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恋のマッチアップ18

Author: 相沢蒼依
last update publish date: 2025-12-23 07:56:29

***

(笹良のために立てた俺の計画、予定通りにいかなすぎるだろ)

笹良と勝負をかけて誓い合った次の日、バスケ部の連中を前にして、イップスにかかっている経緯を、笹良自身の口で説明した。

『イップスが治るまで、皆さんの練習の邪魔にならないように、これから自主練します』

という言葉を聞いたバスケ部のメンツは、誰ひとり文句を言うことなく、拍手で笹良を応援。病気のことを包み隠さず語ったことや、それまで真面目に練習に参加していたのもあり、同じ空間で互いを切磋琢磨すべく、それぞれ練習に励んだ。

その甲斐あってか、1ヶ月計画で俺が考えたイップスの治療のメニューを、わずか2週間でこなしてしまった笹良に、好きという想いがさらに増えてしまったのである。

(あーあ、俺の予想を超える天才ぶりに、周りが気づきはじめちまったじゃねぇか)

自主練していた笹良の動きに目をつけた先輩のひとりが、練習試合に参加してみないかと、誘ったのがきっかけとなり、現在は主力選手に混じって練習するようになった。

「加賀谷、よくぞ笹良のイップスを治してくれたな」

笹良の放つスリーに見惚れていたら、隣で試合を眺めていた先輩に声
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    ☆ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒ ベッドの上で仰向けになっている橋本は、喘ぐ呼吸もままならない状態だったが、懇願せずにはいられなかった。抵抗すると、それ以上に責められることがわかっているので、シーツを握りしめて我慢する。「ううっ、頼むから雅輝、恭介にメッセする気力っ…くらいは残してくれ、よっ」 橋本の自宅に到着後はじまった行為は、いつも以上にネチネチしたもので――。「だって陽さんがカッコいいせいで、俺の性欲が高まりつづけて止まらないんです」「勝手に高まるな! しかもっ、俺の躰がおかしくなるような責め方をするなって」「でも気持ちいいんですよね? さっきから中がヒクヒクして、俺のを気持ちよくしてます」 あきらかにつらそうな顔の橋本を見ながら、宮本は腰をゆっくり前後に動かしつ、意味深な笑みを唇に湛えた。「それはおまえが狙い撃ちするからだろ、変になるっ、ンンっ」「だって陽さんが気持ちいいと、俺も同じ気持ちになるし。もっと変になって」 橋本の両膝を易々と持ちあげるなり、そこを狙ってぐいぐい突っついた。「やめっ、そこばか、りっ」 下半身を捻って宮本の動きをやり過ごそうとした橋本に、自身の肩に橋本の片膝をのせて腰をぐいっと奥に進めた。もう片方の足はベッドに戻すと、フリーになった手で胸の頂きを摘む。「ぅ、んっ!」 ぴくんと跳ねる橋本の躰に連動するように、宮本も上半身を震わせた。「ヤバい、自分で自分の首を絞めてるのがわかるのに、陽さんをどんどん追い詰めちゃう」「おいつ、める、なっ」「追い詰める、よっ、一緒にイこう?」 我慢できなくなったのか、もう片方の宮本の手が橋本自身を激しく扱きはじめた。「あぅっ、あ、ぁあっ…もぅダメっ、イ、くぅぅっ」 快感に身を任せた橋本が宣言通りにイくと、宮本も後を追うように中で爆ぜた。「ま、雅輝っ…あっん…」 達したばかりだというのに、宮本自身から注がれる熱が直に伝わり、妙な高揚感を与える。「おまっ…いつま、でイってる、んだっ」 ドクンドクンと脈を打つようにいつまでも注入されるせいで、どうしていいか全然わからない。先にイってる関係で、先に橋本の躰が冷静になりかけていた。

