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第24話 思い通りにならない

Author: 暁万里
last update publish date: 2026-06-15 07:00:15

 白石家の空気は重かった。

 リビングのソファに座る美羽は、スマートフォンを握りしめたまま親指の爪を噛む。

「……なんで」

 小さく呟く。

 画面には何度も同じ名前が表示されていた。

 ――白石澪。

 送ったメッセージは既読にならない。電話も繋がらない。

 どこで何をしているのか分からない。

 それが美羽を苛立たせていた。

「美羽?」

 母が心配そうに声を掛ける。

「どうしたの?」

「ううん、なんでもないの」

 美羽はいつもの可愛らしい笑顔を見せた。

 けれど心の中は全く穏やかではなかった。

――おかしい。

 本当ならもっと上手くいくはずだった。

 澪は傷付いて。そして、家に戻ってきて、縋りつくように泣くと思っていた。

 それでも結局、澪は自分たちのために働き続ける。

 そう思っていた。

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