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7.山本 美果

last update Last Updated: 2025-04-20 08:09:01

「湊市周辺の個人病院で検索し、ネットのレビューで一番低かったのが加藤歯科だったもので。レビューが酷いということは、

乱雑な治療をしている可能性が考えられる……つまり、このゲームに適性があるかもしれないと思いましたので」

「だってさ。あの文句だらけのレビューサイトが原因だって。

 あんなもの、アテにならない他人の感想不満の捌け口だ。自分の理想にそぐわないものを晒しあげて、商売人の価値を落とすだけのだよね。

    それが真実なら仕方がないけど……レビュー記事の治療は適切なものだってさっき言ってたし。多分、加藤歯科の評判は実際は異なるんだろうね。

 でも、それは別の話」

 ルキが椎名の胸元に手を入れ、装備していたホルスターから銃を抜いた。

 純白の上質なスーツに無機質な黒塊がよく映える。

「残念だけど……動かない玩具は要らないんだ」

 そう言い、銃口を加藤に向ける。

 しかし加藤は微動だにせず、下を向いたままだった。

「あんた方が恐ろしい存在なのは理解した。

 だが、君らも身体を患えば医者にかかる。絵が欲しければ画家を探す……。必要じゃない人間なんていない。いないんだよ。

 だとしたら、俺にも価値がある。

 価値があれば、誇りが芽生える。

 俺は腐っても医者だ。歯医者とて、人を殺める存在だけにはならん。

 構わん。殺せ」

「……そう。素晴らしい思想だ。まさに医者の鏡。

   そのプライドに免じて、 一瞬で逝かせるよ。

    さようなら、加藤 純平」

 暗い教室が二度、小さな光を伴いパンと渇いた音を二度立てた。

 窓の外からでも分かる、蛍のような小さな光。

「片付けはゲーム後でいい」

    グリップを椎名に向け、ルキは教室を後にする。

「椎名」

「はい」

「ネットのレビュー……さぁ。 

    俺が『他人の感想』なんか一番興味無いの……知ってるよねぇ ? 」

 安易に作業をすると、必ずルキは見抜く。ここに連れてくるのが、本当に誰でもいいという訳では無いのだ。他の被検体と同等程度に、必死に動かないと観覧者に萎えられてしまう。

 椎名の喉がゴクリと上下する。

「は、はい ! 」

「人生に捨てるものが無いクズに用は無いけど。こういうタイプも考え物だね。

    何としてでも生還を果たそうって人間じゃないとならない。

    動きが無い人間は一番駄目だ。彼は元々、ああ言う性格だったろうに」

「申し訳ございませんでした」

 崩れ落ちた加藤をそのままに、ルキと椎名は校長室へ戻ってきた。スミスは電話対応を続けている。

「さて、後一時間も無いね。残ったのはデスマスクのお姉さんとケイの二人か……。なんだかつまんないな」

「涼川 蛍のモニターに切り替えますか ? 」

「え ? 駄目駄目 ! 

 ケイは俺の期待のルーキーだよ ? 制作過程を覗くなんて勿体ないよ。

 あぁ !! でもきっと楽しそうにしてるよ ! 

 ……嬉しいね。単純にさぁ。ケイはまだ羽化したばかりだよ。毒蛾になるのか蝶になるのか……はたまた新種の化け物か……。本当に興味深い」

 タイマーのカウントダウンが残り十分を切る。

「さてと。まずはデスマスクの美果ちゃんから行こうか。

 オークション用に写真の用意だけして。ケースは……多分まだ要らない」

 廊下に集まった他の黒服も、それぞれの持ち場へ動き出す。

「ケイは俺を失望させない。分かるんだよねぇ。最後にじっくり楽しませてもらおう」

 ルキと椎名が校長室を後にし、二階へ向かう。

「か、完成よ !! さぁ、どうにでもしなさいよ ! 」

 時間ピッタリで教室に踏み込んできたルキに美果は声を荒げた。

 椎名は女性のデスマスクを写真に収めると、すぐにオークション用の加工へ作業を開始する。

 対面したルキが美果に微笑む。

「何 ? 写真 ? これで終わりなの ? 」

    椎名は勿論、ルキは何も答えなかった。

 無言で次の教室に向かうルキの後を、美果はふらふらとついて行くしかない。

 仁王のような男のデスマスク。キメ細かく、表情の荒々しさが伝わってくるようだった。

 ルキが顔をゆっくり寄せて、その出来栄えを見る。

「うん。どれも精巧に作られてるね」

 顔を上げると、そのマスクに手を伸ばす。

「あ ! 」

 美果が止める隙もなく。

 マスクはルキの手の中で、簡単に歪んでいく。

「乾燥しきっていない。つまり、これは未完成。作品として評価出来ないよね」

「そ、そんな…… ! たった数時間でどうしろって言うのよ ! 」

「だって、未完成なんだから失格だよ」

「こんなの納得いかない !! やれる事はやったわよ !! 」

「君はアーティストとして作品をお客に見せる時、未完成で観せるかい ? それは違うよね ? 」

「……こんな異常な状況で自分の魂を生み出せって言うの ? その方がおこがましい。貴方が芸術を知らないんじゃないの ? 」

「はは ! 言うね ! 

    でも……ここはそういう会場だから」

    美果は呆れたようにヘアゴムを解くと、ウェーブのかかった髪を膨らませる。全く納得がいかないルキの独裁判断のようで、死ぬと言う恐怖よりも怒りの感情が湧き上がっていた。

    そんな美果にルキは一つの選択肢を提示する。

「答えを見てから死にたい ? それとも知りたくもないかな ? 」

 どういう意味なのか、美果はルキの言葉を理解していなかった。ただ、このまま訳も分からず酷評され、失格になるのはプライドが許さない。

「し、知りたいわよ ! 答えがあるって事なの !? 」

 ルキは美果を教室から出るよう促し、ニッコリと微笑んで見せる。

「じゃあ一緒に行こうか。俺もそれが知りたいんだよね〜」

 死が確定した今、美果は何か緊張の糸が切れた様な落ち着きを取り戻した。諦めもあったかもしれないが、最悪の状況下で、確実に自分は最高作を作り上げた。その満足感と手応え。これで失格と言われたら、次なら出来るという自信もなかった。

    あのデスマスクこそが極限状態での最適解だった。

    それと同時に、美果にはルキがとても悲しい化け物に見えた。

    この男は満足していない。何にも満足出来ない。普通の人間が幸せに思えることに、脳が反応しないのだろうと思えたのだ。それはとても悲惨な人生だと。

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