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    橋本は片手を使って、顔をぱたぱた扇ぐ。そんな恋人の顔を、宮本はきょとんとしたまま見つめた。「剛速球なんて、投げつけてないのに。俺の素直な気持ちを言っただけですって」「おまえの気持ちがピュアすぎて、腹黒い俺には衝撃が半端ねぇんだよ」 言いながら橋本がテーブルに突っ伏しかけた途端に、グランドピアノのほうから拍手喝采が聞こえてきた。「あ、恭介の演奏、全然聞けなかった」 しまったと思ったときにはすでに遅し。グランドピアノの周りにいは、いつの間にか人だかりができていて、その中にいる榊は苦笑いをしつつ何かを言いながら、和臣のほうを見ていた。「俺はキョウスケさんの演奏のお蔭で、陽さんにプレゼントを渡すことができました。話をしながらでしたけど、素敵な演奏に耳を傾けていましたよ」「アイツら、このまま帰るっぽいぞ」 人だかりの中から和臣の手を引っ張った榊が、出口に向かって歩き出した。名残惜しそうな顔した和臣がコチラに振り返る。橋本は遠くから見てもわかりやすいように、大きく右手を振り、宮本はニッコリ微笑みながらピースサインを作った。「あとでメッセしておくか」「俺の分までお願いします」 榊たちが去ったあとは、蜘蛛の子を散らすよう席に戻っていく。しかしピアノを演奏する者がいず、人々の囁き声がそこかしこから聞こえてきた。「キョウスケさんの素敵な演奏のあとだと、やっぱり弾きにくいのかもしれませんね」「そうだな。ずっとピアノを弾いてたヤツに比べて劣るところはあるのに、勢いというか聞き入ってしまう何かを、恭介はもっていたと思う」「陽さんってば、ピアノの音の違いなんてわかるんですか?」 宮本は顎を引きながら、目を瞬かせる。「若い頃はジャズやクラシックなんてジャンルにとらわれずに、いろんな音楽を聞いていたし。耳はいいほうかな」 橋本の説明を聞いた宮本は、嬉しさを表す感じで瞳を細めた。「やっぱり、陽さんの引き出しは大きいなぁ。今度教えてくださいね」 喜びに満ちた弾む声を聞きながら、橋本はネクタイピンを手に取り、締めているネクタイにつけてみる。スーツの隙間から覗くそれは、ギリギリのラインでスターサファイアが見え隠れした。「……似合うか?」「男前二割増っス! ますます惚れちゃいそう」「ああ、そう……」 またしても宮本に直球を食らった橋本は対処に困り、視線を右往

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    「ゆ、指輪!?」「やっ、いきなりそういうのは重いと思って、やめたんですけど」 赤ら顔の宮本を見ていうちに、橋本の頬も赤く染まっていった。「俺は別に、重たいなんて思わないけどさ」 本心を言いながら置かれたままのケースを素早く手に取り、静かに蓋を開けた。「これは……」 中に入っていた物の輝きに、目を奪われる。フロアの天井にぶら下がっているシャンデリアの光を受けて、瞬くように輝いているそれを、瞬きを忘れて見入ってしまった。「ネクタイピンです。それなら仕事で使えるかなって」「このくっついてる石はなんだ?」 橋本は恐るおそるそれを突っつきながら、宮本に訊ねた。ネクタイピンについている石は大きくないものの、青く輝く色合いと中に浮かび上がっている星模様で、高価なものだというのが見てとれた。「……スターサファイアです」「っていうことは、このシルバーはプラチナでできてるんだな?」「ご明察通りっス……」 ネクタイピンが落ちないように、ボタンに引っかけるチェーンがついているが、何かの拍子でチェーンが切れたりしたらと思うと――。「仕事でこれを付けるには、かなり勇気がいるな」 ハイヤーの運転手として、ただハンドルを握るだけじゃない。お客様から預かった大きな荷物の運搬など稀にあるので、躰を動かすこともしばしばある。「そんなこと言わずに、付けてほしいです。なくなったら、また買ってあげますから」「また買ってあげるなんて言ってるけど、ほいほい買える代物じゃねぇだろ。おまえの趣味を封印してまで買ってることくらい、俺にはわかるんだぞ!」「スターサファイア、石の意味知ってますか?」 宮本のお財布事情を知っていたので、あえて口にして指摘したというのに、いきなり話題転換されて、橋本の頭がパニくる。「博識の恭介じゃあるまいし、そんなの知らねぇよ」「運命です。俺にとって陽さんは運命の人で、その星の輝きと同じように、陽さんはキラキラしている俺の憧れの人なんです」「ぶっ!」 臆することなく真顔で説明した宮本に対し、橋本は顔だけじゃなく、全身が火照ってしょうがない状態に陥った。「雅輝てめっ、よくもそんなこと、素面でペラペラ言えるな。俺のどこがキラキラしてるのか、全然わからねぇよ、まったく。プレゼントつきで、剛速球投げつけてくるな。対処に困ってしょうがねぇ……」

