の中に男の精が放たれる気色悪い感触が、忘れられない。

何度も中に精を放って男は満足したのか、男は突然倒れ込んできた。

悲鳴を上げて男を押しのけ、距離をとろうとしてベッドから落ちた。

静かな暗闇に響くのは私の荒い呼吸、そしてもう一つは穏やか寝息。

寝たと理解した瞬間に沸き上がったのは憎悪。

私を凌辱した男を、殺してやりたいと思った。

しかし、人を殺すことなんて今まで考えたことなく、中途半端なことをして男を起こしてしまうことが、その先何があるか、何をされるかのほうが怖かった。

逃げよう、と思った。

下着は奪われ、どこにあるかも分からなかった。

暗闇の中で下着を探すことは諦め、汗を吸って冷たくなった服は気持ち悪かったけれど、なんとか身なりを整えて、全てをコートで覆い隠して部屋を出た。

逃げ出す直前、扉の前に落ちていた自分の鞄を蹴飛ばしたのは、運がよかった。

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