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    ☆ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒「どれをとっても美味しかったですね!」「予約が一年待ちというのもわかる気がする。静かにピアノが流れる店の雰囲気や、ここからの眺めも最高だしな」 橋本が窓の外を眺めたタイミングで、宮本はもじもじする。目の端にその動きを察知したので、思わず声をかけた。もちろん周りと宮本自身に配慮して、声のトーンを落とすのを忘れない。「どうした、トイレか? 遠慮せずに行けって」「違いますよ。そんなんじゃないです……」 ちょっとだけ不貞腐れながら、出されたデザートのケーキにフォークを突き刺す。その様子はケーキに当たるような感じに見えたので、なんだかなぁと思いながら話しかけた。「おいおい、やめてくれよ」「なにがですか?」 手荒に何度もスポンジにフォークを刺す宮本に、橋本は瞳を細めながら口を開く。「雅輝が俺の中を、そうやって荒っぽくグサグサしたら、たまったもんじゃねぇなぁと思ったんだ」「そんなことしません。大事にいたす所存です」「ホントかよ」 橋本がカラカラ笑うと、宮本は「本当なのに!」とむくれながら呟いた。「俺のデザートやるからさ」 言いながら、宮本の前にデザートを差し出す。それを不思議そうに眺めたのちに、橋本に視線を飛ばした宮本の顔には、疑惑という二文字が浮かびあがっていた。「陽さん、なにを企んでるんですか?」「企んじゃいねぇよ。ただ、めちゃくちゃにしてほしいだけだ」「なっ!?」 いきなりなされた橋本の要求に、宮本は椅子の上で小さく跳ねた。「おっと、危ない!」 ちょっとグラついただけなのに、なぜか上半身を屈める宮本を見て、橋本が慌てて声をかける。「危ないって、おまえのその動きはなんだ?」「やっ、別になにもありませんよ、本当に!」「そういやおまえ、料理の中盤から、なーんか動きが怪しかったんだよな。視線が定まっていなかったし、変な作り笑いして俺に合わせていたというか」 橋本がここぞとばかりに追求しかけた瞬間、それまで聞こえていたピアノの音が聞こえなくなった。どうしてだろうとグランドピアノがあった場所を見てみると、そこにはなんとピアノの椅子に榊が腰かけていて、すぐ傍に和臣が立ち竦み、にこやかに談笑していた。

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    「陽さんってば、俺をやり込めたのが嬉しくて、そんなふうに笑ってるでしょ」「それは違う。おまえがちゃんと彼氏らしく最初からアイツを牽制したり、追っ払ってくれたろ。前はそんなことすらできなくて、おどおどしていたじゃないか」 橋本に指摘された宮本は、あいまいな表情を作って黙り込む。「なんだよ、褒めてやったのに」 宮本が形容のできない妙な表情をしているせいで、場の雰囲気があまりよくなかった。「すみません。俺あまり褒められたことがないので、どんな態度をしていいのかわからなくて」「だったらこれから、俺がうんと褒めてやる! そしたら慣れるだろ?」「陽さんが俺を褒める……」 橋本が声高々に褒めると言ったのに、宮本の顔色は相変わらずだった。そのせいで無駄に上げた橋本のテンションも、だだ下がりする。「なんだかなぁ。バレンタインには女からチョコ貰ったり、クリスマスイブには俺の前で男に誘われたりと、すげぇモテてるというのに、本人まったくその自覚がないっていう」「確かに陽さんと付き合ってからは、服装に気をつけたりしましたけど、それ以外は全然変わってないんです。それなのに周りの扱いが一気に変わってしまって、困惑しているというか」 グラスを意味なくぐるぐる回しながら告げられたセリフを聞いて、橋本なりに考えながら語りかけた。「なんつーか、ほら。ド近眼の眼鏡を外したらイケメンだったキャラみたいな感じで、雅輝も変わったんだと思う。冴えないモブキャラが、格好いい主人公に変身しちゃったと表現すればいいか」「俺が格好いい主人公?」 目を大きく見開いて反応した宮本に、橋本はほっとする。このまま無反応を決めこまれてしまったら、正直持ち上げようがないと思っていたので、心底安堵した。「だから、もっと自信を持てって。俺の彼氏!」「陽さん……」「もう少しだけ自信を持ってもらわないと、俺の実家に行ったときに、大事なところで下手こくのは、どこの誰だ?」 おどけた口調で問いかけた橋本に、宮本は満面の笑みを唇に湛えてまっすぐ前を見る。「下手こかないように、陽さんの実家に顔を出すまでちゃんと練習して、自信をつけておきます」「そうしてくれ。すみません、アップルタイザーください」 ちょうど料理を運んできたウェイターに、宮本と同じ物を頼んだ。「あれ、もう飲まないんですか?」「誰かさんが、

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